2014/03/30
Quatuor Versailles "Pourquoi Pas?"
ちょっと異常なCD。仮に2013年あたりにこのCDがレコーディングされていたとしたらごく普通のCDだと思って、それなりの感想しか持たなかったのだろうが、レコーディングが1991年というところがミソだ。というのも、驚いたことに、そのような時期のリリースにも関わらず、アルバム全体でノン・ヴィブラートが貫かれているのだ。現代の(まさに今現在の)演奏におけるトレンドを10年以上先取りしているということだ。
The Quatuor de Saxophones de Versaillesは、1983年に結成、1985年にエコール・ノルマルの"the diplome Superieur de Concertiste"(って何?)を取得。1990年メニューイン財団の現代音楽賞を受賞している。現在は活動している実態を把握できないが、解散してしまったのだろうか。メンバーは以下の通り。
Claude KELOGLANIAN, Soprano Saxophone
Xavier ROSSELLE, Alto Saxophone
Michel OBERLI, Tenor Saxophone
Dany AUBERT, Baritone Saxophone
Jean Rivier - Grave et Presto
Jean Françaix - La suite
Demis Visvikis - Cascades de Feu
Vincent Paulet - Aeolian Voices
Denis Badault - En Effet
Eric Barret - Quintet Kavisilaq (guest: Eric BARRET)
のっけから、「グラーヴェとプレスト」の演奏で驚かされる。Michel Meriot率いるLe quatuor de saxophones de la musique de la Sureté nationale(国家警察音楽隊サクソフォン四重奏団)に入っている"プレスト"と同じ超展開。ずっと前から気になっているのだが、楽譜が存在するのだろうか…。続くフランセの「組曲」は、アルモ四重奏団が録音していることでも有名だが、実はこの団体に献呈された作品なのだ。ヴィブラートを取り払うことで、表情の変化はやや乏しくなっている印象を受けるが、逆にひたすら精緻・ストイックさを楽しむことができる。
後半の4曲で面白いのは、「Cascades de Feu」「Quintet Kavisilaq」の2作品。シリアスな響きながら、斜めに構えたエンターテイメント性が面白い「Cascades de Feu(直訳すると、"炎のカスケード")」は、13分に及ぶ長尺の中に見せ場がいくつもあって強烈だ。「Quintet Kavisilaq」では、作曲家・ジャズサクソフォン奏者のEric Barret氏をゲストに迎え、抑制された伴奏とソロ、という極端な対比を面白く聴いた。
ヴィブラートを避けている演奏について、私が思うところを関連する記事へのリンクによって示しておく。初めてこの記事を書いたのは2006年の頃だが、その頃と考察は変わっていない。
2014/03/29
上原ひろみ氏のエッセイ「メキシコへの長い長い旅」
http://www.hiromiuehara.com/message/2014/003328.html
内容は、想定外の航空機の楽器運搬問題に端を発する種々のトラブルを切り抜けながら、メキシコのライヴ会場を目指す、というもの。読みながらいくつものトラブルの内容にドキドキし、その攻略方法や機転に驚き、、、なかなか壮絶なので、もしご存じなければぜひ。
小林正憲x赤木俊祐 Saxophone Concert
【小林正憲x赤木俊祐 Saxophone Concert】
出演:小林正憲、赤木俊祐(以上sax)、大嶋千暁(pf)
日時:2014年3月29日(土曜)14:00開演
会場:名曲喫茶カデンツァ
プログラム:
E.Sabon & E.Coyon - Les cloches bleues (小林・赤木・大嶋)
C.Saint-Saens - Le cygne (赤木・大嶋)
Traditional - Londonderry Air (赤木・大嶋)
E.Satie - Je te veux (小林・大嶋)
Omnibus/? - Japanese Seasons Medley (小林・赤木・大嶋)
J.B.Singelee - Duo Concertant (小林・赤木・大嶋)
R.Clerisse - Sérénade Variee (赤木・大嶋)
D.Bedard - Fantaisie (小林・大嶋)
F.Poulenc - Trio (小林・赤木・大嶋)
A.Menken - Beauty and the Beast (小林・赤木・大嶋)
MCやプログラミングは、比較的クラシカル・サクソフォンに馴染みのない方でも聴きやすく/分かりやすく、というベクトルを強く感じたが、演奏内容はゴマカシ・手抜き、一切なし。今回が初めての演奏となるデュオとは思えないほど、アンサンブルの面が相当詰められており、引きつけられた。冒頭演奏された「レ・クロシュ・ブルー」は、随所にアゴーギクやルバート、テンポ・チェンジなど頻出する曲だったが、2本のサクソフォンとピアノの息はぴったり。ちなみにこの曲、フルート、オーボエ、ピアノという編成で演奏されることが多い作品で、ただしどのような管楽器でも演奏可能に書いてあるとのこと。面白いなあ。
小林さんは、どっしりとした基礎部分の上に自然な歌い込みが入る。アルトもテナーも包み込むような音色が印象的。赤木さんの演奏は初めてで、アルトは若干細めの音色だが、ソプラノがまたキラキラして素晴らしい音色なのだ。おふたりともテクニック面では何の問題もなく、さらに突っ込んだ音楽表現やアンサンブルを随所に聴くことができた。だから、ソロの比較的平易な曲であっても、心地よく耳に響くのだ。そして、万全のサポートとなる千暁さんは、やはりいつ聴いても素晴らしい。
後半はオリジナル3曲と、もはやサクソフォンのオリジナルとしてしまってもおかしくないプーランクのトリオ。特にトリオで演奏されたサンジュレとプーランクの印象が強く、音楽を奏でる喜びやアンサンブルをする愉しみが、音に乗って溢れ出てきており、聴き手としてもとても楽しい時間を過ごした。プーランクって、聴く前のプログラムリストを眺めると「またサクソフォンでプーランクか!」と思ってしまうのだが、いざ聴き始めるとその食傷気味だったイメージが吹っ飛んでしまうのだよな。やはり名曲。ソロも楽しく、ソプラノでクレリスが、テナーでファンテジーが演奏された(敢えてチェンジしてみた、とのこと)。
アンコールに「美女と野獣」。本日の出演メンバーを意識しての選曲とのことだが…笑。お二人、それぞれのリサイタルも聴いてみたくなったし、お二人が参加されているAriaSQも気になってきた!
