2010/08/15

Claus Olesen氏のソロCD

午後いっぱい、部屋でNHK-FMの「今日は一日フュージョン三昧」を聴いていた。「フュージョン」という割にはずいぶんゆったりな選曲で(ちょっと不満)、聴きながら昼寝してしまった。23:00までやっているらしいので、これからに期待…。

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最近日本のサクソフォン界でも有名になってきた、デンマークのサクソフォン奏者、クラウス・ウールセン(オレセン) Claus Olesen氏。ウールセン氏は、ソロでの活動の他、ジョットランディア・サクソフォン四重奏団のソプラノ奏者としても有名である。ジョットランディアSQとしては、2005年に初来日し、さらに独奏者としても、一昨年のサクソフォーンフェスティバルに合わせて来日し、見事な演奏を披露した。そのときウールセン氏が演奏したフローラン・シュミット「伝説」は、後にも先にも、これ以上の演奏を聴いたことがない、というほどのものだった。

そのウールセン氏が、2007年に吹き込んだソロCDを聴くことができた。ClassicOレーベルという、それなりに有名なレーベルからリリースされているアルバムなのだが、なぜかあまり流通しているのを見かけたことがない。不思議。

「A Case of Music(ClassicO CLASSCD 741)」
Claus Olesen (sax)、Aya Tominaga (pf)
Claude Debussy - Petit Suite
Camille Saint Saens - Sonate pour hautbois
Paule Maurice - Tableaux de Provence
Roger Boutry - Divertimento
Francis Poulenc - Sonate pour hautbois
François Borne - Carmen fantasie

このCD、mckenさんがレビューを書いている。また、たしかThunderさんもこのCDは持っているはずなのだが、レビュー記事は見つけられなかった(いつか見たことあるような気がするのだがなあ)。

何か奇をてらっているとか、超絶技巧だとか、そういったものは一切ない。選曲も、基本的にはオーソドックスなものだし(ドビュッシーの「小組曲」は驚いたが)、見た目の派手さはあまり感じられない。逆に、2007年という時代に、こういったアルバムを制作した勇気というか、思い切りの良さにまず驚いた。

聴いていると、サクソフォンとピアノのフレージングの綾の中に自分の意識が溶けこんでいきそうになる。透明感あふれる優しい音色は、音楽と聴き手を直接リンクさせるものだ。あまりウールセン氏の音楽を聴いた、という感じではなく、ブートリーの音楽だったり、モーリスの音楽だったり、それらを直接浴びているような感覚。

収録されているアレンジ作品は、実演で聴いても実に面白そうだ。フラジオ音域も当たり前のように登場するが、テクニックを聴いているという感じはない。ウールセン氏はここでも、聴き手に対して作曲家の音楽をそのまま届ける、ということに徹しているように感じる。

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