今日は、昨日伺った演奏会について感想を書こう。
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ということで、佐藤淳一さんからご案内いただいて伺った。さすがに平日18:30開演は間に合わず、一曲目をロビーにて聴き、二曲目から聴いた。あまり意識したことがなかったのだが、文京シビックホールってあんな場所にあるのですね。後楽園という駅で降りたのも初めて、もちろん文京シビックホール(小ホールではあるが)も初めて。フラットな空間に、後方から電動可動式の客席が出てくる仕組みのようだ。
【東邦音楽大学サクソフォーンアンサンブル第21回定期演奏会】
出演:東邦音楽大学サクソフォーン専攻生、佐藤淳一(以上sax)、佐々木雄二(cond)
日時:2011年3月2日(水)18:30開場
会場:文京シビックホール・小ホール
プログラム:
O.レスピーギ - リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲
E.グリーグ - 組曲「ホルベアの時代から」
A.K.グラズノフ - 四重奏曲作品109
A.K.グラズノフ/J.M.ロンデックス - サクソフォン協奏曲(独奏:佐藤淳一、ベーレンライター版日本初演)
P.I.チャイコフスキー - くるみ割り人形
~アンコール~
P.マスカーニ - カヴァレリア・ルスティカーナ
前半のグリーグとグラズノフは、それなりに思い切った表現などもあって若々しさが感じられたが、音符が落ちたり音程がぶっ飛んでいたりで、ちょっと感想は書けない(ごめんなさい)。大学によって、かなりレベル差があるのかなあ、などとも感じてしまった。
休憩時間もなんとなくあまりよい気持ちで過ごせなかったのだが、後半は一転、ちょっと驚いてしまった。別人のような完成度の高さ。また、指揮の佐々木雄二氏のダイナミックな煽りや、佐藤淳一さんの見事な演奏に触発されるように・共感するように、音楽が見事に立ち上がった。グラズノフのバックに聴かれる短いソロも、きちんと演奏されている。
さて、そんな強力なバックを得た佐藤淳一さん。そういえば佐藤さんのロマン派の演奏をきちんと聴くのは初めてかもしれない…のだが、素晴らしかった。音の輝きはやはりサクソフォンオーケストラパートとは数段違う(当たり前か)。各々のフレーズは、自然に沸き上がってくる部分と、明確な論理に裏付けられた部分を、調度よい割合で混合しているように思える。佐藤淳一さん自作のカデンツァも演奏され、後半からはこれでもかというくらい煽る煽る。すごかった。
最後は、「くるみ割り人形」。こちらもとても楽しく聴くことができた。「くるみ割り人形」という曲を良いなと思ったのは、もしかしたら今回が初めてだったかもしれない。今回は東邦音楽大学のオリジナル編曲だったようだが、曲ごとに見せる多彩な表情の変化を感じ取ることができた。こちらでの佐々木雄二氏の指揮も、目一杯の表現を全身で表現するようなもので、実に面白い。なにはともあれ、指揮者と演奏者のお互いの共感は、聴き手にも充実感を与えるものだ。
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