アポロ・サクソフォン・カルテット Apollo Saxophone Quartetのアルトサクソフォン奏者としてもお馴染みの、ロブ・バックランド Rob Buckland氏のアルバム「the time is now(E301)」。サクソフォンと、ピアノのピーター・ローソン Peter Lawson、パーカッションのシモーネ・レベロ Simone Rebelloによるトリオ、Equivox Trioという団体の演奏で、オリジナル曲の響きを楽しむことができる。けっこう昔から持っていたのだが、そういえばブログでご紹介するのはまだだった。
最近はイギリスのプレイヤーを集中して聴くこともなくなってしまったが、好きかと訊かれれば、今でもまちがいなく好きと答えられるくらい、イギリスのクラシックサックスが好きだ。魅力的でオリジナリティあふれるプログラミング、感情に揺さぶりをかけてくるような音色とパワー、他分野の音楽とのコラボレーション、等々。
Jason Rebello - Integration (sax, pf, perc)
Barry Cockcroft - Ku Ku (sax)
佐藤聡明 - Incarnation II (pf)
Sheila Chandra & Steve Coe - Sparking in Tongues I (tongue)
Barbara Thompson - Rhythm of the Gods (sax, pf, perc)
Bill Connor - Skaladur
Pat Metheny - Letter from Home
Rob Buckland - Lost (& Found)
Bob Mintzer - All is Quiet
なかなかにコンセプチュアルなアルバムだ。だが、イギリスのサックス関係のアルバムだと思えば、別段不思議でもない。
明らかにプログレッシヴ・ロックの影響を受けた、ジェイソン・レベロの傑作「インテグレーション」をガツンと響かせ、続いて各プレイヤーの個性が垣間見える独奏曲。邦人作曲家である佐藤聡明氏の作品が目を引くが、イギリスでは有名なのだろうか。続くバーバラ・トンプソンの「Rhythm in Gods」は、6楽章から成る大作。「神のリズム」と題されているだけあって、荘厳な雰囲気から、自然の音をそのまま表現したようなサウンドの楽章まで、そして最後は民族音楽を模したペンタトニックのモードと舞曲のリズム!
このアルバムの神髄は、あるいはその後の4曲にあるかもしれない。「the quiet zone...」と題されたセクションで、パット・メセニーやボブ・ミンツァー、そして自作に至るまでを、美しいサウンドとフレージングで奏でている。音数は多くないのに、不思議と耳が惹きこまれてしまう。
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