2013年8月22日、ジョン・アダムズ John Adamsの「サクソフォン協奏曲 Saxophone Concerto」が作曲家自身の指揮、シドニー交響楽団、ティモシー・マカリスター Timothy McAllister氏の独奏によりオーストラリアで世界初演を迎える。
そもそもこの作品の制作のキッカケは、グスターヴォ・ドゥダメル氏のロサンジェルス・フィルハーモニック音楽監督就任記念演奏会にて初演されたアダムズ「シティ・ノワール City Noir」の演奏だと言われている。本作品のアルト・サクソフォンパートとして招かれていたマカリスター氏の、あまりに鮮烈なプレイ(初めてその映像を観た時は飛び上がった。ベクトルこそ違うが、オーケストラの中のサクソフォン演奏としては、ダニエル・デファイエ氏がミヨー「世界の創造」に参加したバーンスタイン指揮フランス国立管弦楽団の録音にすら匹敵すると、個人的には思っているくらいだ)に感銘を受けたことがキッカケとなってスケッチを書き始めたそうだ。
同曲のサクソフォンパートは至難!クラシカルなテクニックはもちろん、かなりファンキーな作品の性格にも沿った演奏が求められ、マカリスター氏以外にこのサクソフォンパートを吹ける奏者が果たして他に何人いるか、と思ってしまったほど。そんな演奏にインスピレーションを受けて書き始められたサクソフォン協奏曲ということは、きっと凄いものになるに違いない!と、前々から注目していたのだ。
そんな折、ノースウェスタン大学のページに同曲に関するまとまった情報が掲載された。掲載されていた情報から、重要なものをピックアップ。
2013年8月22日、23日に初演。マカリスター氏は、2013年9月20日、バルティモア交響楽団との演奏でアメリカ初演、続いて21日、22日も演奏を行う。10月5日と6日にはセントルイス交響楽団とも演奏を行う。10月5日の演奏会は、 www.stlpublicradio.orgにて中継予定となる。また、10月には、セントルイス交響楽団とともに引き続きNonesuchレーベルへの「サクソフォン協奏曲」「シティ・ノワール」のレコーディングも予定されており、こちらも楽しみだ。2014年8月14日から16日には、サンパウロ交響楽団とともにブラジルでの演奏が予定されている。
曲についても若干ながら触れられており、サクソフォンが持つ叙情性・機動性の両面を引き出したような作品(だいぶ意訳だが)とのこと。サクソフォンの特殊奏法についても、重音、アルティシモ音域、スラップなどが、使われているそうだ。演奏時間は32分に及ぶ。マカリスター氏のコメントとして、「おそらく、同世代におけるサクソフォンのための最も重要な作品である」とも書かれており、いよいよ楽しみになってきた。
「シティ・ノワール」初演の録画は、以前公式のハイライト動画を観ることができたのだが、公開終了してしまった。もし観たことない方で気になる方は、ぜひDVD(リージョンフリーの輸入盤が安い)をお買い求め下さい(ぜったい後悔しないと思う)。
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