2012/06/30

ラランさん出演情報2012

公私共にやることが多すぎて、ブログを更新している時間が取れない。

ジェローム・ラランさんから戴いている出演情報を掲載しておく。いつもだったら文に落とすのだが、その時間もない…。

これから千葉で渡欧前の強化合宿です。


2012/06/27

演奏会ご案内:ブリッツ・ブラス

時間がないのでコピペで…(すみません)。

坂口大介さんからご案内いただいた。吹奏楽でドビュッシー「ラプソディ」ですと!?怖いもの見たさ(聴きたさ)という点で、個人的に大注目。ちなみに私は仕事のため伺えず…。

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🍀ブリッツブラス定期演奏会

2012年6月27日 19:00~
渋谷区文化総合センター大和田 
さくらホール(渋谷区桜丘町23-21)

指揮者 松元宏康 
演 奏 Blitz Brass

福田洋介
Dragon High(初演)

A.ボロディン(1833-1887)/石毛里佳編曲
歌劇「イーゴリ公」よりポロヴェツ(ダッタン)人の踊り

C.ドビュッシー(1862-1918)/小野寺真編曲
サクソフォーンのための狂詩曲
サクソフォーン:田村真寛

K.シマノフスキ(1882-1937)/小野寺真編曲
演奏会用序曲op.12

O.レスピーギ(1879-1936)/三浦秀秋編曲
交響詩「ローマの祭り」

入 場 料:2800円(当日3000円)高校生以下1500円(当日1800円)

2012/06/26

櫻井哲夫:Jaco Pastorius Tribute Live@保谷こもれびホール

【JACO PASTORIUS ~TRIBUTE LIVE~】
出演:櫻井哲夫(Bass)、本多俊之(Sax)、新澤健一郎(Keyb)、菰口雄矢(Guitar)、FUYU(Drums)
日時:2012年6月24日(日)開場16:00 開演16:30
会場:保谷こもれびホール
セットリスト(うろおぼえ):
Soul Intro~The Chicken
Black Market
Kuru
Punk Jazz
A Remark you Made
Havona
Donna Lee
Slang
Wonderland in the Sky
Gentle Hearts
Birdland
Liberty City
Teen Town
After the Life Has Gone

これだけ豪華な布陣でのライヴが、まさか保谷こもれびホールで実現してしまうとは!という驚き。それだけでなく料金もリーズナブルで、ちょっと信じられないほどだ。このメンバーでは何度も同一コンセプトでの演奏をこなしているようで、良い意味で慣れのある、質の高いライヴを楽しめた。

それにしてもかっこいいなあ。元カシオペアの櫻井哲夫氏…日本を代表するベーシストの一人だが、ここまでジャコ・パストリアスを敬愛しているとは知らなかった。櫻井氏のオリジナル曲も交えながら、独奏あり、派手なデスカルガ(?)あり、休憩も挟みながらおよそ2時間のライヴを、猛然としたテンションで弾ききっていた。

本多俊之氏をこのような場で見たのは初めてだったが、いやあ、強烈ですね。うっかり、トルヴェールカルテットと一緒にやった録音や、映画「メトロポリス」、伊丹十三監督作品あたりのイメージで聴き始めると、火傷してしまう。ファンキーだが、どこまでもメロディアス。ホンダというと本田雅人節だが、明らかに本多俊之節というものがあるのだなと感じ入った。

まだ24才だという菰口氏の大人びたプレイにも感銘を受けたし(そのままウェザーリポートと一緒に弾いて欲しいくらい)、全てを知り尽くした新澤氏の変幻自在のキーボードはさすがだった。アナログシンセっぽい機材まで駆使しての、充実の音響。

「Chicken」や「Havona」が聴けたのは嬉しかったし、「Black Market」の妙な空気感、櫻井氏オリジナルの楽曲も楽しく、最後の「Birdland」「Liberty City」そしてアンコールの「Teen Town」へとつながる興奮まで、ライヴのフルコースを味わう気分だ。とてもいい気分でライヴ会場を後にした。

終演後は、ネリマノダイコンヤ@練馬で友人たちとともに一杯。美味しい焼酎とモツ鍋を楽しんだ。

2012/06/24

ミュールの誕生日に寄せて

今日はマルセル・ミュール Marcel Mule氏の誕生日だ。

サクソフォンがどのような方向に発展しようとも、ミュールの偉大な功績は不動のものであり、現在のクラシック・サクソフォンの本流を築いたという点で忘れてはならない存在である。我々が四重奏に取り組んだりヴィブラートの研究をしたりするとき、間接的にミュールの影響を受けていることはいまさら説明の必要もない。また、サクソフォンのレパートリーがミュールによって押し広げられた点で受ける恩恵も計り知れない。

