2013/07/21

水晶の籠(サクソフォーン・カルテット・アテナ)

発売はだいぶ前となるが、おなじみ"アテナ"のファーストアルバム「水晶の籠」をようやく聴くことができた。素晴らしかったあのファーストリサイタル@トッパンホールから、もう1年以上が経っているのか。いろいろな場所での演奏機会はあるようだが、ぜひ再びまとまった形でセカンドリサイタルを聴きたいところ。とはいえ、このCDがあれば次のリサイタルまでは存分に楽しめそうだ(笑)。

「水晶の籠(Meister Music MM-2148)」
塩安麻衣子(ssax)、江川良子(asax)、冨岡祐子(tsax)、平賀美樹(bsax)
D.スカルラッティ - ソナタより
J.イベール - 物語より
I.ゴトコフスキー - 四重奏曲
O.レスピーギ - リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲より第1楽章

まずは、原調にこだわったスカルラッティ、アルバムタイトルにもなっているイベールを聴く。スカルラッティを原調にしたときの変わり具合に、リサイタルのときにも驚いたことを思い出す(プログラム冒頭から花が開くようなイメージ)。そして、とても印象深かったのはイベール。涼しく爽やかで、サクソフォンが本来持つ俗的な要素を削ぎ落したような、ちょっとこれまで聴いたことのないような内容だった。何がそうさせているのかは、すぐに判断をつけることができない。

ゴトコフスキーは名録音となった。SIMAXに吹きこまれているSaxfon Conccentusの録音とタメを張るほどのものではないかな。ダイナミクス的に若干平坦に聴こえるのは、これはCD制作側の趣味かな?とはいえ、徹頭徹尾、高い技術力と美しい音色で魅せており、やはりこれもリサイタルの時の素晴らしい印象を再び想起させる。緩徐楽章では、何か特別なことをやっている風ではないのに、不思議と充実した響きが拡がる。海外では先に挙げたSaxofon ConcentusやQuatuor Diastemaの録音が聴かれていることと思うが、ぜひこの録音もワールドワイドに聴かれるようになってほしいものだ。

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