中央アメリカのホンジュラス共和国に、アンディ・ジャクソン Andy Jackson氏という、クラシック・サクソフォンの研究家がいる。主に、サクソフォンの歴史をターゲットにして、すでに30年以上に渡って音源・楽譜・楽器・写真等の資料を収集し続けており、そのコレクションは3000点に及ぶそうだ。最近では、イェール大学に講師として招かれ、サクソフォンの歴史について特別講義を行ったとか。
そのジャクソン氏、現在までに収集した録音と映像を、CD-RやDVD-Rにして、格安で一般向けに販売しており、もちろん日本からも注文することができる。今までは英語のカタログしかなかったのだが、ジャクソン氏との共同作業により、日本語の音源/映像紹介ページを作成することができた。数ヶ月前から準備は続けていたのだが、ようやく公開することができる!
The Legendary Saxophonists Collection 紹介ページ日本語版
まあ、そもそもなぜ日本語版のページを作ろうということに至ったかというと:たまたまジャクソン氏のページを発見→ミュールやラッシャーの音源を注文→ありがとうございます~、このサイトのこと、日本に紹介して良いですか?→もちろん良いよ~→作ってみると意外と大変(汗)…という流れ。まあ、ヴィードーフの録音をいち早く送ってもらえるなど、嬉しいこともあった。
内容は、ミュール、ラッシャーといった、20世紀のサクソフォン界を支えた奏者の録音から、19世紀に活躍した奏者の録音まで、貴重なものばかりである。特に、おそらくこれが初出となるミュールの音源の凄いこと!シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団との共演による、1958年アメリカツアー時のライヴ録音、そして、インディアナ州のセルマー工場におけるコンサートのライヴ録音。こんなものが、21世紀に残っているなんて、誰が想像できただろうか。演奏も実に素晴らしく、愛聴盤です。
そして、個人的にオススメのラッシャー関連の録音。ラッシャー自身の演奏による、イベール、グラズノフ、マルタン、ラーション。そして、貴重なダールの初演ライヴ録音。ラッシャー自身の演奏映像などもDVDに収められており、興味深く拝見した。
そもそもの録音状態がひどかったり、リマスタリング状態が良くなかったりと、コンディションとしてはイマイチな録音もあるが、スピーカーから響いてくる音楽は、そういった制約を越え、耳を惹きつけるものばかりだ…。皆様も、興味があるものを見つけたら、ぜひ買ってみてくださいませ(円高ですし笑)。今後、ブログの記事で、特に注目すべきものについてポツポツと取り上げていこうと思っている。
ちなみに、Andy Jacksonはペンネームだそうで。本名のイニシャルは、B.K.です。同一人物ですので、お間違い無きよう…。
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※音楽大学でサクソフォンを教えられている方、学ばれている方へ。ミュール、ラッシャーといった歴史上重要な奏者の演奏を21世紀に伝える、貴重な記録だと思います。ぜひ、(リンク先のページにも書きましたが)共同のリファレンスとして、サクソフォン科での共同購入や、図書館でのリクエスト購入をオススメします。
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