もしあなたがもう少しだけミュールに興味を持っているなら、おそらくSP&LP時代の録音を聴いたことがあるだろう。幸いなことに最近は復刻盤の整備も進み、ミュールのほぼすべての録音が「伝説(聴きたくても聴けないという意味)」とされていた90年代から比べると隔世の感がある。また、アメリカを中心に残されていた貴重なライブ録音の復刻も進んでおり、まだまだ私たちの知らない録音があるのではないかと、今後のさらなる発掘にも期待が高まっている。

音楽大学や専門学校などでサクソフォンを専門的に学ばれている方々にとって、ミュールの録音はどのような位置付けにあるのだろう。まさか「一度も聴いたことがない」はさすがにないだろうが、聴いたことがあったとしてもインスピレーションを受けずにしまいこんでしまったりと、やはりそんな事もあるのだろうか。それはとても残念なことであるので、ミュールの誕生日をきっかけにもう一度だけぜひ耳を傾けていただきたい。その録音から聴こえる美しい音色、甘いヴィブラート、唖然とするほどのテクニック、そして何より弦楽器奏者のような豊かな音楽性を感じ取っていただきたいのである。

以下、おススメの録音をいくつか挙げておく。これまでにもブログでご紹介したものだが、改めて…。

何よりもまず、木下直人さんの復刻であるという点。SPというものはは、生半可なCDの録音など問題にならないくらいリアルな音が収められているのだが、木下直人さんの長年の研究成果による、完璧な復刻がなされている。具体的には、20世紀中頃にフランスの国立放送局で使用されていたカートリッジ他の機材をオーバーホール、さらにSPを一枚一枚丹念に洗浄した上で盤起こしを実施したというもの。

http://greendoor.jp/products/products.php?pnum=GD-2036

ミュールが残した最後のソロ録音。シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団との共演によるイベール「コンチェルティーノ」と、トマジ「バラード」。聴衆を熱狂の渦に巻き込んだ際限ないテクニックは、もしかしたら現代にあっても聴くことのできないものかもしれない。

http://www.geocities.jp/kuri_saxo/legendary_sax/#MULE(リンク先の二枚目)

2012/06/23

ドゥラングル教授リサイタル"Next"チケット売り開始

何度かご紹介していた10月のドゥラングル教授のリサイタル@静岡、本日よりチケット売り開始となった。大注目!チケットぴあの該当ページは、以下。

http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1148010

なんといっても注目は、野平一郎氏のサクソフォンとエレクトロニクスのための新作の日本初演だろう。IRCAMのスタッフとともに来日ということで、2007年と同じ完璧な音響のなか、素晴らしい演奏を堪能することができそうだ。2007年に委嘱作品として世界初演された、マルコ・ストロッパの「...of Silence」も演奏されるそう。あの時はほとんど理解不能だったのだが、改めて聴くことで新しい発見もあるのだろうか。こちらも楽しみだ。

【クロード・ドラングル サクソフォン・ライブ2 "Next"】
出演:クロード・ドゥラングル(sax)、ホセ=ミゲル・フェルナンデス(electronics)
日時:2012年10月13日(土曜)18:00開演
会場:静岡音楽館AOI
料金:全席指定4000円、22歳以下1000円
プログラム:
P.ブーレーズ - 二重の影の対話
L.ベリオ - セクエンツァIXb
M.ストロッパ - ...of Silence(第3版)
G.グリゼイ - アニュビスとヌト
野平一郎 - 静岡音楽館AOI委嘱作品(日本初演)
問い合わせ:
054-251-2200 (静岡音楽館AOI)

2012/06/22

【再掲】寄付のお願い:WSC中継プロジェクト

WSCまでは一週間に一度、この記事を再掲したいと考えています。私はこのWSCプロジェクトに直接関わっているというわけではないのだが…ご賛同頂ける方・中継をご覧になる方はぜひご協力をお願いします。

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今年7月に実施される第16回World Saxophone Congressは、Adolphesax.comとのコラボレーションにより、メインホールのライヴ中継と全日程のビデオ記録が実施されます。それに際して、資金が必要となっているようです。中継・全日程の記録は16回のWorld Saxophone Congressの中でもちろん初の試みであり、世界のクラシック・サクソフォン界にとって大きな財産となるはずです。
ごく僅かな金額でも結構ですので、ご協力頂ける方は下記リンクより寄付をお願いできないでしょうか。

http://www.adolphesax.com/index.php?option=com_content&view=section&layout=blog&id=21&Itemid=889&lang=en

