フィリップ・グラス Philip Glassの「サクソフォーン四重奏のための協奏曲 Concerto for Saxophone Quartet」と言えば、秘曲中の秘曲?として名高いグラスのサクソフォンのためのオリジナル作品。4楽章からなり、美しいメロディと変拍子に彩られた傑作である。サクソフォン四重奏+オーケストラという編成のほか、四重奏のみで演奏可能なバージョンも出版されている。
で、この度その「サクソフォーン四重奏のための協奏曲」の新しいCDが出た、という情報をamazonのこのリンク先で仕入れ、これは!ということで買ってみた。「Philip Glass Concerto Project」と名付けられたシリーズのうちの一枚で、amazonのクレジット表記「Philip Glass (作曲), Dennis Russell Davies (指揮), Rascher Saxophone Quartet (合奏), Beethoven Orchester Bonn (オーケストラ) 」を見て、四重奏とオーケストラのバージョンの新録音か!?と思ったのだ。
今までは、ラッシャーQとシュトゥットゥガルト室内管のものしかなかったので、同じラッシャーQの再録ということならば、名演が期待できるではないか。数日の後に到着し、早速再生…。
しかし、なんとスピーカーから流れてきたのは四重奏バージョン!「なにー!」と思ってジャケットを良く見てみたら、なんとオーケストラは併録の「Concerto Grosso」にしか参加していないではないか!何という勘違いいぃ!ふう、力抜けたー…。
以前Orange Mountain Musicから発売された同じ四重奏バージョンとは、どうやら別テイクなのが幸いか。ソプラノがChristine Rall、アルトがElliot Riley(この人の名前は初めて聞いた)、バリトンがKenneth Connで、テナーが毎度おなじみ、創設当時からのメンバーであるBruce Weinberger。「Saxophone」では、たしかソプラノがCarina Rascherだったからなあ。
この作品に関する作曲者自身のプログラムノートなども書いてあって、資料的には手元に置いて損はないかな。でも、せっかくならばオーケストラと録音してほしかった(T_T)
ラッシャーQとシュトゥットゥガルト室内管の演奏も良いが、個人的には尚美学園大学のオーケストラと雲井雅人サックス四重奏団の共演が忘れられない。客席を一瞬にして飲み込んだあの独特の雰囲気は、今でもはっきりと思い出すことができる。ベートーヴェンで緩んでしまった空気の色が、グラスの冒頭のオーケストラの一音で、ふっと変わったのだ。そして、長音のみで構成されたメロディが入ってきて…。四重奏のみならず、オケもこの至難な作品に対して熱演だったことを覚えている。
0 件のコメント:
コメントを投稿