どうも私は、ルンバを題材としたオーケストラ作品が好きなようだ。黛敏郎「ルンバ・ラプソディ」やグレイアム・クーネ「エレベーター・ミュージック」は、どれほど繰り返し聴いたことか。たぶん、その強烈な推進力を持つリズムやらなんやらに、心が惹かれたのだと思っている。
ジョージ・ガーシュウィンの「キューバ序曲」もまた、ルンバからヒントを得て作られたもので、私がガーシュウィンの作品中、最も好きな作品だ。一番最初にサックス四重奏のバージョンを耳にして、その奇怪なリズムと底知れぬ明るさに衝撃を受けた。そして、サクソフォンオーケストラのバージョンや、原曲を聴くうちに、この曲が持つ魅力にぐいぐいとはまっていった。
昨年暮れ、サイモン・ラトルが指揮するベルリンフィルのジルヴェスター・コンサートの一曲目で、この作品を取り上げていたのだが(前半・後半)、もう奏者が楽しそうで楽しそうで。序盤から快速で飛ばすラトルに、ノリノリでついていく弦楽器、打楽器、管楽器が次々に映し出され、聴いているこちらも思わずニヤニヤしてしまったのを覚えている。それにしても、そのあとのアダムズとは、まさに対照的であった(苦笑)。
ベルリンフィルが、こんなにも羽目をはずしてガンガンに弾くところを見たのは、本当に久々かもしれない。奏者と聴衆を同時に心から楽しませることができる音楽があるんだなあ、という実感。クラシックの曲でそういうものって、なかなかないと思うのだが(そんなことないかな?)。
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