2012/06/11

Quatuor Morphingのコンクール録音

つい先日Thunderさんがブログで話題にしておられたCD「The 7th Osaka International Chamber Music Competition & Festa 2011(YC-1101-1,2)」を先々週に入手した。渋谷の某楽器店(笑)では最後の一枚となっており、ギリギリだったのだが、これを逃したらおそらくQuatuor Morphingの入賞者記念ツアーまで入手できなかったかもしれない。Quatuor Morphing(Morphing Quartet)…パリ国立高等音楽院のドゥラングル教授クラスの学生で結成された四重奏団である。室内楽科でオーボエの名手、ディヴィッド・ワルターに学びながら現在も研鑽を積んでいるのだそうだ。メンバーリストは下記。知らない名前ばかりだが、誰と同期になるということだろうか。

Cristophe Grezes, soprano saxophone
Martin Trillaud, alto saxophone
Eddy Lopez, tenor saxophone
Matthieu Delage, baritone saxophone

2011年の大阪国際室内楽コンクール・フェスタでは、第1部門が弦楽四重奏、第2部門が木管楽器のアンサンブル、フェスタが任意編成という区分けのもと、世界中から猛者が集まり戦いの火花を散らした。第2部門では、日本からも、アンサンブル・ミクスト(木管五重奏団)やカルテット桜などが参加し健闘したが、同部門の最終的な1位はこのモーフィン・カルテットであった。

このCDには他の部門のグランプリ演奏も収録されていて、そちらもなかなか面白いのだが、取り急ぎモーフィン・カルテットの録音だけ聴きこんでみた。収録されているのは本選のA.グラズノフ「四重奏曲」と、披露演奏会でのF.J.ハイドン「弦楽四重奏曲op.20-5」の録音である。

精度という点で言えば、ハバネラ四重奏団の同コンクールでの録音を圧倒する。疵や事故は最小限に抑えられ、まるでセッションレコーディングを聴いているかのような理想的な状態で収録されているのが驚きだ。それはすなわち(当たり前だが)スリリングさにも欠けるということであるのだが、もうこのレベルになってしまうと何も言えないというものだろう。ハバネラ四重奏団の録音はライヴならではの緊張感やテンションがあったが、このモーフィン・カルテットの余裕綽々の演奏はいったい…。

本当は、最後にどんでん返しをしたという棚田文則「ミステリアス・モーニングII」が聴きたかった…というか観たかったのだがなあ。ハバネラのCDみたいに、予選から全て収録されたCDというのはリリースされないのだろうか?

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