2015/05/10

指揮者クリュイタンスとラッシャーの共演記録

Erik Baeck著「André Cluytens - Itinéraire d'un chef d'orchestre」の電子版の"抜粋"を、Google Booksで参照可能である。指揮者アンドレ・クリュイタンス氏(私にとっては、なんといってもパリ音楽院管弦楽団の指揮者、である!)に関連する本で、様々な記録資料を含む、400ページ以上にわたる書籍だ。

https://books.google.co.jp/books?id=yr-9_xIy1u0C&printsec=frontcover&hl=ja&source=gbs_ge_summary_r&cad=0#v=onepage&q&f=false

この電子版を眺めていた所、クリュイタンス氏と、シガード・ラッシャー Sigurd Rascher氏の共演記録を見つけた。

5/6 nov. 1966
Sigurd Rascher, sax
Symphonie no4 op.53 A.Roussel
Concertino da camera pour sax-alto et 11 instruments J.Ibert
Symphonie no7 op.92 L.van Beethoven

2日間にわたる共演だ。肝心のオーケストラが、本電子版"抜粋"だと書いていないのだが、「The Raschèr Reader」の180ページに、ラッシャー氏自身が語った言葉として、対応するであろう情報を見つけた。

"...I again played with the Berlin Philharmonic Orchestra, ... The conductor was the famous Andre Cluytens, under whose baton I now played my ninety-second and ninety-third performances of the Ibert Concertino..."
(略)私は再びベルリン・フィルと共演した。(中略)指揮者は有名なアンドレ・クリュイタンスであった。クリュイタンス指揮のもと、私は自身の92回目、93回目となるイベール「コンチェルティーノ」を演奏した。

ということで、ベルリン・フィルとアンドレ・クリュイタンス氏とシガード・ラッシャー氏の共演のようだ。きちんとこの本の全版を見てさらなる裏付けを取りたいところであるが…いずれにせよ、クリュイタンス氏とラッシャー氏が共演した、というのはまぎれもない事実のようだ。ラッシャー氏の、当時の演奏家としての高名さを示す事実のひとつであると思う。

「The Raschèr Reader」に掲載されている写真に日付が載っており、「André Cluytens - Itinéraire d'un chef d'orchestre」内の記述と一致する。

ちなみにこの本、表紙がとても良い。このイラスト、クリュイタンスご本人に良く似ているなあ(ちょっとかわいい)。

0 件のコメント: