邦人作品の中で、好きなサクソフォン四重奏曲三選。
伊藤康英「四重奏曲第2番」
1990年作曲、1991年にトルヴェール・クヮルテットにより初演。サクソフォンが持つ音程の未完成さを利用し、非常にヴァリエーション豊かな音程感、伊藤康英先生ならではの音列の駆使・響きの厚さが垣間見える。Thunderさんが、The SAX誌上の「私の選ぶサックスカルテット名曲ベスト5」に挙げている。サクソフォーン・フェスティバルでの再演に合わせて、2009年に改訂、改訂版はクローバーSQにより演奏された。
上野耕路「N.R.の肖像」
上野耕路氏が幼少の頃より親しんだ、フェデリコ・フェリーニ作品、そしてニーノ・ロータの音楽を、氏独自の解釈で再構成した4楽章から成る作品。フェデリコ・フェリーニ監督の最高傑作「8 1/2(はっかにぶんのいち)」を核として、ニーノ・ロータの音楽が、時にグロテスクに、時に美しくコラージュされる。アルモ・サクソフォン・カルテットが初演。
平部やよい「倖せヲ呼ぶ嶌」
東京サクソフォンアンサンブルの一夜限りの再結成のために、委嘱・作曲。2014年に初演された。「沖縄音階を取り入れ、クラシックとJAZZのテイストをミックスした…(作曲者談)」の言葉通り、多彩な要素が織り込まれ、奏者に幅広い表現力を要求する。
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