2014/03/28
2014/03/27
東京サクソフォンアンサンブルのCD
グラモフォンから出ているあのEducationalシリーズのCDは有名だが、こちらのCDはあまり知られていないのではないかと思う。「アプシル:ルーマニア民謡による組曲 作品90/東京サクソフォンアンサンブル(Andersen ACD-0149)」というタイトルが付けられている。木村牧麻氏のプロデュース、録音年はわからず。録音メンバーは、もちろん結成当初の下地啓二、宗貞啓二、市川豊、佐々木雄二各氏、という布陣。
Paul Arma - Petite Suite
Jean Baptiste Singelée - Premier Quatuor, op.53
Jean Françaix - Petit Quatuor
Jean Absil - Suite sur des thèmes populaires roumains, op.90
全体的な印象は非常に完成度の高いCDというものだが、フランセやアプシルでは「まさか一発録りか!?」と思わせるような箇所も散見され、まるでライヴ録音のようなテンションの高さも含め、音楽の様々な要素…それこそ東京サクソフォンアンサンブルの在り方なのかもしれないが…を、バランス良く捉えているように思えた。
ポール・アルマの作品は初めて聴いたのだが、素晴らしい演奏だ。短い8つの曲から成るが、ダイナミクスやスタイルがきっちりと描き分けられており(ヴィブラートも不必要にかからず、非常に"現代的な"演奏スタイル)、最終曲に向けて盛り上がっていく様はとても興奮させられる。サンジュレは、落ち着いた丁寧な演奏。"規範"という言葉が脳裏に浮かんだ。かといってつまらない演奏というわけではなく、とても音楽的だ。
フランセはちょっと真面目で堅いような気がするが、これも東京サクソフォンアンサンブルのスタイルなのだろう。アプシルは、曲目解説がジョルジュ・グールデ執筆のものから抜粋されているところがなんだか可笑しかった(私もミュール四重奏団の録音の解説を書く際に同じ文章を参照した)。こと、急速楽章におけるアグレッシヴさは、息を呑むほど。
サンジュレやアプシルの録音は珍しいが、この2曲がルデュー四重奏団のOPUSレーベル発のCDと重なっていることにちょっと驚いた。
オリジナルメンバーでの演奏は先日のライヴ演奏が最後。そしてこのCDもすでに絶版。1980年代に存在したこの団体の貴重な演奏記録を次代へときちんと伝えていくことは、私たちの世代に課せられた使命なのかなあとも思っている。もちろん、それは東京サクソフォンアンサンブルに限らず、ではあるが。
2014/03/26
原博巳氏&須川展也氏&小柳美奈子氏の演奏
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いろいろと頂戴したものがあり、追いついていないのだが、少しずつ紹介していきたい。以前、原博巳さんからエスケシュの録音を頂戴したと書いたが、それと同時に須川展也氏のレッスン・リサイタルの録音(2014年2月)を頂戴した。サクソフォンは須川展也氏、原博巳氏、ピアノが小柳美奈子氏、という布陣である。豪華!お送りいただいたのは下記2曲。
長生淳「パガニーニ・ロスト」
エンニオ・モリコーネ「ニュー・シネマ・パラダイス」
名実ともに日本を代表する名手が2人揃い踏み、さらにバックを最高のピアノが支える。貴重な記録であり、同時に演奏そのものも素晴らしく、感動的だ。ずいぶんと音場が近いためか、息遣いまでも捉えられており、綺麗にまとめられたセッション録音とはまた違った聴く楽しみがある。「パガニーニ・ロスト」は、最初の独立して動くような部分こそ「こちらが原さん、こちらが須川さんかな」という印象があるが、曲が進むにつれて徐々に音色が似通ってくるのが面白い。アンコールとして演奏されたという「ニュー・シネマ・パラダイス」は、音の数こそ少ないものの、じわじわと伝わってくる感動があった。
貴重な録音をお送りいただき、原さんには改めて感謝申し上げる次第。
クローバーSQの演奏会ご案内@日光
驚いたことに、なんと「ゴルトベルク変奏曲」は全曲の演奏になるそうだ!プログラムリストを眺めると、もはやフル・リサイタルであり、聴きに伺いたいくらいなのだが、地理的に少々遠く…厳しいか。バッハ作品についてはレコーディングが終了し、近いうちにCDのリリース予定もあると風のうわさで聞こえてきており、そちらも楽しみ。
これでバッハは一段落になるのかな?どうなんだろう。そして、次のリサイタルでは何を軸としたプログラムになるのだろうか。この先もますます楽しみである。
【小杉放菴記念日光美術館 第124回演奏会~クラシカル・サクソフォンの魅力 ~】
出演:クローバー・サクソフォン・クヮルテット
日時:2014年3月29日(土曜日)18:30開演
料金:一般2000円 高校生以下500円
プログラム:
J.S.バッハ/栃尾克樹 - イタリア協奏曲 より第1楽章
J.S.バッハ/伊藤康英 - G線上のアリア
E.モリコーネ/石毛里佳 - ニュー・シネマ・パラダイス
R.ロジャース/石毛里佳 - サウンド・オブ・ミュージック
J.S.バッハ/田村真寛 - ゴルトベルク変奏曲
詳細:
小杉放菴記念日光美術館サイト:http://www.khmoan.jp/
アクセス:http://www.khmoan.jp/html-0/access/access.html
美術館コンサート情報サイト:http://www.khmoan.jp/report/2013/ev-272.html
(チラシはクリックして拡大)
2014/03/25
Quatuor International de Saxophonesコンサート@アクタス
出演:Quatuor International de Saxophones(ジャン=ピエール・バラグリオリ、ウィリアム・ストリート、宗貞啓二、リチャード・ディーラム、以上sax)、渡辺麻里(pf)
日時:2014年3月24日 18:30開演
会場:渋谷アクタス・アンナホール
プログラム:
J.B.サンジュレ - 四重奏曲第一番
F.ロセ - バラ・ヴァルシグリオリ
二橋潤一 - Carpe diem
D.ショスタコーヴィチ - ピアノ五重奏曲
P.M.デュボワ - りす(アンコール)
H.マンシーニ - ひまわり(アンコール)
宗貞先生からご案内いただき、伺った。"宗貞啓二デビュー40周年記念コンサート"と銘打って(コーディネートしたのは宗貞先生の大学時代の同級生だそうな)、全国4ヶ所でのコンサート・ツアーの、千秋楽であった。諸々の事情でウィリアム・ストリート氏にご挨拶したかった、ということもあり、ちょうど良かった。
開演に少し間に合わず、サンジュレの第2楽章あたりから扉の外で聴く。会場に入って驚いたのが、いつもとステージの前後が逆になっていたこと。今回限定だったのかな…?曲間は、宗貞先生がMCでつないでいた。
実は2012年にサクソフォン・コングレス会場でも聴いているのだが、そのときにも、ロセの「バラ・ヴァルシグリオリ」は演奏されていた。その時に聴いたこのカルテットの印象が脳裏に蘇ってくるのを感じた。
少し話が前後する。この日の打ち上げに参加させてもらった時に、バリトンのリチャード氏が宗貞先生に向けて感謝のメッセージを読んだのだ。その時のメッセージの一節として「僕らは4つの国にまたがる4人の芸術家であり、4つの音、4つのスタイルを持つが、1つの良いものを創り上げているのだ」という言葉があった。また、やはり打ち上げで宗貞先生から伺ったのだが、インターナショナルSQ結成からわずか数年後のこと、リチャード氏が宗貞先生に「ケイジはどんなカルテットにしたいんだ?」と聞き、宗貞先生がそれに答えて「まずピッタリ合っていなければならない」と答えて、さらにリチャード氏曰く「合っていることがいちばん重要なのか?」と、その時に宗貞先生は目からウロコが落ちる思いをしたとのことだ。そして、このカルテットでの演奏がとても楽しい、と。この2つの言葉は、いずれもいずれもインターナショナルSQの演奏スタイルがどのような思想のもとに創り出されているのかを、端的に表しているのだと思う。
独立した4人の集合体、というスタイルはなかなか日本のカルテットでは聴くことができないもので、不思議な温度感(これはバラグリオリ氏やストリート氏の浮遊感のある音色のせいもあると思うのだが)、驚きの連続である。ピアノも入って演奏された二橋氏の作品は、「バロック期に人々の心を捉えていた思想に基づいて作られ」ているそうだが、バロック的な響きはほとんど無く、短いモチーフが現代風に展開されながら曲が進んでいく、という印象。ピアノともども非常に高難易度だが、一気に聴き通してしまった。
それにしても、宗貞先生のテナーサクソフォンの音色のなんと美しく、そして強靭なフレージング感!真似しようと思って真似できるものではない。こういう演奏できる方って、日本でもあまり聴いたことはない。
最後に演奏されたショスタコーヴィチは、パワーあふれる名演奏!合計35分という長時間の作品だが、瞬間瞬間に現れる響きがサクソフォンで演奏された時に、ここまで面白く聴こえるのかという驚きと発見の連続だった。恥ずかしながら初めて聴いた作品だが、この第5楽章の主題と終わり方はクセになりそう(笑)ピアノの渡辺麻里さんも、渾身の演奏であった。
アンコールに、「りす」サクソフォン四重奏版(ロンデックスの目録には書いていないので、オリジナルアレンジかな?)と、再びピアノが入っての「ひまわり」。「ひまわり」はテナー大活躍のアレンジで、感動してしまった。
終演後は打ち上げにもお邪魔させていただき、しっかりと最後まで居座ってしまった。楽しかったなあ。宗貞先生とはもちろんいろいろとお話したが(実はこれまでこうやってゆっくりお話できることはなかったので嬉しかった)、ウィリアム氏やバラグリオリ氏とは、様々に情報交換もできてまた面白いものをこちらのブログでも紹介できそうだ。
HTC J Oneで撮った打ち上げ後の写真。周辺に紫被りが…ちゃんとしたカメラを持っていけば良かった!
2014/03/24
2014/03/21
つくば市に引き篭もり
さて、さらに大変なのはここからだ。素材を元にしてミキシング(切り貼り・音量調整諸々)を行い、サウンドトラックパートを作り上げなければならない。一ヶ月ではできない分量だろう…。気が遠くなるが、頑張らなければいけない。
レコーディングのあとは、大学の練習場所を使わせてもらって、「トルメンタ・タンゴ」「ハデヴィッヒII」の練習。「トルメンタ・タンゴ」は、ちょっとだけ速度を上げられた(まだ4分音符=100に到達していない)。「ハデヴィッヒII」は、4月の初回練習では4分音符=80を目標にしており、そのくらいの速度なら初見でも大丈夫だろー!とたかを括ってさらい始めたところ、まったく歯が立たず、あえなく72から地道にさらい始めることとなった。えらいこっちゃ。まずは楽譜通りに音が並ぶところを狙っていかないと…表現に本腰を入れるのはその後から。
諸々が終わったあとは灯禾軒にでも伺えれば最高だったのだが、気楽に誘える知り合いもおらず。やることもたまっているので涙をのんで帰宅。だが、今になって後悔している。
話が前後するが、お昼時に食べに行った「はりけんラーメン」なるお店がとても美味しかった。私が学生の時にはまだなかったと思う。中心街からは離れているが、ものすごい混みっぷり。30分ほど並ぶことになった。
2014/03/19
須川氏演奏の湯山昭「ディヴェルティメント」 on YouTube
少し話は変わるが、須川氏といえばこんなTV出演情報があるそうな。なんとなんと、池辺晋一郎氏の傑作「軌道エレベーター」が放送される!!映像で観ると実に面白い作品なので、テレビがある方はぜひ。以下、コンサートイマジンのサイトからコピペ。
サクソフォン奏者・須川展也がBSプレミアム「クラシック倶楽部」に出演。
「池辺晋一郎 オーケストラと室内楽作品」特集で、須川とカウンターテナーの猫殿さんが
2年ぶりの共演。曲は「軌道エレベーター」。他にも池辺さんの曲多数放送!ぜひご覧下さい。
◆NHK BSプレミアム「クラシック倶楽部」
放送日:3/27(木)6:00~6:55
2014/03/18
アカデミア・サクソフォン四重奏団に関する資料
「大理社」が1966年10月に発行?(まさか印刷…ではないよな)した、アカデミア・サクソフォン四重奏団の紹介冊子。アカデミアSQ結成にあたっての宣言文、メンバー紹介、サクソフォン四重奏の沿革と現状、アカデミアSQのレパートリーが書かれた、12ページほどの資料だ。
アカデミアSQは、日本における初めての公式常設サクソフォン四重奏団として活動した。この資料によれば、メンバーは宮島基栄、伊藤洋子、石渡悠史、中村均、とのこと(後年、メンバーは変わったはず…)。
さて、概要の英訳を行わなければ。。。
歴代管打情報
http://www.jmecps.or.jp/soical4b31
曲目出現率などをグラフ化したら面白いだろうなあ。
2014/03/16
TSQ練習
「タンゴ・ヴィルトゥオーゾ」、「レシテーション・ブック」第1楽章、「トルメンタ・タンゴ」。「タンゴ・ヴィルトゥオーゾ」は、ゆっくりとはいえ、ようやく表情を付けられる余裕が出てきた。「レシテーション」は思い出しながらの練習。「トルメンタ・タンゴ」は新曲かつ難曲だが、超ゆっくり合わせて少し先が見えてきた。かな?とにかく、着実・慎重に合わせを進めていきたい。
なんだか四重奏の練習がずいぶんと面白い。しばらく四重奏で吹いていなかったせいか、それとも曲のパワーのせいか。
次の練習は4月だ。個人練もしっかりと進めていこう…。
写真は、オススメされて帰り際に足を運んだ池袋"えん寺"のつけ麺。濃厚なスープ、胚芽麺の香りがすばらしく、とても美味しかった。
第33回サクソフォーン・フェスティバル2014
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♪協賛各社による展示ブース
クランポンのブースで「Senzo」吹くぞー、と意気込んで来たものの、マウスピースとリードを忘れ(準備までしたのに部屋に置きっぱなしになっていた…)吹けず、のっけからテンションが下がる(苦笑)。その他、Garage Sの榊原さんとひとしきりお話し、またアカデミアミュージックのブースでデル=ボルゴ、マルティノン、ナイマンの楽譜を購入。
♪第16回ジュニア・サクソフォーン・コンクール優勝者披露演奏:千野哲太
A.デザンクロ - PCF
2012年に田村兄弟の門下発表会で聴いたことがあるはずだが、そのときから大きく成長した演奏内容で驚いた。音そのもの、という点では少し調子が悪いような風にも聴こえたが、例えば「カデンツァ」や、「フィナーレ」の最初の部分を高い集中力で持って高速に(本当に速かった)切り抜けるなど、高い技術の一端が垣間見えた。一緒に聴いていた田村哲の言葉によればコンクールの時はもっと良かったとのことで、また彼の演奏を聴く機会を楽しみにしていたい。
♪A会員によるプレミアムコンサート:白井奈緒美
K.シュトックハウゼン - 蝶の舞
石田早苗 - 秋津の舞
キュルテンのシュトックハウゼン講習会にて、シュトックハウゼン作品演奏のスペシャリストであるスージー、カティンカ両氏に薫陶を受け、さらに演奏家賞をも受賞したというその演奏、やはり一筋縄ではいかない素晴らしいものだった。引き続きさらに他のシュトックハウゼン作品の演奏もぜひ続けていただきたい。CDを出してほしいくらいだ!石田氏の作品は一回聴いただけではなかなか掴めず、繰り返し聴けば面白さがわかってくるかもしれない。
♪A会員によるプレミアムコンサート:原博巳(ミシャ、ショッカー)、松下洋、田代あかり(ショッカー)
J.D.ミシャ - Kokoro
G.ショッカー - 3つのダンス
ミシャ氏の作品はソプラノサクソフォンソロで、ペンタトニックな旋律に、日本の尺八やら長唄というような間合いを持つ作品。フランス人作曲家(言わずもがな、作曲家だけでなく優れたサクソフォン奏者でもある)から見た日本の伝統音楽のイメージが、こうやって実際に音にされると面白い。ショッカーは、以前松下くんが自身のリサイタルで取り上げた作品。もとはフルートの作品だったが、その時の録音を送ったところ、作曲家が気に入って出版の運びとなったとのこと。2本のサクソフォンとピアノの間で交わされるシンプルな音遊びが楽しく、さらに最後はハイタッチ!思わず「イイネ!」ボタンを押したくなる感じ。
♪A会員によるプレミアムコンサート:長瀬敏和、くらしき作陽サクソフォンアンサンブル
酒井格 - クローバーリーフ・スイート
「クローバーリーフ・スイート」は楽章ごとにバリトン→ソプラノ→テナー→アルト持ち替えとなるサクソフォンアンサンブルをバックにしたサクソフォン協奏曲。長瀬氏のソロは関東にいるとなかなか聴く機会がないが、楽曲自体はシンプルな構成ながらやはり説得力のある演奏内容で、そこは長瀬氏の音楽性によるところが大きいのだろう。ちなみに、バックのアンサンブルには大城氏がソプラノで、貝沼氏がテナーで参加。何気に豪華だった。後半に演奏された「11月のアダージョ」は聴かずに、小ホールへと向かった。
♪アドルフ・サックス生誕200周年企画:雲井雅人
フォレ - 牧人たち
モンシーニ - ゴルコンデの王妃
F.コンベル - マールボロによる変奏曲
私としたことが曲目をメモしわすれたので、失礼ながら覚えている範囲にて。トークからは、サクソフォンが現代性を獲得したのと引き換えに失ったもの、それを、単なる一部マニアの趣味としてではなく、サクソフォン界全体へと復刻・浸透させることの重要性が、語られているかのように感じた(あくまで個人の感想)。これまでも何度か雲井氏がこれらのサクソフォンを操るところを聴いてきたが、今回はゴールドベック社のマウスピースを組み合わせたとのことで、さらにシステムとしての完成度(復刻度合い?)が上がっていたように思う。CD出してほしい!さらにFB上で話題となっていたクランポン・サクソフォンの音は、間に合わず残念ながら聴けなかった。
♪カルテット名曲館:Saxophone Quartet IRIS
G.ピエルネ - 民謡風ロンドの主題による序奏と変奏
P.M.デュボワ - 四重奏曲
P.ショルティーノ - 異教徒の踊り
演奏されつくされていて、普段ほとんど演奏されないこれらの作品たちを、敢えて取り上げて演奏してしまう…フェスティバルならではの企画だろう。確かにプロフェッショナルだったりサクソフォン専攻の学生の四重奏団がショルティーノを演奏する、というのは最近は初めて聞くような…。2012年に結成されたというIRIS(三浦夢子、藤本唯、横山美優、武田歌穂)による演奏。清潔感のある響きや、きちんとしたテクニックを聴くと、さすが…!と唸ってしまう。とはいえ時折怪しげな箇所もあったが、急ごしらえだったのかな。本格的なリサイタルを聴いた時に、どのような演奏を展開するのか、ぜひ聴いてみたいものだ。
♪カルテット名曲館:The Reve Saxophone Quartet
R.クレリス - かくれんぼ
E.ボザ - アンダンテとスケルツォ
長生淳 - 彗星
J.リヴィエ - グラーヴェとプレスト
東京藝術大学のサクソフォン専攻生(上野耕平、宮越悠貴、都築惇、田中奏一朗)によるカルテット。完成度やテクニックは相当なもので、会場もかなり沸いていた。どの演奏も喝采ものだったなあ。結成してどのくらい経つのかわからないが、ぜひ今後も引き続き活動を続けていっていただきたい。大曲の時にいったいどんな演奏になるのか、わくわくしてしまう。
♪フェスティバル・コンサート:林田和之
八木澤教司 - クルチフィクスス
はやり林田さんはすごい。持っている響きが一段違い、大ホールも余裕で鳴らしきってしまうのだ。ふとしたフレーズで見せるセンスは、基礎力の積み重ねによるところも大きいのだろう。またリサイタルやってくれないかなあ。作品の内容はちょっとわからず…。
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ここまで聴いたところで、別の用事があったため退出。フェスティバルコンサートの他の演奏は聴けなかった。来年はどんな企画になるのかな。我々としても、盛り上げていきたいところである。
2014/03/14
今日・明日はフェス
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さすがに今日は平日ということで伺えず、明日は午前中の用事を済ませ、午後から行く予定。
何を観ようかなあといまから考えている。フェスティバルコンサートで取り上げられる八木澤氏の作品は、知らないので未知数。吹奏楽をなん作品か聴いたことがあるはずだが、あまり印象に残っていない。演奏者はかなり豪華なメンバーが揃っているようだが。
すでに詳細が分かっているものは良いとして、蓋を開けてみないと(当日プログラム冊子を受け取ってみたいと)わからないのがA会員コンサートとカルテット名曲館だが、それらは興味深い噂も流れてきており、楽しみ。
2014/03/13
マルセル・ミュール四重奏団試聴リンク
)
気がつけばAmazonでも取り扱いを開始していた。マルセル・ミュール・サクソフォン四重奏団 1960
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そして本日、木下直人さんよりミュール&コンベルのSP録音の最新トランスファーが到着。少し聴いてみたが、さすが、決定盤にふさわしい内容だ。これも皆様にお届けできるよう、チェック作業を順次進めていく予定。
2014/03/12
うーむ
こんなところに苦労している。ただのスケールだと甘く見て油断したのが良くなくて、「あれ?あれ、できない?」を10回繰り返したころにはもう間違った指で覚えてしまった。そこですぐ直せばまだ良かったが、放ったらかしにしておいたらもう目も当てられない状態になった。一度ついた癖を直すのに、(経験上)きちんとさらった場合の時間の2~3倍がかかってしまう。
簡単なフレーズであっても、ストイックにさらわなければ…。
2014/03/10
Pedro Itturalde "Memorias" on YouTube
有名なサクソフォン四重奏とピアノのための作品だが、こういうガリガリした雰囲気で演奏されているのは良いなー。技術的にも相当なレベル。
演奏はNeva Quartet。リンク先のページ(→http://www.jeunes-talents.org/details-musicien.php?id=321)にプロフィールが書いてあり、それによるとFlorent Monfort, saxophone soprano; Nicolas Arsenijevic, saxophone alto; Carl Emmanuel Fisbach, saxophone ténor; Miguel Ángel Lorente, saxophone barytonとのことだが、動画でのアルト、バリトンの演奏者は違うようだ。アルトは明らかにNikita Zimin氏だし、バリトンの女性は…なんかどこかで見たことがあるのだが、誰だっけ。
2014/03/09
練馬にてTsukubaSQ練習
また、12/21夜間のルーテル市ヶ谷センターでの演奏会に向けて、曲目決め・音出し。ティロ「トルメンタ・タンゴ」と、旭井翔一さんに新たなアレンジとしてお願いしている「アルマンド・ルンバ」のカルテット版と、某邦人作曲家の作品(演奏許諾が取れれば)と、伊藤康英先生編曲のバッハ「シャコンヌ」とマスランカ「レシテーション・ブック」。会場が会場なだけに、やはりTsukubaSQにとって、いろいろと思い入れの強い作品が並んだ。
あと10ヶ月ちょっとか…!少し先のこととはいえ、お越しいただいた方に満足いただけるよう、しっかりと練習を進めていきたい。
Vienna Saxfest 2014 3/8中継を聴いた
クリスチャン・ヴィルトゥの演奏も、日下部さんの演奏も終わってしまっていた。。。そして「Hot」の途中、っていう…。
- Franco Donatoni (1927-2000)
Hot
Alvaro Collao, Tenor-, Sopraninosaxophon solo
Lars Mlekusch, Leitung
ensemble.kons.wien
この途中に起きた(夜中に目覚ましが鳴った記憶はおぼろげながらあるのだが)。最終部は大変白熱していた!
- Pierre Boulez (1925)
Dialogue de l´ombre double
Joel Diegert, Sopran-, Altsaxophon
Florian Bogner, Elektronik
かつてはヴァンサン・ダヴィッド氏くらいしか演奏できなかったこの曲も、徐々にスタンダード・レパートリーとなりつつあるなあ。Five SaxのメンバーでもあるJoel Diegert氏の演奏で、相当な高テクニック!会場で聴いたらさらに繊細なニュアンスまで感じられたことだろう。
- Hilary Tann (1947)
Shakkei: diptych for soprano saxophone and piano
I. Slow and spacious
II. Leggiero
Chien-Kwan Lin, Sopransaxophon
Pi-Lin Ni, Klavier
日本的な旋律にも題材を求めた面白い作品。チェン=クヮン・リン氏の演奏って、なかなか聴く機会がないので、貴重。キラキラとしたソプラノの音色!
- Astor Piazzolla (1921-1992)
Tango-Suite (Arr. Miha Ferk)
Trio KlaViS:
Jennifer Lippl, Violine
Miha Ferk, Saxophon
Sabina Hasanova, Klavier
暗譜!音色こそふくよかで美しいクラシカル・サクソフォン由来のものだが、たいへん情熱的な演奏、アレンジを楽しんだ。ヴァイオリン、サクソフォン、ピアノというと、バランスを取るのも難しそうに思えるが、その困難さは全く感じなかった。
- Frederic Rzewski (*1938)
Attica
Einstudierung: Lars Mlekusch
ensemble.kons.wien
いやー、まさかここで「アッティカ」を聴くことができるとは。最初こそ「?」なイメージだったが、徐々に盛り上がり曲に引き込まれてしまうのはまさにジェフスキー・マジック。
- Michael Nyman (*1944)
Shaping the Curve
Massimiliano Girardi, Sopransaxophon
Saxfest String Quartet.
- Tango Nuevo.
Astor Piazzolla (1921-1992)
I. Fugata
II. Oblivion
III. Libertango
IV. Violentango
V. Escualo
- Film Suite
arr. Joel Diegert (*1982)
- Latin American Suite
Antonio C. Jobim (1927-1994)
Girl from Ipanema
Daniel C.D Canseco (1939 – 2009)
Macondo
Champotón
- Polkissima (Italian Polka)
Fiorenzo Tassinari (1961)
FiveSax
いや、こりゃあ面白かった。本気で笑いながら見ていたのは初めてだ。さすがです、FIVE SAX。。。技術的にも高いし、全曲ギンギンの振付あるし、寸劇ありだし、いやはや。ああ、可笑しくて楽しかった。
終演は現地時間でなんと3/2の0:20。それも凄いな。。。
2014/03/08
Vienna International Saxfest 2014中継予定(3/8)
Lars Mlekusch氏が音楽監督を務め、Vienna Saxophonic Orchestraが主催する、Vienna International Saxfest 2014が3/1から3/8までウィーンで開かれている。現地時間3/8 19:30より、グランド・コンサート「CONCIERTO SAX PARTY」が開催され本フェスティバルは幕となるが、そのコンサートの模様はAdolphesax.comにて中継予定だ。
以下、プログラムを貼り付けておく。クリスチャン・ヴィルトゥのイベール!ドナトーニの「Hot」も、演奏されることは超珍しく、貴重な機会。若き名手Joel Diegertは、ブーレーズ「二重の影の対話」を吹く。イーストマン音楽院の名教師、チェン=クヮン・リンの演奏も楽しみだ。あのFive Saxも出演!さらに日下部さんも日本人として唯一ソロ・ステージを持つ。最後はフレデリック・ジェフスキー「アッティカ」と、盛りだくさん。さて、頑張って3:30amに起きなければ…。
とりあえず、中継を観ながら食べる物は先ほど仕込んだ(笑)じゃがいも・人参・玉ねぎのアンチョビ風味オリーブオイル炒め。バターがあればもっと良かったが、、
- Jacques Ibert ( 1890-1962)
Concertino da Camera
Christian Wirth, Altsxophon solo
Lars Mlekusch, Leitung
ensemble.kons.wien
- Mauricio Sotelo (1961)
The Wall of Light Black
Michal Knot, Tenor-, Sopransaxophon solo
Lars Mlekusch, Dirigent
ensemble.kons.wien
- Franco Donatoni (1927-2000)
Hot
Alvaro Collao, Tenor-, Sopraninosaxophon solo
Lars Mlekusch, Leitung
ensemble.kons.wien
DESCANSO
- Pierre Boulez (1925)
Dialogue de l´ombre double
Joel Diegert, Sopran-, Altsaxophon
Florian Bogner, Elektronik
- Hilary Tann (1947)
Shakkei: diptych for soprano saxophone and piano
I. Slow and spacious
II. Leggiero
Chien-Kwan Lin, Sopransaxophon
Pi-Lin Ni, Klavier
- Astor Piazzolla (1921-1992)
Tango-Suite (Arr. Miha Ferk)
Trio KlaViS:
Jennifer Lippl, Violine
Miha Ferk, Saxophon
Sabina Hasanova, Klavier
DESCANSO
- Michael Nyman (*1944)
Shaping the Curve
Massimiliano Girardi, Sopransaxophon
Saxfest String Quartet.
- Moe Ikeda (1986)
The Specimen of Third Finger
Tadayoshi Kusakabe, Tenorsaxophon
Vera Turgenova, Violoncello
DESCANSO
- Tango Nuevo.
Astor Piazzolla (1921-1992)
I. Fugata
II. Oblivion
III. Libertango
IV. Violentango
V. Escualo
- Film Suite
arr. Joel Diegert (*1982)
- Latin American Suite
Antonio C. Jobim (1927-1994)
Girl from Ipanema
Daniel C.D Canseco (1939 – 2009)
Macondo
Champotón
- Polkissima (Italian Polka)
Fiorenzo Tassinari (1961)
FiveSax
DESCANSO
- Wolfgang Suppan (1966)
Camouflage URAUFFÜHRUNG
Künstlerische Leitung: Lars Mlekusch
Vienna Saxophonic Orchestra
- Frederic Rzewski (*1938)
Attica
Einstudierung: Lars Mlekusch
ensemble.kons.wien
マスランカ「サクソフォン四重奏と吹奏楽のための協奏曲」 on YouTube
Glenn Price指揮シンシナティ大学CCMウィンド・シンフォニーとの共演。全3楽章。
バックバンドのサポートも手厚く、集中力の高い、素晴らしい演奏!マスランカ氏らしい旋律や響きが随所に現れる。特に第2楽章前半部は、同氏の吹奏楽曲「Child's Garden of Dreams」を想起させる神秘的なサウンド…。第3楽章の、何が起こるかわからないような冒頭の構成から一転、サクソフォン四重奏が高速部へと雪崩れ込む様は強い印象を受ける。最終部に向けての盛り上がりは圧巻。
実演も聴いてみたい!日本で雲井雅人サックス四重奏団あたりがライヴで演奏してはくれないものか…。|д・)チラッ
2014/03/07
原博巳さん演奏「テネブレの歌」
鬼気迫る独奏はもちろんのこと(そう言えば原さんがエスケシュを吹いているのを聴くのは初めてだ)、バックも良く統率されており、非常に聴き応えがある。高いレベルと、さらにライヴならではの熱さも加わった佳演だ。お恥ずかしいことに楽譜を見たことがないため、曲全体のここでこう、という詳しいレビューができないのが心苦しいが、冒頭の緊張感、そして中間部から終結部にかけて徐々に音楽が肥大化していくさまは、聴いていて録音ながら大変興奮した。
うーん、やっぱ原さんの演奏って、日本人離れしているというか、人間離れしているというか(笑)。鮮烈そのもの。
バックの詳細なメンバーは、次の通り。
指揮:石坂幸治(指揮科3年生)
sni田島沙彩
sop上野耕平、都築惇
alt宮越悠貴、張誠、戸村愛美
ten松下洋、西原亜子、大坪俊樹
bar田中奏一朗、塩塚純
bass土岐光秀
もう一種類(二点)とある録音をいただいたので、後日ご紹介したい。そちらも絶品!
2014/03/06
渡瀬英彦ライヴ 20th@奇聞屋
ゲストも交えつつ、様々な編成での演奏が展開される。渡瀬先生の演奏は、こと、無伴奏のバス・フルートでの音楽の始原から響き渡るような音色には痺れた。特に最後のボラン作品「シカゴ」では、なんとバス~ピッコロの4種の笛を持ち替え。仕事で疲れていたが、上質な音色・音楽が染み渡った。
渡瀬先生、池田氏、そして友人・後輩、計4人のカルテットは「木星のファンタジー」を演奏。実はフルート・カルテット版は初めて聴いたのだが、サクソフォン四重奏版とほぼ同一なのですね。音域も違うことから、ちょっと不思議な感じ。ちなみに、アルトフルートが友人やすこ嬢、バスフルートが後輩Kさん。個人持ちが珍しい楽器!笑(その辺、サクソフォン奏者がテナーやバリトンを持っている、というのとはかなり違うみたい)
小さいながらも、マホガニー調の塗装を施したピアノがある、落ち着いた空間。音楽に身を委ねながらまったりするのが最高。またのライヴの機会に伺いたいなあ。
九〇式大空中聴音機
ライヴの感想の前に、今日のブログは小ネタ。
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「九〇式大空中聴音機」とは、第二次大戦の前に日本で開発・運用された空中聴音機である。空中聴音機とは、聴覚によって飛行機を見張るための機器であり、目標とする飛行機が発する音を頼りに対象を補足する。レーダーが開発されるまで、運用されていた。なぜこのブログで話題にしたかというと…形がサクソフォンに似ているように私は感じるのだが…いかがだろうか(いやホント、それだけ)。円錐管形状が集音に適しているのは当たり前で、だからサクソフォンに似てくるのは同様に当たり前といえばそうなのだが、なんとなくツボに入ってしまい。。。
「九〇式大聴音機」を観覧する昭和天皇。すごい写真だ(Wikipediaから引っ張ってきた)。
2014/03/05
ご案内:塙美里さんのコンサート
塙美里さんは、茨城県出身のサクソフォン奏者で、洗足学園音楽大学を卒業後フランスに留学、セルジー・ポントワーズ音楽院、カンブレ音楽院を卒業して帰国、現在は関西を拠点に活動している。つい先日、大阪のザ・シンフォニーホールにて日本センチュリー交響楽団とイベール「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」を共演した。
最初のリサイタルを水戸芸術館で聴いた時は…たしかあの時はアンコールにしか間に合わなかったのだが…プログラムはまだまだジャン=イヴ・フルモー氏の影響下にあったが、その後第2回のリサイタル、さらに多くの演奏機会をこなす中で、塙美里さんならでは、といった内容のプログラム・演奏に変化していった、その過程を興味深く拝見している。今回の演奏会のプログラムも、日本のサクソフォン奏者の中では塙さんしか組むことができないものではなかろうか。
演奏は、ますます魅力的に…特に、ソプラノサクソフォンでの演奏が、日本人離れしている(ジュリアン・プティ氏の影響かな?)。
【塙美里 サクソフォン・リサイタル ~M.シャガールの愛した音楽~】
出演:塙美里(sax)、酒井有彩(pf)
日時:203年3月10日(月)19:00開演
会場:ルーテル市ヶ谷センター・音楽ホール(ルーテル本郷教会ではないので注意!)
