僭越ながら、聴いたぶんのフェスの感想を。
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♪協賛各社による展示ブース
クランポンのブースで「Senzo」吹くぞー、と意気込んで来たものの、マウスピースとリードを忘れ(準備までしたのに部屋に置きっぱなしになっていた…)吹けず、のっけからテンションが下がる(苦笑)。その他、Garage Sの榊原さんとひとしきりお話し、またアカデミアミュージックのブースでデル=ボルゴ、マルティノン、ナイマンの楽譜を購入。
♪第16回ジュニア・サクソフォーン・コンクール優勝者披露演奏:千野哲太
A.デザンクロ - PCF
2012年に田村兄弟の門下発表会で聴いたことがあるはずだが、そのときから大きく成長した演奏内容で驚いた。音そのもの、という点では少し調子が悪いような風にも聴こえたが、例えば「カデンツァ」や、「フィナーレ」の最初の部分を高い集中力で持って高速に(本当に速かった)切り抜けるなど、高い技術の一端が垣間見えた。一緒に聴いていた田村哲の言葉によればコンクールの時はもっと良かったとのことで、また彼の演奏を聴く機会を楽しみにしていたい。
♪A会員によるプレミアムコンサート:白井奈緒美
K.シュトックハウゼン - 蝶の舞
石田早苗 - 秋津の舞
キュルテンのシュトックハウゼン講習会にて、シュトックハウゼン作品演奏のスペシャリストであるスージー、カティンカ両氏に薫陶を受け、さらに演奏家賞をも受賞したというその演奏、やはり一筋縄ではいかない素晴らしいものだった。引き続きさらに他のシュトックハウゼン作品の演奏もぜひ続けていただきたい。CDを出してほしいくらいだ!石田氏の作品は一回聴いただけではなかなか掴めず、繰り返し聴けば面白さがわかってくるかもしれない。
♪A会員によるプレミアムコンサート:原博巳(ミシャ、ショッカー)、松下洋、田代あかり(ショッカー)
J.D.ミシャ - Kokoro
G.ショッカー - 3つのダンス
ミシャ氏の作品はソプラノサクソフォンソロで、ペンタトニックな旋律に、日本の尺八やら長唄というような間合いを持つ作品。フランス人作曲家(言わずもがな、作曲家だけでなく優れたサクソフォン奏者でもある)から見た日本の伝統音楽のイメージが、こうやって実際に音にされると面白い。ショッカーは、以前松下くんが自身のリサイタルで取り上げた作品。もとはフルートの作品だったが、その時の録音を送ったところ、作曲家が気に入って出版の運びとなったとのこと。2本のサクソフォンとピアノの間で交わされるシンプルな音遊びが楽しく、さらに最後はハイタッチ!思わず「イイネ!」ボタンを押したくなる感じ。
♪A会員によるプレミアムコンサート:長瀬敏和、くらしき作陽サクソフォンアンサンブル
酒井格 - クローバーリーフ・スイート
「クローバーリーフ・スイート」は楽章ごとにバリトン→ソプラノ→テナー→アルト持ち替えとなるサクソフォンアンサンブルをバックにしたサクソフォン協奏曲。長瀬氏のソロは関東にいるとなかなか聴く機会がないが、楽曲自体はシンプルな構成ながらやはり説得力のある演奏内容で、そこは長瀬氏の音楽性によるところが大きいのだろう。ちなみに、バックのアンサンブルには大城氏がソプラノで、貝沼氏がテナーで参加。何気に豪華だった。後半に演奏された「11月のアダージョ」は聴かずに、小ホールへと向かった。
♪アドルフ・サックス生誕200周年企画:雲井雅人
フォレ - 牧人たち
モンシーニ - ゴルコンデの王妃
F.コンベル - マールボロによる変奏曲
私としたことが曲目をメモしわすれたので、失礼ながら覚えている範囲にて。トークからは、サクソフォンが現代性を獲得したのと引き換えに失ったもの、それを、単なる一部マニアの趣味としてではなく、サクソフォン界全体へと復刻・浸透させることの重要性が、語られているかのように感じた(あくまで個人の感想)。これまでも何度か雲井氏がこれらのサクソフォンを操るところを聴いてきたが、今回はゴールドベック社のマウスピースを組み合わせたとのことで、さらにシステムとしての完成度(復刻度合い?)が上がっていたように思う。CD出してほしい!さらにFB上で話題となっていたクランポン・サクソフォンの音は、間に合わず残念ながら聴けなかった。
♪カルテット名曲館:Saxophone Quartet IRIS
G.ピエルネ - 民謡風ロンドの主題による序奏と変奏
P.M.デュボワ - 四重奏曲
P.ショルティーノ - 異教徒の踊り
演奏されつくされていて、普段ほとんど演奏されないこれらの作品たちを、敢えて取り上げて演奏してしまう…フェスティバルならではの企画だろう。確かにプロフェッショナルだったりサクソフォン専攻の学生の四重奏団がショルティーノを演奏する、というのは最近は初めて聞くような…。2012年に結成されたというIRIS(三浦夢子、藤本唯、横山美優、武田歌穂)による演奏。清潔感のある響きや、きちんとしたテクニックを聴くと、さすが…!と唸ってしまう。とはいえ時折怪しげな箇所もあったが、急ごしらえだったのかな。本格的なリサイタルを聴いた時に、どのような演奏を展開するのか、ぜひ聴いてみたいものだ。
♪カルテット名曲館:The Reve Saxophone Quartet
R.クレリス - かくれんぼ
E.ボザ - アンダンテとスケルツォ
長生淳 - 彗星
J.リヴィエ - グラーヴェとプレスト
東京藝術大学のサクソフォン専攻生(上野耕平、宮越悠貴、都築惇、田中奏一朗)によるカルテット。完成度やテクニックは相当なもので、会場もかなり沸いていた。どの演奏も喝采ものだったなあ。結成してどのくらい経つのかわからないが、ぜひ今後も引き続き活動を続けていっていただきたい。大曲の時にいったいどんな演奏になるのか、わくわくしてしまう。
♪フェスティバル・コンサート:林田和之
八木澤教司 - クルチフィクスス
はやり林田さんはすごい。持っている響きが一段違い、大ホールも余裕で鳴らしきってしまうのだ。ふとしたフレーズで見せるセンスは、基礎力の積み重ねによるところも大きいのだろう。またリサイタルやってくれないかなあ。作品の内容はちょっとわからず…。
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ここまで聴いたところで、別の用事があったため退出。フェスティバルコンサートの他の演奏は聴けなかった。来年はどんな企画になるのかな。我々としても、盛り上げていきたいところである。
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