Internet Archiveの版権が切れたメディアを公開しているコーナーに、Paul de Villeの「Universal method for the saxophone」がアップロードされていた。PDFファイルで全322ページ、基本的な知識から、技術的なエチュード、練習曲までをも網羅した、サクソフォンのための大メソードである。
ここのリンクから辿ってダウンロードできる。
内容としては、メカニカルな練習譜例がほとんどなのだが、ざっと目を通すうちに、最終部に付け加えられた練習曲が私の興味を引いた。編曲者として名を連ねていたのは、アメリカにおけるクラシカルサクソフォンの祖とも言える、あのエドゥアルド・ルフェーブル Eduard A. Léfèbreだったのだ。
フランス人の両親を持ち、オランダで生まれ、のちにアメリカに渡ったるフェーブルは、ギルモア・バンドやスーザ・バンドに所属していた奏者。当時としては類まれなテクニックと音楽性を有し、アメリカにおけるサクソフォンに認知に一役かったとされている。楽器製作者のBuscherと組んで、メイド・イン・アメリカのサクソフォン製作に携わったことでも有名だろう。
このエチュードに見られる楽曲は、著名なクラシックのメロディを参考にしたヴィルトゥオーゾスタイルの独奏曲。おそらくルフェーブル自身もレパートリーとしていたものだったのだろう。はるか昔に思いを馳せて、彼の見事なテクニックを想像することができる。
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