円高の現在、日本からの寄付はとても効果的です。なにとぞ、よろしくお願いします。

松下洋さんのリサイタル動画おすすめ2点

昨日締め切りとなっていた曲目解説、なんとか脱稿。大きな仕事ということで楽しかったが、スケジュール的には大変だった。7/3はぜひ津田ホールへ!まだやることは山積みなのだが(ヨーロッパ行き関係)、これでようやくブログも少しはまともに再開できるかな。交流会のことも、まだきちんとまとめていない。

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先日の松下洋さんのリサイタル動画から、オススメをご紹介。

ジョン・マッキー John Mackeyの作品を4つ集めたステージ。編成も様々で、下記のようなもの。
Sultana [Soprano Sax & Pf]
Damn [Soprano Sax & Percussions]
Strange Humor [Soprano Sax & Alto Sax & Tenor Sax & Baritone Sax & Percussion & Dancers]
Rash Hour [Soprano Saxes & Alto Sax & Tenor Sax & Baritone Sax & Percussions & Dancers]
猛烈にカッコイイこと、この上なし。ごくシンプルなソプラノサクソフォンとピアノの「Sultana」から、土俗的なソプラノサクソフォンとパーカッションの響きを楽しんだ「Damn」、ダンサーの見事なパフォーマンスにより会場が興奮のるつぼと化した「Strange Humor」、そして集大成となった「Rash Hour」。いまでもあの興奮を思い出すことができるが、後になって冷静に観ても実にレベルの高いステージだったことがよく分かる。

松下さんを中心とする気鋭のサクソフォン奏者の集まりのパフォーマンスは、激しい化学反応のよう。サクソフォンのみならず、ピアノやパーカッションも素晴らしい仕事をしている。ダンサーの白石愛子さんは、以前大西智氏さんのリサイタルでもその強烈なパフォーマンスに感銘を受けたものだが、さらに洗練されたイメージを受けた。


ロベルト・モリネッリ Roberto Molinelliの「ニューヨークからの4つの絵」のサクソフォンアンサンブルバージョン。東京芸術大学と洗足学園音楽大学出身(or 在学)のメンバーから成り、下記のような布陣となっている。
小澤瑠衣(sn)、加藤里志、上野耕平(s)、丸場慶人、野田薫、藤本唯(a)、海老原恭平、山下真実、竹内理恵(t)、小川卓朗、中島諒(b)、塩塚純(b)、田村哲(cond)、関聡、石川勇人(perc)
驚いたことに、リサイタルを通じてほとんどの曲で暗譜での演奏を敢行した松下さんだが、もちろんメインとなるこの作品でも暗譜なのであった。個人的には、ソプラノサクソフォンで演奏された第1楽章と、松下さんの意外な一面…あのようなジャズ風の音色でコントロールすることができるとは!…を見ることができた第3楽章が印象深い。バックのサポートも、万全である。

2012/06/20

WSCのタイムテーブル

WSCのタイムテーブルが出た!リンク先の「Download the WSCXVI programme as a printable pdf.」をクリックすると、参照することができる。

http://www.wscxvi.com/programme.php

2012/06/19

松下洋さんのリサイタル動画

先日の素晴らしいリサイタルの模様が、YouTubeの松下さんのアカウントにアップされている。ブログにもコンサートについては書いたが、あの時の感動が蘇りますなあ。特にマッキーとモリネッリは超オススメ!

http://www.youtube.com/user/youcrossgun

第3回江古田サックス祭での雲井氏演奏 on YouTube

交流会、ヤマハ目黒ステージマネージャーと切り抜けたが、水曜日辺りまでは余裕が無い…。交流会についても書いている時間がない。

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先日江古田バディで開かれた第3回サックス祭では、雲井雅人氏とGarage Sの榊原氏がアドルフ・サックスの楽器に関するプレゼンテーションを行った。その時の、雲井氏の演奏録音が、何曲かYouTubeにアップされている。下記リンクからたどっていただきたい。

フランソワ・コンベル「マールボロの主題による変奏曲」
http://www.youtube.com/watch?v=qmQZEhflPsw

この演奏を聴いて、少しでもご興味がある方はライブで聴く機会を狙っていただきたい。雲井氏が吹くアドルフ・サックスの楽器から紡ぎ出される音楽は、極上なのである。

2012/06/18

ヤマハ目黒吹奏楽団第32回定期演奏会

【ヤマハ目黒吹奏楽団第32回定期演奏会】
出演:ヤマハ目黒吹奏楽団、鳥谷部武夫(指揮)、大田昌穂(司会)
日時:2012年6月17日(日)14:00開演
会場:めぐろパーシモンホール・大ホール
プログラム:
J.P.スーザ - 星条旗よ永遠なれ
R.ネルソン - ロッキー・ポイント・ホリデイ
S.ライニキー - セドナ
V.ネリベル - 2つの交響的断章
J.P.スーザ - 星条旗よ永遠なれ(ジャズバージョン)
J.パストリアス - スリー・ヴューズ・オズ・アブ・ア・シークレット
C.ストラウス - ミュージカル"アニー"メドレー 他