料金:3000円(前売り)、3500円(当日)
プログラム:
F.プーランク - クラリネット・ソナタ
M.ラヴェル - ソナチネ
S.ラフマニノフ - チェロ・ソナタより
C.ドビュッシー - 狂詩曲第一番
E.ブルッフ - ユダヤの生活より 他
問い合わせ:
misatosax@hotmail.co.jp(Pony Music)
2014/03/03
ムッシュ・クダッチSAXオーケストラ&東京サクソフォンアンサンブル再結成
【Monsieur KUDACCHI ~サクソフォンの世界~】
出演:国立音楽大学学生、クダッシSAXオーケストラ、東京サクソフォンアンサンブル(ゲスト)
日時:2014年3月3日 18:30開演
会場:小金井市民交流センター・大ホール
プログラム:
W.A.モーツァルト/奥野大樹 - ディヴェルティメントK.136
E.グリーグ/奥野大樹 - 組曲「ホルベアの時代から」第1,2,5楽章
A.ドヴォルザーク/阪口新 - 弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」
平部やよい - 倖せヲ呼ぶ嶌(委嘱作品・世界初演)
J.S.バッハ - G線上のアリア(アンコール)
F.シューベルト/野村秀樹 - 交響曲第7番「未完成」
F.メンデルスゾーン/各川芽 - 交響曲第4番「イタリア」
一曲目は、国立音楽大学の学生のラージアンサンブルによる演奏。奥野大樹氏による編曲は、今回のために書き下ろされたものとのこと。音を細く、スタイリッシュに古典作品をこなしてしまうあたりは、最近のサクソフォン演奏の傾向を思い起こさせる。下地氏は、暗譜での指揮。教育者としての眼差し、自身が音楽が好きだという心持ちが同居しているような指揮であった。
短い休憩を挟んで東京サクソフォン・アンサンブル!私自身は、リアルタイムでこのカルテットの演奏に触れられた世代ではない。グラモフォン(日本ポリドール)から出版されていたEducational Seriesの一枚を聴いたことがあるだけである。その印象のまま聴き始めたのだが、良い意味でそのイメージが崩壊することとなった。
凄まじい響き。四本のサクソフォンが同時に鳴った時の、音色の差分から創り出される、ストップを駆使したオルガンのような多彩な音色。ソロとして響き渡るフレージング…。言葉でその特徴を言い表すのは難しいが、鮮烈だった。日本にこんなサクソフォン・カルテットがいたのかと、感じ入った。こんな演奏聴かされたら、恐ろしくて縮み上がってしまって、自分でサクソフォンを吹けなくなってしまいそうだ。
「アメリカ」は、東京SEが、その活動休止前に頻繁に各所で演奏したレパートリーとのこと。各人の妙技を堪能するのにもってこいの曲だった。勝手ながら、各奏者の印象を…。佐々木氏のバリトンは…実にアグレッシヴで、ベースとしての支えを超えた立ち回り(ルデューってこんな感じだったのかなあ)。市川氏のテナー、バリトンとともに低音域を張り、さらに随所に現れる旋律の歌い方の見事さ。下地氏のソプラノは自由闊達。ヴィブラートを効果的に利用しての、長音での美しさ。宗貞先生のアルトは、音量こそ控えめなものの、音の密度やフレージングの強靭さは、日本人離れしている。細かい仕掛けもありつつ(本人たちは仕掛けているつもりもなく、という感じだろうが)、最終楽章まで素晴らしい演奏だった。テクニカルな面での聴きづらさは微塵もなく、客席を興奮の渦に巻き込んだ!
続く平部やよい氏の新作は、作品として実に面白く、さらに「アメリカ」以上に技術的に突き抜け、ややコンテンポラリー色にも踏み込んだ内容。「4つの自我」「Dice」等と並ぶ傑作だった!その譜面をものともせず、えっ、そんなに吹いて大丈夫なの!?と要らぬ心配をしてしまうほどの、さらに白熱した東京SEの面々。一筋縄ではいかない…。アンコールな「G線上のアリア」。あと10年は余裕で吹き続けられるのではないか。本質の演奏が最後だったとのことだが、最後であることを残念に思いつつもこの貴重な機会に臨席できたことを嬉しく思うのだった。
休憩を挟んで、下地氏指揮のサクソフォン・オーケストラ。シューベルトの「未完成交響曲」は、野村秀樹氏による編曲で、指揮が下地氏、さらにソプラノ滝上先生、アルト宗貞先生、テナー市川氏、バリトン佐々木氏をソロ・パートとして配置した、サクソフォンオーケストラの編曲。ここでまた東京SEの音を堪能できるというのも感動だったが、それ以上に、下地氏によって引っ張られていく、大きなうねりがなんとも心地よく、普通のサクソフォンオーケストラにはない響き(それが具体的に何であるかを言い表すのは難しいのだが)を楽しんだ。メインの「イタリア」は、各川芽氏による編曲。もちろん全曲版。祝祭的な雰囲気を湛えて、こと急速楽章では高音域から低音域まで、見事な連携にしびれた。ベテランから若手まで、それぞれのプレーヤーが、そして何より指揮の下地氏が、「サクソフォンオーケストラ然」からの脱却を試みているようにも見えた。ロンド楽章は圧巻。今回、クダッチSAXオーケストラを聴きに来るきっかけとなったのは東京SEだったが、また聴いてみたいなあ。
2014/03/02
個人練習、タンゴ
最近、6月の交流会に向けて、サクソフォン四重奏のために書かれたオリジナルのタンゴ作品を2曲さらっている。今日はその2曲を個人練習した。
1曲は、ハバネラQでおなじみT.エスケシュの「タンゴ・ヴィルトゥオーゾ」。ソプラノが激烈に難しいが、他のパートもなかなかいやらしくて、苦労している。まず技術的に固めるところまで持っていくのが大変で、さらにその先、どのような雰囲気に落ち着けるかというのはまだ先の話。
J.L.d.ティロという作曲家の「トルメンタ・タンゴ」は、少し珍しい作品。おそらく日本で演奏されたことはないのではないかな。「トルメンタ(=嵐)」の名にふさわしい賑やかかつスピーディな展開が魅力のかっこいい作品。ところが、楽譜はとんでもないことになっており、これはちょっとかなり苦労しそうな雰囲気。体力的にもかなり大変そう。
Vienna Saxfest 2014 3/1中継を聴いた
Rhapsody in Blue (arr. Paolo Zannini)
Roland Batik, Klavier
Lars Mlekusch, Dirigent
Vienna Saxophonic Orchestra
原曲であるビッグバンドの管楽器セクションを、そのままサクソフォンアンサンブルに置き換えた感じ。コンサートの幕開けにふさわしい素敵な演奏で、続く演奏への期待が高まった。
- Theodor Burkali (1975)
Saxonances URAUFFÜHRUNG
Lars Mlekusch, Leitung
Vienna Saxophonic Orchestra
冒頭のギンギンのフラジオから、バリバリの現代作品と思いきや、途中から聴きやすいリフが繰り返される。ラージアンサンブルのオリジナル作品てこんなに面白かったっけ!?と感銘を受けた。
- Christian Maurer (*1967)
Neues Werk für Saxophonorchester und Perkussion URAUFFÜHRUNG
Lars Mlekusch, Leitung
Vienna Saxophonic Orchestra
Valentin Duit, Perkussion
ソロではDavid Brutti氏が飛び入りしていた。更に驚いたことに、バリトンサクソフォンを吹いていた方がソプラノに持ち替え、ファンキーなソロを取る。Brutti氏に負けず劣らずといった感じの壮絶なソロ。いったい何者?
