2010/10/14

Simple Gifts

サクソフォン奏者のフレデリック・ヘムケ Frederick Hemke氏が、無事来日されたようだ。フルブライト財団のサポートを得ながらおよそ2週間国内に滞在し、マスタークラスや演奏などを行う。どうやら、今月18日の国立音楽大学のサクソフォン科定期演奏会でも演奏が聴けそうで、楽しみだ。10/25の石森管楽器でのマスタークラスも行ければ行きたいが、こちらはやや難しいかも。

さて、そのヘムケ氏のCDを紹介しておきたい。なんとサクソフォンとオルガンの共演盤で、はっきりとした情報が判らないのだが、おそらく2001年ころの録音だと思われる。出版は少し遅れて、2006年ころ。マイナーレーベルからの出版であり、入手はやや難しいのだが、Amazon.com等から購入できる。

「Simple Gifts(EnF Records 7005)」
Traditional / Frederick Hemke - Simple Gifts I
Frank Ferko - Nebulae
Pamela Decker - Elegy and Dances
Traditional / Frederick Hemke - Three Russian Folk Songs
Traditional / Frederick Hemke - Simple Gifts II
Alan Stout - Suite
Michael Johanson - Memento
Misha Zupko - The Seventh Seal
Timothy Broege - Musette-Chaconne-Forlorn-Time's Telling True
Richard Proulx - Fantasy on "Veni Creator Spiritus"
Kirk O'Riordan - Cathedral
Traditional / Frederick Hemke - Two Norwegian Folk Songs
Traditional / Frederick Hemke - Simple Gifts III

CDを再生してただただ驚くのは、その圧倒的な音色の存在感。「セルマーを鳴らしきっている音」と単純に書いてしまってもその印象は伝わるかもしれない。超高密度の輝かしい音色。どんな強音・弱音であろうと、いかなる場所にも隙間が見当たらない。ジャケットでヘムケ氏が携えている楽器にくっついているのはメタルの(おそらくジャズモデルの)マウスピースなのだが、このCDでも同じマウスピースを吹いているのかな?

ジャケット表紙の印象そのままの、気高く崇高な音楽である。"気高く崇高"とは言っても高飛車な感じではなくて、聴き手を抱擁するような優しさをも感じさせる。表題にもなっている「Simple Gifts」など、まるで歌手がさりげなく歌うような暖かさに満ちているし、かと思えば続く「Nebulae」ではオルガンの大音響と対等に渡り合うような存在感を示す。レコーディング時に、ヘムケ氏はおそらく65歳を超えていたはずだが…驚くばかりだ。

いくつかの作品は、実質的にこのCDのために書かれた新作といって良いものだが、それよりも、CDレコーディング時点までに既に作曲されていた作品が多いことにびっくりした。サクソフォンとオルガンというと、アンリ・ソーゲの作品くらいしか思い浮かばなかったのだが、意外といろいろあるもんなんですね。

さてさて、このCDを取り出して聴いたのも久々だったが、俄然来週の月曜日が楽しみになってきたぞ!

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