演奏での参加ではなく、ステージマネージャーとして演奏会に携わった。演奏会中の進行・証明切り替えの指示出しあたりが主要な業務となる。特に演奏会が進行している最中は(当たり前だが)緊張感と集中力が必要。昨日のサクソフォン交流会運営の次の日、ということで大変ハードだったが、なんとか無事終演までこぎつけることができた。

演奏会の印象は、以前書いた内容と同じ!相変わらず素敵な演奏会であった:
長い曲の時には、舞台袖から演奏を聴く余裕もあった。演奏もクラシックとポップスでメリハリがついており、安定感があり、お客さまの反応も暖かく、素敵な演奏会だったと思う。これまで客席で聴けなかったのが悔やまれるほどだ。"名物司会"という大田さんのMCも最高。本業はヤマハエレクトーンの講師だそうだが、あのMCを聞くだけでも演奏会に来る価値があるのではないか、というほどのもの。1200席という超巨大ホールだが、見た目7~8割の客入り。長年やっていることで、地元の固定客も多くいるのかもしれない。

個人的には、ちょっとマニアックな曲が入っているのが楽しかったですね。ネルソンとかギリングハムとかスパークとか…あまり知られていないながらも、素敵な小品がたくさんあるのだなと思った。

16:00頃に終演。TsukubaSQ練習のため、ち上げは参加せずに退散。18:00-21:30で練習を行ったが、さすがに土日と予定がぎっしりだったためだいぶ疲れてしまった…。

2012/06/17

第3回サクソフォン交流会、終演

大盛上がりの中、演奏・打ち上げともに終演。服部先生はじめ、ご協力いただいた皆様に深く感謝申し上げる次第。詳しいレポートは後日。レポートはサクソフォーン協会誌にも書きます。

2012/06/16

Sigurd Rascher plays Larsson

Tor Mann指揮スウェーデン放送交響楽団の演奏。L.E.ラーション - サクソフォン協奏曲(独奏:シガード・ラッシャー)1958年の録音。

http://sverigesradio.se/sida/artikel.aspx?programid=2480&artikel=5149602

35分52秒から聴くことができる。これまで聴いたことのあるラッシャーのいくつかのラーションの演奏や、ラシェリアンと呼ばれるラッシャー派の演奏に慣れ親しんだ私としては、その延長線上としてすんなり耳に入ってくる。初めて聴く人は「なんじゃこりゃ」と思うかもしれないが…。

それにしても1958年とは…。マルセル・ミュールがシャルル・ミュンシュとアメリカ演奏旅行を実施したのと、同じ年だ。

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ちなみに、飛ばさずに聴くと一番最初に収録されているのは…なんとドゥダメル指揮のマルケス「ダンソン第2番」!ではないか。

2012/06/15

ご案内:第3回サクソフォン交流会

本業が忙しく、事務局のメンバーにはご迷惑をおかけしている。…が、あれよあれよという間に期日が迫ってきた。立ち上げから事務局として参加し、第2回ではマネージャーも務めたが、このイベントも3回目となるのか。感慨深いものだ。

http://enjoysax.michikusa.jp/

今回は100人近くの参加規模となり、もちろん過去最大。皆さんとの交流が楽しみ。また、服部吉之先生をアドヴァイザーとしてお招きできたのは大変嬉しいことだ。ぜひ遊びに来ていただきたい。

2012/06/13

寄付のお願い:WSC中継プロジェクト

私はこのWSCプロジェクトに直接関わっているというわけではないのだが…ご賛同頂ける方・中継をご覧になる方はぜひご協力をお願いします。

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今年7月に実施される第16回World Saxophone Congressは、Adolphesax.comとのコラボレーションにより、メインホールのライヴ中継と全日程のビデオ記録が実施されます。それに際して、資金が必要となっているようです。中継・全日程の記録は16回のWorld Saxophone Congressの中でもちろん初の試みであり、世界のクラシック・サクソフォン界にとって大きな財産となるはずです。
ごく僅かな金額でも結構ですので、ご協力頂ける方は下記リンクより寄付をお願いできないでしょうか。

http://www.adolphesax.com/index.php?option=com_content&view=section&layout=blog&id=21&Itemid=889&lang=en

