2013/08/18

李源冀サクソフォンコンサート@ヤマハ池袋

今日はいろいろなところで催しが重なったようだが、午前中TSQ練習の後にぴったりと予定が合い、伺うことができた。昨年アクタスでお会いして以来、未だライヴでは音を聴いたことがなかったのだが、素晴らしい演奏だった。

【李源冀サクソフォンコンサート】
出演:李源冀 Lee Wonki(sax)、羽石道代(pf)
日時:2013年8月18日(日)14:00開演
会場:ヤマハミュージック池袋店
プログラム:
D.べダール - ファンタジー
P.ヒンデミット - ソナタ
E.ボザ - プルチネッラ
R.ブートリー - ディヴェルティメント
J.イベール - 黄金時代~バレエ音楽「放浪の騎士」より(アンコール)

池袋店への訪問は、以前カスタネットを購入のために来て以来2回目。てっきりホールのようなものがお店あると思っていたのだが、そうではなく、入り口すぐ左手の一段高いステージにピアノが据え付けられており、1階のフロアを使っての演奏。しかし音響はなかなか良い。

べダールから美しく輝かしい音で魅せる。テクニックも申し分なく、歌心もある。かつては波多江先生について学び、今はマンハッタン音楽院において研鑽を積まれているとのことだが、日本・フランス・アメリカといったインターナショナルな視野を持ちながら最良の部分を選び出し、他でもない李さん自身の音楽としてプレゼンテーションする能力があるのだな、と感じた。

ヒンデミットは、ちょっと聴いたことのない音。木製の楽器でも操っているかのような奥ゆかしさを感じる。"ヒンデミット研究家"ことピアノの羽石さんともども素晴らしい演奏を繰り広げ、ライヴで聴いてこの曲が"腑に落ちた"のは初めてだったかもしれない。セッティングによるものかとも思ったのだが、不思議なことに普通の170に3半というから驚き。かと思えば「プルチネッラ」では小回りの効く音色へと変化。唸ってしまった。ブートリーも佳演だった。第1楽章の盛り上がりの部分など筆舌に尽くしがたい(Crestレーベルのあの演奏を思い出してしまったほど…とは褒めすぎかなあ)。

それにしてもこの選曲!楽器店でのミニコンサートにしては、ヘヴィというか媚びないというか…李さんの哲学があるのかな。今回は45分という短い時間ではあったが、ぜひいつかフル・リサイタルを聴いてみたいものだ。プログラム冊子も興味深かった。通りすがりの方が読むには少し難しすぎる?かもしれないが、私なんかはとても面白く読めた。ヒンデミット「ソナタ」付随の詩は、なんと李さんによる翻訳であった!

終演後、昨日のサクソフォーン発表会(そちらには伺えなかったのだが)にて演奏を終えたばかりの京青さんを発見。池袋駅までの途上、お喋りに花が咲いた。

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