2022/05/14

ミュール四重奏団のリュエフ

 これは初出録音ではなく、以前紹介したことのあるものだが、前記事のシュミット「四重奏曲」に乗じて再掲しておく。

https://pastdaily.com/2013/05/20/the-marcel-mule-saxophone-quartet-play-music-of-jeanine-rueff-1958-past-daily-weekend-gramophone/

マルセル・ミュール四重奏団が演奏する、ジャニーヌ・リュエフ「四重奏のためのコンセール」は、私が知る限り、この録音のみだ。それ以前に、商用盤としては、決定盤とされるダニエル・デファイエ四重奏団の録音(CBS Sony)以降、その後あまり現代の団体が興味を示さなかったため、録音が極めて少ない、という事情があるが、まさか献呈先団体の録音があるとは知らなかった。僥倖とはこのことである。

1958年頃の録音ということであるから、その情報が正しければ、Marcel Mule, André Bauchy, George Charron, Marcel Josseというメンバー編成のはず。

演奏の見事さは想像どおりだ。初演団体にして、ほぼ完成された解釈を提示する手腕、言い方を変えると、後続の演奏者は皆、ミュール四重奏団の影響を強く受けていると言える。おなじみのデファイエ四重奏団の演奏すらも!最終曲(ロンド)など、華やかで、天才的な閃き・輝きを随所から感じ取ることができる。

そんな中でも、おやっ?と耳を引くポイントがある。第4曲「パスピエ」のメロディパートのアーティキュレーションが、スラーなのだ。スタッカートで記譜されている出版譜(下記)と、なにか違う楽譜で演奏されているのだろうか。経緯が気になるところだ。

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