2006/08/22

平野公崇氏の映像

実家にある自分のものを整理していたら、ビデオカセットが二本出てきた。…一本はマルセル・ミュールのインタビュービデオ、もう一本は平野公崇さんが読売日本交響楽団と演奏した模様を録画したものだった!そういえば、高校のときに「深夜の音楽会」に平野さんが出ると知って、夜遅くまで起きていながら頑張って録画したような覚えが…。嬉しくなって早速観てしまった。

バッハ「ゴルトベルク変奏曲より『アリア』」、グラズノフ「協奏曲」、平野公崇「インパルス・オブ・リードフェイズ」、デニゾフ「ソナタより第三楽章ジャズアレンジ」。ちょうど平野さんのセカンドアルバム「ジュラシック」が発売されたころの番組で、選曲なんかまさに「ジュラシックの美味しいトコロ持ってきましたー」という感じだ。

平野さんの生の演奏は一、二回程度しか接した事が無いのだけれど、この人は本当に演奏する姿がすごい。鬼気迫る、というのはちょっと違うのか、ライヴならではの緊張感と言うか覇気と言うか、視覚的な情報が付くとまさにその「覇気」がダイレクトに伝わってくる。なんかまたライヴで聴きたくなったな…。

グラズノフの曲への没入度にはビックリするが、しかし音色や発音はあくまでしなやか。その辺は本場コンセルヴァトワールで学んだバックボーンなのか。なかなかどうしてフレーズの持続間は聴きもので、良く見れば循環呼吸まで使っているじゃないか!なるほど。オーケストラの指揮が井崎正浩氏で、そういえば2月に雲カル×尚美学園オケのグラスの協奏曲振っていたのってこの人だったっけー、と思い出した。

「インパルス・オブ・リードフェイズ」はアルバム「ジュラシック」のなかでも結構好きな曲なのだけれど、ここでは雪の上の足跡→ホルン、リードフェイズ→木管、ベース→コントラバスに置き換えての異色の編成による再演。あんまりオーケストレーションが成功しているようには見えなかったが(^^;しかしまあ豪華な演奏である事には間違いないな。サックスパートはCDで聴ける音とかなり違っていて、「おお、即興だ」と妙に納得してしまった。続いてデニゾフのジャズアレンジを聴けるのは良かった。CDよりもさらにアップテンポの強烈なフリージャズ、クリヤ氏も音変えすぎ(笑)。

うむむ、平野さんのリサイタルが聴きたくなったぞー。近いうちにエマニュエル・バッハの作品を集めたCDが出るらしいので、とりあえずはそっち狙いかな。

久々に聴いてちょっとテンションが上がってしまったのだけれど、こうして聴くとやはりVHSってかなり音が悪い…と痛感してしまった。録画した当時ではまだどうしようもないが、最近出回ってきた地デジ×フルHDレコーダーだとやはり音も綺麗なんだろうな。普通の番組を観ている分には構わないけれど、こういった音楽系の映像にはけっこう威力を発揮するのかもしれない、とも思った。

0 件のコメント: