引き続きアドルフ・サックス国際サクソフォンコンクールのネタ。
実施要項がPDFで読めたので(→http://www.dinant.be/pdf/pages/588/extrait_regl_fr_recadr%E9.pdf)、課題曲・選択曲の部分をまとめてみると、こんな感じ。
・予選(課題曲1曲+選択曲1曲)
課題曲:
ダニエル・カペレッティ「Ge(r)ms」
選択曲:
マルセル・ドゥ・ヨンゲ「協奏曲」
ピエール・リエマン「A la bonne heure」
アンリ・プッスール「Duel de Capricare」
フレデリック・ファン・ロッサム「Pathetic Story」
ウィリー・ボウェラーツ「Trilogie」
ジャン・アブシル「ソナタ」
ルネ・ベルニエ「Hommage a Sax」
ミシェル・リサイト「Chronographie IX」
…ロッサムの「Pathetic Story」は前回の本選課題曲だが、他はなんだか聞いたことのない作曲家ばかり…おそらく開催地ベルギーの作曲家なのだろう。そんな中、アブシルが唯一フランス・アカデミズム的作品として異彩を放つ…と思いきや実はアブシルもベルギーの作曲家なのです!
・二次予選(課題曲1曲+選択曲1曲+自由曲1曲)
課題曲:
ジャン=ルク・ファルシャンプ「Decalcomanie de Reich et Ligeti」
選択曲:
ジャック・イベール「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」
吉松隆「ファジイバード・ソナタ」
エディソン・デニゾフ「ソナタ」
フローラン・シュミット「伝説」
マリリン・シュルード「Renewing the Myth」
ポール・クレストン「ソナタ作品19」
アルフレッド・デザンクロ「前奏曲、カデンツァと終曲」
ポール・ヒンデミット「ソナタ」
自由曲:
無伴奏曲(テープ、ライヴエレクトロニクス等の特殊なエフェクトを伴った作品を除く、自作除く)。
…課題曲はなんだか興味深いタイトル、直訳すると…「ライヒとリゲティの鏡絵」だそうで。一次予選に比べると、選択曲はぐっとフレンチな作品になっている。吉松氏の作品があるが、「ファジイバード」はすでに海外でもかなりレパートリーとして定着していることが伺える。自由曲の無伴奏曲は、やはりシュトックハウゼン、棚田文則、ベリオあたりが定番のようだ。
・本選(課題曲1曲+選択曲1曲)
課題曲:
コンクール用に委嘱された新作。
選択曲:
ラーシュ=エリック・ラーション「協奏曲」
フランク・マルタン「バラード」
フレデリック・デヴレーズ「オスティナート」
ロジェ・ブートリー「ディヴェルティメント」
テリー・エスケッシュ「暗闇の歌」
…課題曲は毎年新作が委嘱されるとのことで、本選出場者にとっては課題曲の出来がネックになるとのこと。ラーション、マルタン、ブートリー、エスケッシュと、ここぞとばかりに超有名曲がせいぞろい(二次ほどではないにしろ)。それにしても曲の長さにずいぶんバラつきがあるなあ。
さて、原さんの劇的な優勝から4年、はたして今年はどんな結末が待ち受けているのだろうか。今年の開催期間は10/31から11/11だそうで、傍観する側ながら、けっこう楽しみ。
0 件のコメント:
コメントを投稿