円高の現在、日本からの寄付はとても効果的です。なにとぞ、よろしくお願いします。

2012/06/11

演奏会案内:大石将紀&神田佳子@スイートベイジル

変幻自在のサクソフォニスト・大石将紀氏、今度はなんと"スイートベイジル"こと六本木STB139に登場!ここでライヴを行ったクラシック・サクソフォン奏者は、これまでほとんどいないはず。ゲストに有馬純寿氏を迎え、エレクトロニクスの作品を存分に交えた楽しいライヴとなりそうだ。私はとにかく本業が忙しい時期にかかっており、そうでなければぜひ行きたいのだが…。

【大石将紀&神田佳子】
日時:2012年6月12日(火)19:30開演
会場:六本木STB139(スイートベイジル)
料金:ミュージックチャージ5000円
神田佳子(新作)
佐藤允彦「遊行」(アルトサクソフォンと打楽器ヴァージョン)
S.ライヒ「ニューヨーク・カウンター・ポイント」
JacobTV「Pimpin」
即興演奏 他
http://www.m-oishi.com/stb


「都会の音楽」という、この妙に新鮮に響く言葉は、JacobTVやライヒの作品にピタリと当てはまることがよく分かる。この2作品を聴くだけでも相当の価値があるだろう。その他の新作は、ちょっとどんな響きがするのか想像がつかないが、打楽器も交えるなど、なかなか面白そうだ。

Quatuor Morphingのコンクール録音

つい先日Thunderさんがブログで話題にしておられたCD「The 7th Osaka International Chamber Music Competition & Festa 2011(YC-1101-1,2)」を先々週に入手した。渋谷の某楽器店(笑)では最後の一枚となっており、ギリギリだったのだが、これを逃したらおそらくQuatuor Morphingの入賞者記念ツアーまで入手できなかったかもしれない。Quatuor Morphing(Morphing Quartet)…パリ国立高等音楽院のドゥラングル教授クラスの学生で結成された四重奏団である。室内楽科でオーボエの名手、ディヴィッド・ワルターに学びながら現在も研鑽を積んでいるのだそうだ。メンバーリストは下記。知らない名前ばかりだが、誰と同期になるということだろうか。

Cristophe Grezes, soprano saxophone
Martin Trillaud, alto saxophone
Eddy Lopez, tenor saxophone
Matthieu Delage, baritone saxophone

2011年の大阪国際室内楽コンクール・フェスタでは、第1部門が弦楽四重奏、第2部門が木管楽器のアンサンブル、フェスタが任意編成という区分けのもと、世界中から猛者が集まり戦いの火花を散らした。第2部門では、日本からも、アンサンブル・ミクスト(木管五重奏団)やカルテット桜などが参加し健闘したが、同部門の最終的な1位はこのモーフィン・カルテットであった。

このCDには他の部門のグランプリ演奏も収録されていて、そちらもなかなか面白いのだが、取り急ぎモーフィン・カルテットの録音だけ聴きこんでみた。収録されているのは本選のA.グラズノフ「四重奏曲」と、披露演奏会でのF.J.ハイドン「弦楽四重奏曲op.20-5」の録音である。

精度という点で言えば、ハバネラ四重奏団の同コンクールでの録音を圧倒する。疵や事故は最小限に抑えられ、まるでセッションレコーディングを聴いているかのような理想的な状態で収録されているのが驚きだ。それはすなわち(当たり前だが)スリリングさにも欠けるということであるのだが、もうこのレベルになってしまうと何も言えないというものだろう。ハバネラ四重奏団の録音はライヴならではの緊張感やテンションがあったが、このモーフィン・カルテットの余裕綽々の演奏はいったい…。

本当は、最後にどんでん返しをしたという棚田文則「ミステリアス・モーニングII」が聴きたかった…というか観たかったのだがなあ。ハバネラのCDみたいに、予選から全て収録されたCDというのはリリースされないのだろうか?

2012/06/10

今日の練習

7月の後半、宮城県気仙沼でサクソフォン八重奏での演奏を予定しているのだが、本日はその初回練習だった。小竹向原のスタジオに、なんと8人全員集結。よく予定が合ったなあ。

メンバーがけっこうものすごいことになっていて、日下部さん、TSQのN、吉田優さん、tfmさん、k_saxofocusさん、石山かなさん、さとうけいこさん、kuri(こういう時に名前をどう書くか…本名かハンドルネームか、は迷うところですね笑)という布陣。

