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東京を中心に活動するサクソフォンのラージアンサンブル団体でも、充実した活動をしている団体のひとつである、サクソフォーノ・ロッソ、その第10回となる演奏会に伺った。
【Saxofono Rosso 10th Anniversary】
出演:Saxofono Rosso、遠藤朱美、西尾貴浩、上野耕平、野村亮太
日時:2015年1月24日 12:30開場 13:00開演
会場:横浜みなとみらいホール・小ホール
プログラム:
名田綾子 - 四重奏曲
J.リュエフ - 四重奏のためのコンセールより第1&6楽章
A.ドヴォルザーク - 弦楽四重奏曲第12番"アメリカ"より第1楽章
G.ラクール - 四重奏曲
J.イベール/J.M.ロンデックス - コンチェルティーノ・ダ・カメラ(独奏:上野耕平)
高昌帥 - Rosso(委嘱作品・初演)
G.ガーシュウィン/ミ・ベモル&中村均一&野村亮太 - ラプソディ・イン・ブルー
G.ガーシュウィン - アイ・ガット・リズム(アンコール)
最初はアンサンブルステージ。1曲目は間に合わなかったのだが、その後の3曲を通して聴いた。相変わらずの、アンサンブルであっても揺るぎない地力の高さに驚く。普段の活動として、ソロ曲を吹いちゃう方も多いはずであるから、当たり前といえば当たり前なのだが、キラリと光る演奏をする方が多く、ぐっと惹き込まれる。選曲としてもすごいものばかりで、プロの演奏会でもなかなかこうはならないぞ、というほどのもの。みなとみらい・小ホールの芳醇な響きは、相変わらず素晴らしい。小編成であっても(もちろん奏者の力量に起因するところもあると思うのだが)豊かな響きがホールを満たす。
第二部は、上野耕平氏を独奏に迎えてのイベール。全員乗り、まさかの30人弱編成での演奏ということで、驚いた。すなわち、ロンデックス氏が想定しているのは、たしか1パート1人のはずだが、この滅茶苦茶難しいバックのパートを、全員が吹けるというその事実に驚いたのだ。ということで、どうなるものかとドキドキしながら聴き始めたのだが、そのバックも見事な演奏だった!上野耕平氏のソロは、これはもう説明するまでもなく見事なもので、会場が大いに湧いた。以前から時折、書いているように、いかなる走句であっても音楽的な裏付けが隅々まであるところが、上野耕平氏の演奏の魅力だ(と私は思っているのだ)が、それを今回も存分に堪能した。
第三部は、委嘱作品から。2部構成の、およそ緩・急といった構成の作品。厚みのある響きを多用するなど、サクソフォン・オーケストラならではの、同属楽器の利点を多用する筆致が散見された。また、後半はシンコペーションの再演されるべき作品だと思うが、出版予定などあるのかなあ。ちなみに、テーマの4音は、私は伊藤康英「ツヴァイザムカイト」「サクソフォン協奏曲」あたりを想起したのだが、同じ考えの方おられませんかね笑(実際の音は違うのだが、音運び的に、という意味で)。「ラプソディ・イン・ブルー」は、祝祭的な雰囲気がホールを満たし、客席側の反応も上々である。西尾さんの熱い指揮に導かれるように、様々な音が飛び出し、一気に聴いてしまった。いろいろなアイディアをミックスした編曲だったが、それぞれの編曲者の思惑が透けて見えるようで、そんなところも楽しく聴いた。
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