神奈川県のT様より送っていただいた録音。私自身は知る由もない頃のことだが、日本サクソフォーン協会立ち上げのために、当時の音楽大学の教授陣が集まって、ラージアンサンブルの立ち上げを行っていたのだそうだ。そして、第1回のサクソフォーン・フェスティバルに先立って録音され、ラジオ放送されたもの、とのこと。
つまり、日本における最初期のプロフェッショナルなラージアンサンブルの響き、ということになる。1980年前後の日本のサクソフォン界のラージアンサンブル…どんなとんでもない演奏なのか、とビクビクして聴き始めたのだが、予想を大きく裏切られるほどの、高いレベルに驚いた!ものすごく丁寧なリハーサルの跡が見られ、ややエッジが立った均質な発音・音色が心地良い。ある部分については、現代のラージアンサンブルを凌駕する部分もあるのではないかな。
プログラムは、以下のとおり。レパートリーに関しては、金管アンサンブルのものを持ってきたり、弦楽アンサンブルを編曲してみたりと、いかにも黎明期らしいセレクトだ。
G.ガブリエリ/宗貞啓二 - カンツォン・プリ・ミトニ
G.ガブリエリ/宗貞啓二 - カンツォン・ソナタからカンツォン第14番
G.F.ヘンデル - 合奏協奏曲ハ長調より第1楽章
A.ドヴォルザーク - スラブ舞曲第3番より
日本サクソフォーン協会の歴史については、松沢増保氏が著した「日本サクソフォーン協会20年のあゆみ」というページが有名であるが、残念ながら今回頂いた録音と、関連性を見つけることはできなかった(第1回のプログラムも、こちらのページには"ラージアンサンブル"としか書かれていない)。
今度、松沢氏に伺ってみようかな。もしくは、当時のことをご存じの方がいましたらぜひ教えてください。この放送が実現した経緯や、当時のメンバーなど、非常に興味がある。
ちなみに、T様の話によると、バッハの「ブランデンブルク協奏曲第2番」もリハーサルされていたそうな(本番は実現しなかったそうだが)。これは、ミュールのあのLPを意識してのことなのかな。
4 件のコメント:
ども、みゅるGENです。
8/17は来場ありがとうございました。
第1回のサクソフォーンフェスティヴァルの録音、実は私も持っていたりします。
私の高校の1つ上の先輩方はわざわざ聴きに行きましたが、当時の私は楽器より吹奏楽だったので(爆)誘われたけれど行きませんでした。(笑)
そんな自分が第10回には参加しているのが不思議(笑)。
> GENさん
どうもこんにちは。久しぶりに(2年ぶりくらい?)お会いできて、とても嬉しかったです。浜松サックスの演奏、素敵でした!
第1回の録音ですか!ここで紹介したのは、たぶんその第1回の録音よりも前の放送用録音なのですが、その第1回の録音というのも非常に気になりますね…(やっぱり、阪口氏のソロなども聴けるのでしょうか)。
第10回の参加は、浜松サックスでの演奏、ですか?
いや、第10回のフェスティヴァル参加は、浜松ではなく、今はなき東京シティウインドアンサンブルという東京の団体での参加でした。
一緒に吹いていたThunderさんのHP内のコンサート記録のページによれば、1989年10月29日開催のようです。もう21年も前のことなんですね。
このときはスカルラッティの3つの小品をトップバッターで吹きました。伊藤康英さんのファンファーレをフェスティバルオーケストラが冒頭に派手に演奏した直後だったから、自分たちのカルテットがショボく思えましたが(笑)、それでもスカルラッティの第2曲の最後ののばしと第3曲目の最後のバリトンののばしの低音が自分としてはとても気持ちよく吹けたのでいい思い出です。
この第10回では、あの雲井さんによるブランデンブルグ第2番が演奏され、ソプラニーノのすごさがとても強烈でした。今聴いてもすごいです。
> GENさん
東京シティウィンドって…なんかいろいろと噂には聞きますが、なかなか凄い&濃いメンバーだったとか何とか(笑)そのあたりのお話も、ぜひ今度じっくり伺いたいです。会場も、多摩でなく川崎なんですよねえ。
アマチュアとしては、そんなに早い時期から定常的にアンサンブル活動していた団体は、珍しいのではないでしょうか?しかもスカルラッティですか…いやはや。
雲井さんは、そんなに前からブランデンブルクに取り組んでいるのですね。それも驚きです。
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