NAOTO/啼鵬「for you...」と内田祥子編「グレンミラーメドレー」を中心に2時間半ほど合わせを行った。まだ譜読み段階ではあるが、やはりメンバーそれぞれリサイタルを開いたり、室内楽に取り組んだりしているしているだけあって、すいすいと合わせが進んだ。啼鵬さんの編曲作品は慣れが必要な部分があるので、こちらはもう少し回数をこなさなければ。

引き続いて同じ練習場所でTsukubaSQ練習。3人でサンジュレの第四楽章を合わせた。これまで人前に出すために演奏にトライしたことはなかったのだが、今回取り組み始めたところとにかく苦労している。楽譜がシンプルすぎて、普段見過ごしていた演奏上の癖が曝け出されてしまうのだ。音色・リズム感・音程感・フレージング等々、基礎力を試されているかのようだ。

2012/06/09

Rascher Reader

しガード・ラッシャー小ネタ。アレクサンドル・グラズノフの「協奏曲」の世界初演が1934年の11月26日。ラーシュ・エリク・ラーションの「協奏曲」の世界が1934年の11月27日である。

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WSCで下記のような書籍が販売されるようだ。これは、名指しで買えと言われているようなもので…もちろん買うのだが、内容が非常に楽しみだ。

"Rascher Reader"は、200以上のシガード・ラッシャーに関する記事を編纂したものであり、ニューヨーク州立大学フレドニア校のプロジェクトチームが手がけるSigurd M. Rascher Collectionからの最初の出版物である。ラッシャーのバイオグラフィに関する記事、サクソフォンという楽器の歴史に関する記事、ラッシャーの教育に関する記事などを含んでいる。これらのコレクションは、フレドニア校のDaniel A. Reed図書館所蔵のものである。これらのコレクションは2004年にシガード・ラッシャーの娘であるカリーナ・ラッシャーより寄贈されたもので、録音、楽譜、小物、スコア、記事のスクラップ、写真、演奏会パンフレットなどからなる。"Rascher Reader"は、Lee Patrickにより編集され、Daniel A.Reed図書館からの出版となる。最初の売り出しは、2012年の世界サクソフォン・コングレスで行われる。

The Rascher Reader is a compilation of over 200 articles written by or about Sigurd Rascher and is the first publication containing materials from the Sigurd M. Rascher Collection. The topics covered in this book include biographical information, history of the saxophone, pedagogy, education and the nature of music. The collection is housed at the Archives and Special Collections of Daniel A. Reed Library at the State University of New York at Fredonia. The collection, donated in 2004 by Rascher’s daughter, Carina Rascher, consists of materials that once belonged to the pioneering concert saxophonist. There is a wide variety of materials including but not limited to: audio materials, correspondence, musical instruments, musical scores, newspaper clippings, photographs, and programs. The Rascher Reader, edited by Lee Patrick and published by Daniel A. Reed Library, will be released for sale during the 2012 World Saxophone Congress.

2012/06/08

Adolphesax.com & WSC

素晴らしいニュース。WSCとAdolphesax.comがパートナーシップを組み、メインホール(と、もしかしたらサブホール)の中継、全日程のレコーディング等を行うそうだ。これまで15回を数える世界サクソフォン・コングレスの歴史の中で、ライヴ中継や全日程の記録は初めての試み。すでにAdolphesax.comには特設ページも開設されており、文字通り各コンテンツの公開が秒読み段階に入っている。

さすがに巨大なプロジェクトだけあって、金銭面でのサポートが必要となっており、そのうちDonationページも作られとのこと。ご理解ある方は、ぜひそちらのサポートをお願いしたいと思う(私もDonationする予定)。

2012/06/07

WSCでのTsukubaSQ演奏予定

WSCでのTsukuba Saxophone Quartetの演奏予定(会場・時刻)がようやく決まった。7/13 18:30より、St.Leonards Auditoriumにて。演目は、これまでも何度か書いているとおり、伊藤康英先生の「琉球幻想曲」とバッハ/伊藤康英編「シャコンヌ」である。コンセプトは、伊藤康英先生の作品の紹介、である。

1988年、川崎で開かれたコングレスにおいて、須川展也氏が世界デビューを飾った際の演目が、伊藤康英「サクソフォン協奏曲」であった。そのプログラムを意識した選曲だが、今回の演奏により現在から過去に向けて伊藤康英作品の逆照射を行い、日本・世界のサクソフォン界に少なからず影響を与えた氏の作品の系譜を見つめなおすことを目的としている。

あと、問題は同一時間帯の裏番組だなー。裏番組にドゥラングル教授やらボーンカンプ氏やらマーフィ氏やらがいたら、たまったもんではない(苦笑)結局、テレビ番組のように同時進行であるため、それぞれの会場に"視聴率"=集客の差が発生してしまうわけでして(^^;

