Russell Cheever (1911-1987) soprano saxophone
Jack Dumont (1918-1985) alto saxophone
Morris Crawford (1921-1975) tenor saxophone
William Ulyate (1921-1970), baritone saxophone
ハリウッド、と名がつくだけあって、メンバーの多くが20th Century Foxのスタジオ・オーケストラ演奏者として働いていた。William Ulyateの名前はよく知っている方も多いだろう。インゴルフ・ダールの「サクソフォン協奏曲」改訂のきっかけとなった人物である。その辺りのエピソードは、こちらの記事に書いた。また、ロバート・クラフト指揮のアントン・ヴェーベルン作品集に、バスクラリネット奏者&テナーサクソフォン奏者(四重奏曲作品22)としてクレジットされている。
四重奏のサウンドについて説明したい。そもそもF様からこの録音を送っていただいたきっかけは、宮島基榮氏が過去にバンドジャーナルに寄せたサクソフォン四重奏録音のレビュー記事なのである。ミュールSQ、デファイエSQ、キャトル・ロゾー等、様々なLPについて、独特の語り口で紹介されているのだが、その中でも絶賛されているのが、ハリウッド・サクソフォン四重奏団なのである。ちょっとそのレビューの一部を抜き出してみよう。
このレコードはすばらしいの一言につきる。これぞまさにプロの演奏です。奏者全員がリラックスして吹いているので、聴いていて心が休まります。
なぜかといえば、気負いがないからです。日本人はなぜか髪の毛ふり乱して気負って演奏しなければ感じない人種のようです。下手でも熱演すれば感動するものです。それは、その音楽にではなく行動に感動するのです。一口にいえば、うまいかヘタかわからない人が多いということです。(…中略…)
プロである以上うまいのは当り前であり、人気とはその土に立ってのことなのです。日本でも演歌の歌手はそれが当てはまります。なぜなら、演歌は日本人なら誰でもうまいヘタがわかるからなのです。
話がそれたが、このグループはハリウッドのモーション・ピクチュアのスタジオ・プレイヤーであり、ジャケットの解説によれば、モーツァルト、シュトックハウゼン、そしてジャズまですべての音楽のジャンルの演奏をすると書いてあります。
私のような終戦時代に青春を過したものにとってはなつかしいアメリカの名画のバック・グラウンド音楽の甘くやさしいサックスの音なのです。
という具合。うーむ…。
その宮島氏の言葉を裏付けるような、暖かいサウンドが魅力的な2枚のLPをお送りいただいた。後日レビューしたい。
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