保谷こもれびホールが今年より始めたイベント「ミッドサマー・ビッグバンドフェスティバル2010」に伺った。"フェスティバル"の名に相応しく、アマチュアのバンドから、日本を代表するバンドまでが一同に会し、午後目一杯かけてビッグバンド・サウンドを響かせる、という催し。チケットについては、大学時代の友人、というか盟友にお世話になった(ありがとうございました)。
今回の出演は、アマチュアのLa Musica Sabrosa!、Northern Six Big Bandの2つと、笹路正徳がこの日のために結成したという笹路正徳 Japan Allsters、ジャズヴォーカリストの綾戸智恵、そして結成15周年を迎えてますます活躍の幅を拡げる熱帯JAZZ楽団、という超豪華な布陣。さらに、ロビーコンサートでは、ジャズのサックス四重奏団であるQUADRAと、ヴァイオリンの真部裕氏が出演。
La Musica Sabrosa!とNorthern Six Big Bandは、アマチュアで活動しているとのことだが、それぞれが個性的なサウンドを持っていて、とても楽しく聴けた。ラテン色を全面に押し出したLa Musica Sabrosa!は、迫力あるCoroの大合唱に始まり、最後はホーン隊のサウンドが炸裂。ラテン・パーカッションのサウンドもご機嫌。Northern Six Big Bandは、打って変わっていかにもスタンダードなレパートリー。メンバーは30代から、上は80代(!)とのことで、驚いたが、味わい深い演奏だった。
第2部は、日本を代表する音楽プロデューサーのひとりである笹路正徳氏が結成したビッグバンド。さらになんと、綾戸智恵をフィーチャーしてのステージだった。メンバーのリストは以下。
笹路正徳, pf
村田陽一, trb
綾戸智恵, vo
近藤和彦、萱生昌樹、竹野昌邦、吉田治、山本拓夫, sax
西村浩二、菅坡雅彦、奥村晶、岡崎好朗, trp
東條あづさ、川原聖二、朝里勝久, trb
渡嘉敷祐一, drs
バカボン鈴木, bs
田中倫明, perc
この強力な編成で、ジャズのスタンダード(しかし、相当にテクニカルなアレンジ)を数曲。綾戸智恵氏は、途中の3曲に登場…実は綾戸氏のステージングを拝見するのは初めてだったのだが、冒頭のトークから超強烈なキャラクターに飛び上がり、続いてパワフルな歌声、ステージ上を飛び跳ねまわるかのようなダンス!たった3曲の間に、ファンになっちゃいました。
お待ちかねの第3部は、熱帯JAZZ楽団。前日まで北海道の音楽祭に参加しており、その日は北海道に宿泊し、朝一番の飛行機で羽田へ、さらに在来線(京急線→JR→西武池袋線)を乗り継いで保谷入りしたとのこと!そんなカルロス菅野氏の軽妙なトークを楽しんでいると、いつの間にやら熱帯JAZZ楽団のあのヘヴィかつ開放的なサウンドが聴こえてくる。実は今日の催し、客層が不思議な感じ(明らかにビッグバンド知りませんという感じの年配の方が多数…どういうチケットの売り方をしたのだろうか)だったのだが、とにかく熱帯JAZZ楽団だけは問答無用で客席も沸いていたみたい。
ちなみに、本日はサポートメンバーとして佐久間勲氏(trp)と佐野聡氏(trb)が参加していた。中路英明氏を見られなかったのはちょっと残念だったが、佐野聡氏の存在感、というか爆笑モノだったソロは、とにかく印象深い。初めて観ると、卒倒しそうになるだろうな(笑)。近藤和彦氏のソロでは、頭に「ストーリーテラー」という言葉が思い浮かんだ。とにかく、起承転結がものすごいのですよ。
最後は、「シング・シング・シング」のスペシャル・セッションにて幕。いやー、楽しいイベントだった!本年を起点として、今後継続していくそうだ。来年の催しが、さらに充実したものになることを期待したい。
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