ダニエル・デファイエ Daniel Deffayet氏は、例えばベルリンフィルとの共演による「アルルの女」や、国内盤「魅惑のサクソフォーン」などを筆頭に、いくつかの録音を吹き込んでいる。例えば、Adolphesax.comのこのページなどから、ディスコグラフィを参照することができるが、今回紹介するのはあまり知られていないfidelio盤。初めて存在を知ったときは、「へえー、こんなのがあるんだ!」という感じだったな。木下さんは、これも例のオークションで手に入れたのだろうか…。
「Le saxophone」という盤で、デファイエ氏のソロ録音、デファイエ四重奏団の録音がカップリングされている。ピアノは、ジャクリーヌ・デュッソル Jacqueline Dussol(ってダレ?)。収録曲目は、以下の通り。
(Daniel Deffayet & Jacqueline Dussol)
・P.ボノー「組曲」
・A.チェレプニン「ソナティネ・スポルティヴ」
・P.モーリス「プロヴァンスの風景」
(Quatuor de saxophones Daniel Deffayet)
・P.ヴェローヌ「野獣園より"イルカ"」
・P.ヴェローヌ「半音階ワルツ」
・P.ヴェローヌ「アンダルシアの騎士」
・J.セムレア=コレリ「アルレキナード」
・R.クレリス「かくれんぼう」
・F.デクリュック「パヴァーヌ」
・E.ゴージャック「子供の夢」
デファイエが演奏するボノー、チェレプニン、モーリスなんて、夢想はすることもあるけれど、まさか実際に存在するなんて!という驚き。録音がデッドであり、やや記録音の解像度が低いためか、Crest盤などに比べると音色そのものの魅力という点では劣るかもしれないが、天才的なフレージングの織り成し方は、相変わらずの素晴らしさ。このくらい吹かれてしまうと、ところどころ呂律が回らなくなっているあたりは、ちょっと微笑ましいと思えてしまうほどですね。
四重奏団のほうは、EMIの録音と重複するものもありつつ(録音時期が近いということか?)、ユレ・セムレア=コレリ Jules Semler Collery「アルレキナード Arlequinades」などというマニアックな曲が入っているあたりが目をひく。しかも、これがまた楽しい曲なのだ。ヴェローヌの作品群の演奏なんか、EMI盤よりもこちらのほうが好きかもしれない。不思議と耳を傾けたくなる演奏だ。
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