2010年12月23日の、サクソフォーン・フェスティバル010の二日目のレポートを書く(一日目は平日ということもあり、行けなかった)。
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この日は別所で練習があったため、午後から伺った。さすが会場に着くと、お知り合いの方がたくさん。練習後だったのでテナーサックスを抱えてフラフラ。楽器店ブースのダクで、杉本さんにレジェール・リードの新作(名前失念…)など試させてもらった。アルト用がだいぶ進化したそうで、実際に吹かせてもらったが、たしかに天然リードと変わらない吹き心地。音色も、吹き手ですら、違いがほとんどわからない。
♪田村真寛
C.ロバ - タージ
J.S.バッハ - パルティータBWV1013
いずれもソプラノ・サクソフォンで、ジャン=マリー・ロンデックス国際コンクールを意識したような選曲。ロバでの自らを手綱で抑えるような楷書体の演奏が、大変印象に残った。かなり完成度を高めようとする強い意志が感じられた。良く考えてみたら、タージをライヴで聴くのは初めてかもしれない。バッハは音ミスも散見され、音色は大変美しかったもののあまり田村氏らしくなかったような。やはりターゲットはJMLコンクールか。
♪ジェローム・ララン
久保禎 - イリュージョナル・フォレスト
凄かった!2006年の「サクソフォーン旋風」から、何度も来日してはそのたびに驚きの演奏を繰り広げるララン氏、さすがにもうこれ以上はないだろう、と思いつつ毎回聴くのだが、またしても度肝を抜かれてしまった。もともとはクラリネット作品だということだが、どんな音が出てこようがお構いなし、技術的にもなんのその、中間部では長大かつエキサイティングな即興まで披露して、聴き手を興奮の渦に巻き込んだ!
演奏後に会ってちょっと話したが、日本語も凄く上手くなっていて驚き。来週(ということは、もう今週)からソウルに行くとのこと。
♪クローバー・サクソフォーン・カルテット
R.R.ベネット - サクソフォン・シンフォネット
「サクソフォーン四重奏名曲館」という企画で、クローバーSQのほか、フィグールSQ、アテナSQ、ヴィーヴSQが一堂に会した。一番最初に演奏された「サクソフォン・シンフォネット」は、これはAATBでは"アンコン"ではもっとも演奏されている曲のひとつだろうが、雲のような軽やかさであっという間に駆け抜けていった。こういう曲をクローバーのような団体が演奏することはほとんど無いだろうから、貴重な機会だったかも。
♪フィグール・サクソフォーン・カルテット
三浦真理 - ティータイムの画集
名前は良く知っていたが、きちんと聴くのは初めて。2005年結成とのことだが、世代的にはどのくらいの方々なのだろう。そういえば、クローバーSQだって結成は2005年だぞ。安定した技術に加え、特にアンサンブルの"阿吽"の呼吸はさすがの活動の長さを感じさせる。「ティータイムの画集」という曲の可愛らしさと爽やかさを見事に表現していたと思う。演奏前のトークもさすが(^^)
♪サクソフォーン・カルテット・アテナ
M.&F.ジャンジャン - 四重奏曲
塩安真衣子、冨岡佑子、江川良子、平賀美樹(敬称略)というメンバーでごく最近結成された四重奏団。こちらも聴くのは初めてだ。第1楽章からしなやかな表現にホレボレ…と思っていたら、最後はアグレッシヴに終わってみたりと、いろいろな表現の要素が詰め込まれているように感じた。綿密なリハーサルのうえでの試行錯誤の結果だろうか?お手のもの!という感じだったので、今度はぜひもっとヘヴィな曲の演奏を聴いてみたい。
♪ヴィーヴ!サクソフォーン・カルテット
J.リヴィエ - グラーヴェとプレスト
何回もの定期演奏会、そしてCDリリースも行い、いよいよ中堅どころに入ってきたヴぃーヴ!SQだが、これまで意識して聴きに行くことはない。ただし、サクソフォーン・フェスティバルでは毎年のように耳にしているような気がするな。たぶん何度も演奏している曲なのではないだろうか。細かい部分は勝手に合ってしまう感じ。見せ場と構成をキチンと構築してしまうあたりは、手慣れたものだ。
♪クローバー・サクソフォーン・カルテット
A.デザンクロ - 四重奏曲
最近、デザンクロ「四重奏曲」の第1楽章を聴くたびに涙してしまう。なんでこんな旋律を着想できるの!?とか、なんでこんな和声進行を、なんでこんなユニゾンを…と、とにかく聴いていて、4声の音楽の奇跡を目の当たりにするような気がしてならない。クローバーのデザンクロを聴くのは3回目(たぶん)。四重奏結成以来何度となく演奏してきたのだと思うが、最初から最後まで一切の迷いがない素晴らしい演奏だった。
2/2に続く…。
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