パリ国立高等音楽院サクソフォン科教授、クロード・ドゥラングル Claude Delangle氏のソロデビュー盤(?)と言われる「Duo Delangle(REM 10864)」。YWOサックスのmaeさんがトランスファーした音源を、先日CD-Rとして譲っていただいたのである。ピアノはオディール・ドゥラングル Odile Delangle女史。
Jacques Charpentier - Gavambodi2
Antoine Tisne - Music for Stonehenge
Marius Constant - Musique de concert
Olivier Messiaen - Noel
Denis Dufour - Cuellir a l'arbre
これが1980年代、新進気鋭のサクソフォニストとして名を馳せた当時のドゥラングル氏が選んだプログラム。なんとも鮮烈な選曲だ。メシアンはピアノ独奏、デュフォーは電子音楽とサックスための作品となる。録音はデッドで、妙な残響を捉えているが、スタジオかどこかでのレコーディングなのだろうか。
技術的に完成されているのは言うまでもないが、全体を見渡してみると不思議な体温を持つ演奏だと感じる。熱いのか、冷静なのかよくわからない。実際なにを考えて演奏しているのか、というのは興味あるところだ。
Vandoren盤でも聴けるような等速ヴィブラートを使って演奏されおり、特にシャルパンティエやコンスタンのようにいくつもの演奏を聴いたことのあるものに関しては、新鮮な印象を受けた。アントワーヌ・ティスネの「ストーンヘンジのための音楽」という曲は初めて聴いたが、微分音やクラスター、ピアノの内部奏法などのほか、繊細な弱音による表現は、いかにもティスネといった感じの作風で聴き応えがあり面白い。
デュフォーの「Cuellir a l'arbre」のタイトルって英語に直すと「Gather a tree」になるのか。最近の例えばMAX/MSPを使用したようなスタイリッシュなミュージック・コンクレートではなく、ギーとかウィーンとかピコピコとか、本当の電子音楽との共演。音の密度は低いけれど、不思議と耳を傾けたくなる。
この録音、復刻されればよいのになあ。ともあれ、貴重なものを聴かせていただいて、ありがとうございました。
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