【管弦打コンチェルトの夕べ】
出演:蓮實志帆(mrb)、齊藤健太(sax)、笠原日向(tp)、武田杏奈(vn)、秋山和慶指揮洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団
日時:2014年10月21日(火曜)18:30開演
会場:洗足学園・前田ホール
プログラム:
安倍圭子 - プリズム・ラプソディ
H.トマジ - サクソフォン協奏曲
R.プラネル - トランペット協奏曲
B.バルトーク - ヴァイオリン協奏曲第2番
サクソフォンの齊藤さんにご案内いただき、伺った。齊藤さんにはチケットもご用意いただくなど、この場を借りて改めて御礼申し上げる次第。後ろに予定があったため、残念ながら前半しか聴けなかったのだが、充実した時間を過ごすことができた。
まずはマリンバで「プリズム・ラプソディ」この作品は初めて聴いたのだが、日本的な美しさと最終部に向けての構成感がよくわかる。後半ではどんな真っ黒な楽譜なんだ…というほどの怒涛のフレーズの連続で、否応なしに引き込まれてしまう。ソリストも、それをものともせずバッタバッタとフレーズを切り捌いていくのだった。また、マリンバの、楽器としての完成度の高さを強く感じた。正確性・表現力ともに、ピアノにも肉薄しつつあるのではないか。そういえば、マリンバでマレット6本持ちというのは初めて見たな…けっこう一般的な奏法なのだろうか。
続いてトマジ。齊藤さんの演奏は、実にしっかりとした「正格」なものだ。奇をてらわず、正攻法で真正面からこの壮大な楽曲にぶつかっていく様子に、大変好感がもてた。もちろん、技術的に完全であることは言わずもがな。トマジのオーケストラは三管編成で、ともすれば爆発して終わり、という演奏も聴いたことがあるのだが、秋山氏の手腕か、ニューフィルハーモニックの地力の高さのせいか、かなりスッキリとまとまった演奏が新鮮。そのオーケストラに、理想的なバランスで絡むサクソフォンが心地よく、良い聴後感を得ることができた。見事なアンサンブル力と美しい響きで、徹頭徹尾隙なく作り込まれた音楽に興奮させられた。
ここで休憩となり、私はこの後練習の予定があったのでここで失礼した。
サクソフォンに限らないと思うのだが、今の若い方って本当に上手いなあ。私が大学に在籍していたのが10年ほど前で、その頃も同世代の音大生の演奏を聴く機会は何度かあったのだが、やはりこの10年での進化というものは大きいと感じ入るのだった。力で押してねぎらいの拍手をもらうのではなく、きちんとした演奏をして"プロフェッショナルの域を目指す"という気概を、両ソリストから感じることができた。また、演奏のある部分はすでにそういった領域にも到達しているのではないかとも感じた。
後半も聴きたかったなー。
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