クリスチャン・ロバの「Masai」という作品の演奏動画をYouTube上で発見した。アルトサクソフォンとバスクラリネットのためのデュエットで、知らない作品だった。それもそのはず、ロンデックスの2003年版目録を探したところ、リストされていなかった…つまり、比較的新しい作品だということだ。ロンデックスの目録にも数多くのロバの作品が紹介されているが、その後も順調にサクソフォンのための作品はその数を増やしていることが伺える。
クリスチャン・ロバの作品は、どれもが傑作である。われわれ、サクソフォンに取り組む向きとしては、良いレパートリーが増えることは大いに歓迎すべきであろう。
「Masai」の冒頭は、不意をつかれて日本的な響きから始まる。なんのことはない、ペンタトニックのを利用した"ごくごくありがちな"音世界であり、清水靖晃の「ペンタトニカ」でも聴いているような気分になるが、曲が進むにつれて短い即興的な走句や重音が出てくるのは、これこそロバ節!といったところだろう。また、曲全体が思わず踊りだしてしまいそうな愉悦感に溢れている。…ところで、中間部の不思議な動きは何なのだろうか(そういう楽譜の追い方をするように指定されているのかな?)。
演奏者は、タイのWisuwat Pruksavanich氏。以前、ドリーム・シアターの「Instrumedley」をサクソフォンで演奏した、という動画を紹介した。Pruksavanich氏は、特に現代作品への積極的な取り組みを行っているようだ。バスクラリネットは、Christhatai Paksama氏、とのこと。
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