- Erwin Schulhoff (1894-1942)
Hot Sonate (Bearbeitung für Solosaxophon und Ensemble: Harry K. White)
David Brutti, Altsaxophon solo
Lars Mlekusch, Leitung
ensemble.kons
Brutti氏をゲストに迎えての演奏。譜面がシンプルなだけに、ソロの力量が丸裸になるが、そこはさすがBrutti氏。少ない音数ながら濃厚な音色で魅力あふれる演奏を展開していた。Brutti氏の魅力はぶっ飛んだテクニックにあるとも思うので、そんなところも聴いてみたかった。
- Georges Aperghis (*1945)
À Bout de Bras
Lars Mlekusch, Sopransaxophon
Rodrigo Vila, Sopransaxophon
プログラムの変更により、演奏されなかったみたい。
- Andy Middleton (*1962)
“Through the Trees Ahead”
für Solosaxophon, Saxophonensemble und Schlagzeug
Andy Middleton, Tenor- und Sopransaxophon
Lars Mlekusch, Leitung
ensemble.konsax.wien
ジャズ奏者 Andy Middleton氏が、ソロとラージアンサンブルとドラムスのために書いた作品。冒頭のカデンツから圧巻。
- Edison Denisov (1929-1996)
III Allegro Moderato aus der Sonate für Altsaxophon und Klavier
Lars Mlekusch, Altsaxophon
Irén Seleljo, Klavier
Stephan Plecher, piano
Marc Mezgolits, bass
Peter Primus Frosch, drums
平野公崇氏が演奏したデニゾフ「ソナタ」第3楽章のジャズ・カルテット・バージョンにインスピレーションを受けたものと思われる。途中のverseの部分では、なんとピアノが長いソロを取った!ラース氏の演奏は、いつも聴く精緻な印象から少し崩して、ファンキーさが全面に押し出されていた。
- Louis Thomas Hardin alias Moondog (1916-1999)
+Sandalwood
+Paris
+Bird´s Lament
+New Amsterdam
David Brutti, Baritonsaxophon, Kontrasbasssaxophon solo
Andy Middleton, Altsaxophon solo
ensemble.konsax.wien:
配信元の機器トラブルか何かでまともに聴けませんでした…残念。
- "If Steve was a Dancer"
Musik: Steve Reich (*1936): New York Counterpoint, Clapping Music
Choreographie: Katharina Arnold, Elisabeth Hillinger
Michael Krenn, Sopranosaxophon Solo
ensemble.konsax.wien
「ニューヨーク・カウンターポイント」のPart1では、なんだかライフゲームを観ているような、不思議な感覚に陥った。「クラッピング・ミュージック」(先頭は日下部さん?)を経て、再び「ニューヨーク・カウンターポイント」に戻り、Part2はアグレッシブで、別の曲みたいに聴こえる。Part3は、ライヴならではの愉悦感!楽しかったなあ。サクソフォンの金属光沢にスポット照明が反射して、それがまた予期せぬ不思議な効果を醸し出していた。
- Louis Andriessen (*1939)
Workers Union
Leitung: Lars Mlekusch
ensemble.kons.wien.aktuell
だめだー眠いー
再び配信元トラブルにより落ちて観られない…。
2014/03/01
Vienna International Saxfest 2014中継(3/1)
http://adolphesax.com/index.php/articulos-sp-1223929572/1455-adolphesax-com-evento-especial-on-line-1-y-8-de-marzo-desde-vienna-saxfest
以下、プログラムを貼り付けておく。コンサートタイトルとなっているMoondoxの作品は個人的に苦手で、ちょっと…という感じなのだが、その他には面白そうなプログラムが並ぶ。特に目を引いたのは、サクソフォン、ピアノ、ドラムス、ベースで演奏されるデニゾフ「ソナタ」の第3楽章。これって、あの平野さんのバージョンでは…(笑)。ライヒの「ニューヨーク・カウンターポイント」「クラッピング・ミュージック」を再構成した「If Steve was a Dancer」は、これはYouTubeで過去の演奏の様子が観られるが、とても爽快な演奏になることだろう。ディヴィッド・ブルッティ氏が吹くシュルホフも楽しそう!
CONCIERTO SAX PAX
CONCIERTO SAX PARTY
Lugar: VIENNA (AUSTRIA)
Fecha y Hora: 1 de Marzo 2014 (19:30h)
Auditorio: KONZERTSAAL DER WIENER SÄNGERKNABEN
OBRAS:
- George Gershwin (1898-1937)
Rhapsody in Blue (arr. Paolo Zannini)
Roland Batik, Klavier
Lars Mlekusch, Dirigent
Vienna Saxophonic Orchestra
- Theodor Burkali (1975)
Saxonances URAUFFÜHRUNG
Lars Mlekusch, Leitung
Vienna Saxophonic Orchestra
- Christian Maurer (*1967)
Neues Werk für Saxophonorchester und Perkussion URAUFFÜHRUNG
Lars Mlekusch, Leitung
Vienna Saxophonic Orchestra
Valentin Duit, Perkussion
- Erwin Schulhoff (1894-1942)
Hot Sonate (Bearbeitung für Solosaxophon und Ensemble: Harry K. White)
David Brutti, Altsaxophon solo
Lars Mlekusch, Leitung
ensemble.kons
- Georges Aperghis (*1945)
À Bout de Bras
Lars Mlekusch, Sopransaxophon
Rodrigo Vila, Sopransaxophon
- Andy Middleton (*1962)
“Through the Trees Ahead”
für Solosaxophon, Saxophonensemble und Schlagzeug
Andy Middleton, Tenor- und Sopransaxophon
Lars Mlekusch, Leitung
ensemble.konsax.wien
DESCANSO
- Edison Denisov (1929-1996)
III Allegro Moderato aus der Sonate für Altsaxophon und Klavier
Lars Mlekusch, Altsaxophon
Irén Seleljo, Klavier
Stephan Plecher, piano
Marc Mezgolits, bass
Peter Primus Frosch, drums
- Louis Thomas Hardin alias Moondog (1916-1999)
+Sandalwood
+Paris
+Bird´s Lament
+New Amsterdam
David Brutti, Baritonsaxophon, Kontrasbasssaxophon solo
Andy Middleton, Altsaxophon solo
ensemble.konsax.wien:
- "If Steve was a Dancer"
Musik: Steve Reich (*1936): New York Counterpoint, Clapping Music
Choreographie: Katharina Arnold, Elisabeth Hillinger
Michael Krenn, Sopranosaxophon Solo
ensemble.konsax.wien
- Louis Andriessen (*1939)
Workers Union
Leitung: Lars Mlekusch
ensemble.kons.wien.aktuell