2012/06/06

Jaco Pastorius Tribute Live@保谷こもれびホール

本日はあまりサックスっぽくない話題なのだが…まずは下記リンクをご覧いただきたい。

http://www.komorebi-hall.jp/event/event.cgi?mode=view&no=203

偉大なるベーシスト、ジャコ・パストリアスの名を知らない方はいないだろう。ウェザー・リポートのベース奏者として…いや、それにとどまらず「ジャコ・パストリアス」というある種完成されたベースの概念を一から創りあげたミュジシャンである。現代のベーシストは、大小を問わなければほぼ例外なく全てがジャコ・パストリアスの影響を受けていると言っても過言ではないだろう。

日本を代表するベーシスト、櫻井哲夫氏を中心として、ジャコ・パストリアスに捧げるトリビュート・ライヴが開かれる。知り合いが一枚噛んでいるのだが、内容も大変充実したものであるため私からも強くオススメする次第。この布陣にこの値段!コストパフォーマンス的にも、ちょっと信じられないくらいだ。

【JACO PASTORIUS ~TRIBUTE LIVE~】
出演:櫻井哲夫(Bass)、本多俊之(Sax)、新澤健一郎(Keyb)、菰口雄矢(Guitar)、FUYU(Drums)
日時:2012年6月24日(日)開場16:00 開演16:30
会場:保谷こもれびホール
料金:3500円全席指定

2012/06/04

週末いろいろ

土曜日は、某渋谷の楽器店で大阪国際室内楽コンクールのライヴ録音をゲットしたのち、某楽譜の図書館(?)に移動してエディット・ルジェとルーシー・ロベールとジャン=ピエール・ブーニョの四重奏曲の楽譜を借りる。このうちルジェとブーニョはEditions francaises de musiqueの出版(怪しい名前だなあ)なのだが、この出版社の名前、木下直人さんから復刻盤を頂戴したジャック・デスロジェのLPと同じ名前ではないか!ブーニョが収録されている、という点でも共通点がある。

午後からは楽譜書き。途中眠くて何度か意識を失う。こればっかりはひたすらやるしかないのだが、それでも大変。そして、プログラム作成ほか、サクソフォン交流会の事務作業や、TsukubaSQのヨーロッパ行きの準備 etc.修理から帰ってきたLifeTouch NOTEを受け取ったり、啼鵬さんからの楽譜を受け取ったり、いろいろ。

日曜は午前に練馬で練習。ピアソラとサンジュレを合わせるが、時間が足りず、やむなく合わせの日程を増やす。6月~7月の予定がけっこうとんでもないことになりつつある(^^;が、充実しているともいう(爆)。2011年後半からの、TsukubaSQの練習した曲の数が多く、またこれから先も多く…なんとか一曲一曲のクオリティを上げながら順にこなしていくしかないだろう。

その後、サクソフォーンアンサンブルの会にお邪魔し、夜はまたひたすら楽譜書き&交流会の準備。いやはや。

サクソフォーンアンサンブルの会 第28回演奏会

圓田勇一氏率いる老舗のサクソフォン・アンサンブル団体として、1980年代から日本のラージアンサンブル界を牽引してきた「サクソフォーンアンサンブルの会」。もともとはあの有名な乗泉寺吹奏楽団のサクソフォンパートから派生した団体なのだそうだ。発足はなんと1978年。団体としての名前は聞いたことがあったのだが、これまで不思議と聴く機会はなかった。今回は、Facebookでお知り合いになったメンバーの方のお誘いで伺うこととなった。

驚いたことに、サクソフォーン・アンサンブルの会の活動歴史ページと、本日のメンバー表とを見比べてみた時に、第1回演奏会の参加メンバーが未だ何人か参加している。30年以上を経るわけで、いやはや想像がつかない。

【サクソフォーンアンサンブルの会 第28回演奏会】
出演:サクソフォーンアンサンブルの会、原博巳(賛助出演)
日時:2012年6月3日(日曜)14:00開演
会場:牛込箪笥区民ホール
プログラム:
A.ルーセル - シンフォニエッタ
福田洋介 - サクソフォン・シャンソネット
L.バーンスタイン/福本信太郎 - ウェストサイド・ストーリー・セレクション
J.フランセ - 小四重奏曲
L.ゴドフスキー - ジャワ組曲より
E.グリーグ - ホルベルク組曲
~アンコール~
I will always love you(?)

