2012/04/09

リヴィエール「変奏曲」

はやぶさ四重奏団、伺えず…うーむ。やはり平日は難しい。残念。

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ということで、ジャン=ピエール・リヴィエール Jean Pierre Rivièreの「変奏曲 Variations」を聴いている。本日のはやぶさ四重奏団の演奏会で演奏されたはずの作品で、サクソフォン四重奏の世界ではあまり有名な作品ではないが、隠れた名曲の1つとして数えられるに足りる作品であろう。演奏はキャトル・ロゾー。

作曲者のリヴィエールは、1929年生まれのフランスの作曲家。パリ音楽院にて和声学をジャン・ガロンとアンリ・シャランに、対位法とフーガをノエル・ガロンに、伴奏楽を名教師ナディア・ブーランジェに、作曲をトニー・オーバンに、音楽分析をオリヴィエ・メシアンに、音楽教育学をアレクシ・ローラン・マニュエルに、音楽史をノルベール・デュフォーに、指揮法をルイ・フレスティエに、それぞれ師事した。和声学、フーガ、作曲では、一等賞を得て卒業している。1957年には、ローマ大賞を受賞。1956年から57年までは、マドリッドのCasa de Velazquezに遊学し、「Sorcières du Pré au Bouc」を完成させた。フランスに戻り、1959年から60年まではボルドー音楽院で教えた。1967年から68年には、フランソワ・ベルニエに招かれ、ケベック音楽院で教鞭を執っている。1980年にはナンシー音楽院の教授となり、1992年までその地で教育活動に専念した。1983年から84年まではMacon音楽院で、1989年から90年まではHaute-Saone音楽院で教えている。1992年、心臓病を患ってからは作曲活動から手を引き、1995年にはモンペリエにて心臓発作のため亡くなった。

サクソフォンへの興味は、ナディア・ブーランジェに師事していた、ということから説明がつく。1956年に作曲したこの「変奏曲」のほかに、1978年に作曲されたアルトサクソフォンのための「コンチェルティーノ」、そして1982年にダニエル・デファイエ四重奏団に捧げられた「Paralleles」の3つの作品がある。「Paralleles」が完成した1982年という時期は、上に書いたとおりナンシー音楽院にいた、ということで、これはジャン・ルデューとの交流によるものだろう。

「変奏曲」は全部で5つの楽章からなり、一見するとかなりテクニカルに書き付けられた譜面。先の読めない展開は、通常の変奏曲とは一線を画している。サクソフォン的な見せ場も随所に存在し、特に第5楽章の、まるでジェットコースターのような強烈な変奏は、主題の形すらふと忘れてしまいそうになるほどの破天荒ぶりである。

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