North American Saxophone Allianceの"ロシアのサックス史"に関する論文を読んでいるのだが、帝政ロシアの歴史に間違いがありすぎて、閉口してしまった。書いた人が悪いのか、査読した人が悪いのか…いやはや。
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島根県のF様から頂戴した貴重な音源のご紹介も、これで最後。最後は、ダニエル・デファイエ氏の1982年?の放送用録音で、NHK-FMリサイタルとして録音されたものだ。ピアノは岡崎悦子さん。
P.クレストン - ソナタ
P.M.デュボワ - 性格的小品
L.ロベール - カデンツァ
M.ラヴェル - ハバネラ形式の小品
このあたりのレパートリーは、1980年代以降頻繁に取り上げられたもので、デュボワとロベールに関しては、最後の来日となった1992年のリサイタルでも演奏されている。だが、デファイエ氏がクレストンの「ソナタ」を吹いて録音というのは初めて知った。NHKのFMリサイタルということはほとんど一発録りなのだと思うのだが、非常に高い完成度に驚かされるばかりだ。デファイエはこのとき60歳。その音楽の流れに聴き手を巻き込んでしまうようなパワフルさは、とても全盛期を過ぎたプレイヤーの演奏には聴こえない。ただただ、驚異的だ。
クレストンは、いたってシンプルな演奏ながら説得力は抜群。ミュールの演奏に慣れているせいかヴィブラートは意外と控えめ(かける音がかなり限定されている)で驚くが、音色とフレージングが絶品。隅から隅まで繊細で、第二楽章なんて実に感動的だ。ピアノも恐ろしく上手くて、相乗効果のようなものもあるのだろう。
デュボワは、たしかこの録音は聴いたことがあるぞ。各楽章の描き分けは見事なもので、ガラスのように華奢で壊れそうなしかし美しい音色から、底抜けに明るいオーバーブロウまで、表現力の幅に恐れ入る。ロベールも、これまた想像を絶する録音で、推進力という点ではロンデックスがCrestに吹き込んだ演奏に一歩譲るかもしれないが、おしゃれで、ロベール「カデンツァ」がフランス産の管楽器曲だということを再認識させられる。
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この録音と、ブートリーの「ディヴェルティメント」他のライヴ録音というものも頂戴した。これは、デファイエがCrestレーベルのLPを吹き込んだ頃の録音なのだが、LPで聴けるよりもさらに広大で、かつ狂気じみたテンションのブートリーに、とても感動した。ピアノとのピッチも怪しいし、録音状態もそれほど良いとは言えないのだが、これまた貴重な記録であり、記録を超えた"何か"を聴き手に感じさせる録音だ。
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