今回のビジネスクラスサクソフォンアンサンブル(以下BCSE)の演奏会、コンセプトは"Dance"。なんとゲストに、アマキオトというダンスのグループを迎え、櫛田作品で共演するというアイディアを実現してしまったというから、驚いた!
【Business Class Saxophone Ensemble Concert】
出演:Business Class Saxophone Ensemble、アマキオト(dance)
日時:2014年12月6日(土曜)15:00開演
会場:小松川さくらホール
プログラム:
A.ピアソラ/黒川圭一 - ブエノスアイレスの春
T.エスケシュ - タンゴ・ヴィルトゥオーゾ
M.ラヴェル - 亡き王女のためのパヴァーヌ
B.バルトーク/黒川圭一 - ルーマニア民族舞曲
櫛田胅之扶 - 万葉
R.シュトラウス/宇田川不二夫 - 楽劇「サロメ」より7つのヴェールの踊り
S.プロコフィエフ/宇田川不二夫 - バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より
M.ラヴェル - ボレロ(アンコール)
小松川さくらホールは、第2回&第3回のサクソフォン交流会で使用したため、打ち合わせを含めれば5回目くらいの訪問となる。ちょっと駅から遠いのが難点だが、音響は意外なほどに良いのだ。
前半は、4重奏~6重奏での演奏。ダンスをテーマにしたコンサートで、ラヴェルのパヴァーヌとは意表を突く選曲だったが、ラヴェル自身の言によればこの曲は「昔、スペインの宮廷で小さな王女が踊ったようなパヴァーヌ」とのことだから、ぴったりだ。各メンバーの地力の高さはさすがで(ピアソラやエスケシュは、音符がかなり細かいが、見事に切り抜けていた)、その中でも特にやはりいつもながら凄いなあと思う部分は、音色が美しいことである。
後半1曲目で、BCSEの4重奏と、ダンスグループ・アマキオトとの共演。どのような経緯でこのグループとのコラボレーションが実現したのかはわからないが、面白い効果を出していた。なんとなくダンスにはストーリーがあったように見え、それは「万葉」の各楽章に添えられた短歌とは関係は独立した内容と思われた。どういった着想を経てあのダンスの振り付けがなされたのか、興味あるところだ。最後に2曲置かれた8重奏は、さすが、である。特に、シュトラウス作品の演奏に感銘を受けた。難易度の高いスコアをうまくまとめており、かなり前から8重奏に積極的に取り組んできたBCSEならではの演奏だ、と思ったのだった。
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