今日、3月21日はバッハの誕生日であり、そして今気づいたのだが、グラズノフの命日だ。つい昨日に、ブログでグラズノフについて取り上げたのは、偶然。
グラズノフが亡くなった時の部屋の様子を捉えた写真を見ると、仕事机の上には印刷会社から上がってきたばかりの「協奏曲」のスコアが慎ましやかに置かれている様子が、確認できるそうだ。印刷会社への発注は、1936年の2月10日。製本された楽譜が上がってきたときのグラズノフの喜びは、如何ほどのものであっただろうか!病気の苦痛に絶え続ける彼にとって、この曲のスコアを手にしたときは実に幸せな瞬間であったのだろう。皮肉にも、それはグラズノフの人生最後の喜びのひと時だった。
病魔に侵されながらも、最後の最後に「サクソフォン四重奏曲 op.109」「サクソフォン協奏曲」という傑作を遺してくれたアレクサンドル・グラズノフに、我々サクソフォニストはもっと感謝せねばならないのではないだろうか…。
サクソフォニスト、などと自らを名乗ることもおこがましい程度の私ではあるが…部屋でひとり、黙祷。
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