ルーセルから、見事な演奏に驚いた。技術的に完成され、無駄な部分を全てそぎ落としプリミティブな部分だけを残した、サクソフォンのラージアンサンブルの究極系。ラージアンサンブルを突き詰めていくと、このようなスタイルに行きつくのかもしれない。それは演奏だけでなく、ステージでの立ち振る舞いや演奏会の進行についても同じ事が言える。ソプラニーノは原博巳さんが賛助出演として担当。国内でも最高クラスのコントロールと、的確な立ち回りを楽しんだ。

6重奏となった福田洋介「サクソフォン・シャンソネット」には、会場が沸いた。たしかにこの曲の第1楽章や第2楽章は紛れも無い名曲であるし、6人全員がソプラノを繰って、さらに持ち替えを行う編成というのも見た目的にも面白いものだ。しかもそれだけではなく、めちゃくちゃ上手いのだ。各楽器に難易度が高いソロが割り当てられ、全体も密度高く書き付けられたスコアであるはずだが、技術的に不安な場所は一切なし。また、アンサンブルや表現も相当に練りこまれていた。

バーンスタインやゴドフスキーの演奏も、目が醒めるようなすばらしいもの。ラージアンサンブルを連続した時につきまといがちな「ダレ場」のようなものを一切作らず、常にピンと張ったテンションで終始一貫聴かせる。グリーグは、サクソフォンでは演奏されすぎて普段は食傷気味だが、とても新鮮に聴こえたのが不思議。そういえば、圓田氏の編曲の「ホルベルク」を聴いたのは初めてであった。

そういえば、ゴドフスキーやルーセルの編曲者として名前の挙がっていたNさん?Aさん?という方は、いったいどういうバックグラウンドを持つ方なのだろうか。演奏も殆どの曲に出演しソプラノからテナーまでガンガン吹いている感じ。第1回にも参加者として名前が挙がっている。アンコールに、「I will always love you」をラージ+Kさんのソロで。このKさんのプレイがまた強烈で…大喝采なのであった。各人の力量が、一筋縄ではいかない(^^;

もうちょっといろいろ書きたいのだが、時間がないのでとりあえずこのくらいで(自分が消化しきれていない、というのもある)。いつかぜひ、あの「ブラジル風バッハ第1番」の演奏を、この団体の演奏で聴いてみたいものだ。

2012/06/02

明日は第28回サクソフォーンアンサンブルの会

諸々の事務作業(交流会&TSQ)と個人練習と休息を、どのように取っていけば良いのか…。いろいろ押し迫ってきてまずい状態。プライヴェートが忙しいときは不思議と仕事も繁忙期となり、現在公私共に余裕がない。最近ブログの文字数が減っているのはそのためです(苦笑)。

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日本国内では、北の四重奏とならんで老舗のアマチュア・アンサンブル団体である「サクソフォーンアンサンブルの会」。メンバーの中にも何人かお知り合いがいるのだが、これまで不思議な事に演奏を聴く機会はなかった。何年か前に、団体を引っ張ってきた圓田勇一氏が亡くなられた後も、原博巳氏を迎えて定期演奏会を継続している。明日は午前中に練馬で練習があるので、その後移動すればちょうどよい時間に着きそうだ。

まあ、事務仕事かなりためこんでるのだが、2時間くらいなら大丈夫だろう…(^^;

【サクソフォーンアンサンブルの会第28回演奏会】
日時:2012年6月3日(日曜)14:00開演
会場:牛込箪笥区民ホール(うしごめたんすくみんほーる)
料金:入場無料
プログラム:
福田洋介 - サクソフォーン・シャンソネット
A.ルーセル - シンフォニエッタ
E.グリーグ - ホルベルク組曲 他
問い合わせ:
http://www.ne.jp/asahi/kaneko/sax/

楽しみなCD

カルテット・スピリタスの次のアルバムの発売日が決定したようだ。

http://www.cafua.com/products/detail662.html

「The Quartet(Cafua CACG-0191)」なるタイトルで、デザンクロ、リヴィエ、リュエフ、シュミットというラインナップ。こういった硬派なプログラムを演奏して形になる団体は、ほんの10数年前までは日本にはわずかしかいなかったように思えるが、今ではこうして多くの団体が見事な演奏を披露することができるようになった。日本のサクソフォン界の発展を目の当たりにしているようで、興奮する。

カルテット・スピリタスのファーストアルバムは、非常にクオリティの高い演奏・楽しいアレンジで楽しめたものの、プログラムが小品中心という意味ではやや不満があった。アレクサンドル・ドワジー氏とのジョイントリサイタルで聴いたデザンクロやシュミットの演奏はすごかったなあ。古典作品が"21世紀風に再構築"されたような感覚を抱いたものだ。

今回のCDは、おそらく当時よりもさらに磨きがかった演奏が聴けるはず!聴くのが楽しみである。