JacobTV(ヤコブ=テル・フェルドハウス Jacob ter Veldhuis)の作品「The Garden of Love」の基となっている、ウィリアム・ブレイクの詩について調べてみた。
ティエス・メレマの演奏動画:
原文:
I went to the Garden of Love,
And saw what I never had seen:
A Chapel was built in the midst,
Where I used to play on the green.
And the gates of this Chapel were shut,
And "Thou shalt not" writ over the door;
So I turn'd to the Garden of Love,
That so many sweet flowers bore,
And I saw it was filled with graves,
And tomb-stones where flowers should be:
And Priests in black gowns were walking their rounds,
And binding with briars my joys & desires.
邦訳(長尾高弘訳):
愛の園に入っていくと、
決して見たことのないものがあった。
かつて遊んでいた緑のまんなかに、
教会が建てられていたのだ。
教会の門は閉じられており、
扉にはするなと書かれていた。
そこで私はとてもすてきな花が、
たくさん咲いていた愛の園に向かった。
そこは墓で覆われていた。
花が咲いているはずのところに墓石が立っていた。
そして、黒衣の僧がそれぞれの持ち場を歩きまわり、
私の歓びと望みを次々に茨で縛っていった。
邦訳(壺齋散人訳):
心はずませ 愛の園に出かけてみたら
見たことのない光景に出会った
いつも遊んでた広場の上には
教会の建物が建っていたんだ
教会の門は閉じられていて
立ち入り禁止と書いてあるんだ
仕方なく花壇のほうへ引き返し
すずしい木陰を探そうとしたら
そこは墓地に変わっていたんだ
花のかわりに 墓石が並び
牧師たちが 見張りをしている
僕は茨で縛られたように 悲しい気持になったんだ
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しっくりこなかったので、自分で訳してみた→こちら
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ウィリアム・ブレイクは、1757年生まれのイギリスの詩人。詩集「無垢と経験のうた The Songs of Innocence and of Experience」が有名であり、この「愛の園 The Garden of Love」もその詩集に含まれているものである。内容としては、伝統的なキリスト教の批判、というところだろうか。人々が直接神と向き合うことのできる「愛の園」が、権力を濫用する教会によって、踏みにじられているという内容のようだ。私は、あまりキリスト教のことは判らないが、ブレイクの怒りと悲しみを感じることができた。
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