2005年にEnF Recordsから出たフレデリック・ヘムケ氏の「Simple Gifts」を試聴できるサイト(左側のPLAY ALL SONGSから聴けます→http://www.cdbaby.com/cd/enfrecords)を発見。聴いてみた。オルガンとアルトサクソフォンという編成のアルバム…クリスチャン・フォーシャウの「Sanctuary(Quartz)」を思い出したけれど、方向性はかなり違うみたい。
ヘムケ氏の音、実はほとんど聴いたことがなくて、しかし日本の雲井雅人さんとか佐藤渉さんとかはヘムケ氏の弟子だということで気になってはいたのだ。いくつか耳にしたことがあるのは、サミー・ネスティコの「Persuation」をCCBというバンドと一緒に演奏した録音(ここで聴ける→http://ccb.coin.org/sounds.html)とか、サンドロフ「ウィンド・シンセサイザーと弦楽のための協奏曲」の中間部のカデンツァくらい。
1975年にはLPで「The American Saxophone」「Music for Tenor Saxophone」という2つのアルバムをリリースしたとの事なのだが、もちろん今となっては入手するすべもなく指をくわえて待っていたところ(クラシックサックスの世界で音源を入手するのには、実は待つことが重要だったりする)、去年なんと新譜としてリリースされたのがこのアルバム「Simple Gifts」。さらに今年中に「The Americal Saxophonist」というアルバムも出すとの事。まあ、そちらが出たらまとめて買おうかと思っている。
さすが、歴史に名を残すソリストだけある。聴こえてくるのはタイトルどおりの確かに「シンプルな」音楽なのだけれど、こういうシンプルさを聴かせられる演奏家ってやはり稀なのだと思う。テクニックが凄いとか、音色が特徴的だとかは全くない。言ってしまえばただ単に普通のことをやっているだけなのに、心がこもったフレーズがはちきれそうだ。そういえば、隅から隅まで気配りしながらフレーズを形作ってゆく演奏って、雲井さんや佐藤さんの吹き方に似てなくもない。
テクニックに「おおっ」と驚いて感動することはありがちだけれど、シンプルで力強い堅牢な音楽は普遍的なんだろうなと思う。変な話だけれど、こういう演奏だったら他の管楽器の人や、弦楽器、果ては声楽家の人が聴いたって頷くのではないかな。数多のプロにとって、そしてもちろんアマチュアにとっても、こういうところに目指す理想があることが良いのだろう。…そうそう、ガロワ=モンブランの第一楽章を吹いて聴き手を感動させられなければ、いくら指が回ったって意味がないじゃないか(なんだそりゃ笑)!自分はまだまだですがね…。
さて、これはこれで良いとして、やっぱりLPも気になってしまう。ダールやフサの作品が入っているという「The American Saxophone」、それから「Music for Tenor Saxophone」聴いてみたいなあ。中古で売り出されていないか検索をしょっちゅうかけているのだが、どうやらどこにも出ていなさそうなのだ。うむむ、まあ気長に探すか。
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