2011/03/02

大西智氏さんのリサイタル

今日は東邦音楽大学の演奏会に伺った。こちらの感想は明日に回し、まずは昨日のことについて。

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昨日は大西智氏さんの演奏会のお手伝いに伺った。午後2時過ぎには会場入りして、リハーサルを拝聴。デニゾフ、ヴィラ=ロボスなど聴き、さらに続いてヴァイオリンとサクソフォンとピアノのリハーサルなどを聴いた。現代作品が多いが、サクソフォンの音色が美しいせいでストレスは感じない。また、トリオ編成は三人それぞれに見事な音楽を奏でていた。ピアノとの合わせでは大西さんは若干ナーバスな感じだったが、トリオではかなり吹っ切れていたような。ヴァイオリンの中村ゆか里さん、ピアノの成田良子さんも、素晴らしいプレイヤーだ。

リハーサル後、インタビューの予行演習。何となく長かったのでいろいろとカット。しかし、こんな素敵な音楽に、自分なんかが(インタビュアーとはいえ)くっついて良かったのかしらん。…その後開演まではフラフラと過ごす。大西さんのご家族お手製の、楽屋に置いてあったおにぎりやお菓子が美味!また、裏方の手伝いで小川卓朗さんと松下洋さんがいらっしゃっていたので先日の洗足卒試(首席松下さん、次席小川さんだったそうな)の映像など見せてもらっていた。

【大西智氏サクソフォンリサイタル】
出演:大西智氏(sax)、中村ゆか里(vn)、成田良子(pf)
日時:2011年3月1日(火曜)19:00開演
会場:大泉学園ゆめりあホール
プログラム:
E.デニゾフ - ソナタ
S.ローロフ - リット・リズム
H.ヴィラ=ロボス - ファンタジア
棚田文則 - ミステリアス・モーニングIII
I.ゴトコフスキー - トリオ
J.C.アンリ - リード、弓、ハンマー

前半は客席で。やはりフランスで学ばれたということもあり、音色や発音のコントロールはちょっと日本人ばなれしている。サクソフォンを学ぶために留学して獲得するスタイルにはいろいろとあると思うのだが、大西さんはかなり大きい割合でフランスの風を持ち帰ってきているようだ。デニゾフの第二楽章などは非常に良い方向に働いているように感じた。

ローロフは、個人的には前半一番のヒット。ちょっと聴いただけでは想像がつかない無伴奏サクソフォンのためのスコアだが、外見は明らかにロックである。構成感がいいよなあ。クライマックスでここぞとばかりに使われる打撃音も楽しい感じ。大西さんの演奏も、なかなかキレているような印象で、とても聴き応えがあるものだった。こういう内面を掘り下げた演奏が好きだ。そういう意味では、ヴィラ=ロボスはちょっと自分の好みではなかったかな。普段から、もっとガツガツしたリズミカルな演奏を聴いているせいかも。

第一部最後は、「ミステリアス・モーニングIII」を即興ダンスとの共演で。なんだかダンスにばかり目がいってしまって、後半はあまり演奏を聴いている余裕がなかったのだが、そう、その白井さんのダンスの凄かったこと!暗闇のなか客席後方から登場するや、驚異的な身体コントロールとともに会場を縦横無尽に駆けまわる。クラシック・バレエのバックグラウンドを持つ方であり、時に信じられないような動きも交えながらフィニッシュ。いやあ、凄かった。身体コントロールの難しさという点では「ミステリアス・モーニングIII」とも通じる部分があって、この共演はとても互いにマッチしていると感じた。

後半は舞台裏に引っ込んでおり、まともに聴けていないため感想は書けないが、やはりゴトコフスキーの「トリオ」が強い印象を残したようだ。いかにも、というゴトコフスキー節を、畳み掛けるように聴かせる20分は、非日常の最たるものだろう。大西さん、成田さんはもちろんだが、やはりというかヴァイオリンの中村さんが驚異的な演奏をするのですよ。三つの元素から成る化学反応により、いやはや実に素晴らしいパフォーマンスが展開された。アンリ「リード、弓、ハンマー」は、ほとんど日本初演ではないかと思えるが、こちらも集中力の高い名演だった。

アンリの後にステージ上に出ていってインタビュー(たぶんなんとかなった)。続いてアンコールは、イベールの「二つの間奏曲」から第一楽章を、再びダンスと一緒に。

終演後、出演者の皆さんで撮った写真がこれ。みなさん、いい笑顔だなあ。打ち上げもご一緒させていただいた。こちらも大変楽しかった!最後は終電を逃し「最寄り駅」から徒歩25分の後になんとか帰宅できた(苦笑)。

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