ゴールデンウィークの終わりに、楽しいライヴを聴いた。毎月第一水曜に、西荻窪で開かれる渡瀬英彦センセのライヴである。
【わたせひでひこ奇聞屋フルートライブ Vol.34】
出演:渡瀬英彦、木村泰子、長田瞳、東貴美子(以上fl)、塚原啓太(pf)
A.アルビージ - トリオより
T.ジョルダーニ/池田さく子 - カーロ・ミオ・ベン
G.フォーレ - ラシーヌの雅歌
M.ドゥリング - トリオより
F.クーラウ - トリオより
J.J.クヴァンツ - ?
F.ボルヌ - カルメン幻想曲
J.ジュナン - 羽ばたく鳥たち
A.メンケン - パート・オブ・ユア・ワールド
伊藤康英 - 木星のファンタジー
R.シュトラウス - 歌曲「モルゲン」(アンコール)
ピッコロ、フルート、バスフルートを駆使し、またゲスト(オーボエ奏者、ピアノ奏者含む)も交えた豪勢なライヴとなった。
バロックから近現代まで、いくつもの作品が演奏されたが、やはりバスフルートの演奏が強い印象を残す。音楽の始原から響くようなあたりを包み込む低音、繊細なコントロールを経て生み出される中高音、その2つが一体となった時の、言葉では表現しづらい蠱惑的な響きは、バスフルート以外の楽器では決して体現できないものだ(とは言いすぎだろうか)。
作品の美しさと演奏の集中力が相まって、疲れた身体に染み渡り、ついついホロリともしてしまうのだった。
ピアノはビルこと塚原氏(昨年、オーケストラ・ウィルとともに見事な演奏を聴かせた:こちら)が出ずっぱり。いつもの美音のみならず、間の取り方や弱音のコントロールなど、アマチュア離れした業に感銘を受けた。
ところで、ピッコロ2重奏である「羽ばたく鳥たち Fluttering Birds」の作曲家のジュナンについて、てっきり「ベニスの謝肉祭」で有名なポール=アグリコール・ジュナン Paul Agricol GENIN(1832-1903)だと思っていたのだが、そうではなくJean GENINだとのこと。この作曲家は初耳で、ざっと探してみたが調べがつかなかった。
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