2014/12/31

斎藤高順氏のこと少し

必要があって作曲家の斎藤高順(さいとうたかのぶ)(1924 - 2004)氏について調べていた。一般的には、行進曲「ブルーインパルス」の作曲家として、また、サクソフォン的な切り口からは、日本で初めてサクソフォン四重奏曲を書いた作曲家として有名である。

私が斎藤氏について持っていたイメージはその程度だったのだが、調べてみたところ、小津安二郎監督の映画作品の作曲家としても活躍したそうだ。あの名作「東京物語」の音楽も手がけたそうで。この事実は、私にとってちょっとした「へえ」であった。これをきっかけに「東京物語」を観たのだが、原節子演じる紀子が尾道から出てきた義理の両親を東京案内するシーンで流れるポップな音楽が、いかにもサクソフォンが含まれていてもおかしくなさそうな、そんな雰囲気なのであった(実際にサクソフォンが「東京物語」のBGMに含まれている、ということではない)。

フランスもそうだが、映画音楽に関わった作曲家が、サクソフォン作品の作曲に関わるケースって、結構多い気がする。もしくは、この時代、サクソフォン作品を作るほどの作曲家は映画音楽を定常的に手がけていた、ということなのだろうか。

ちなみに、斎藤氏自身がサクソフォンに興味を持ったきっかけは明らかで、東京音楽学校在籍中に軍楽隊へと徴兵された際、意図せずではあるがサクソフォンを担当させられた、という経歴による(同じくサクソフォンを担当した同期に、作曲家の芥川也寸志もいる)。

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