すでに頂戴していた2枚だが、今回の復刻完了にともない決定版として送っていただいた(ありがとうございます!)。Crestレーベルに吹き込まれた「Recital Series」と呼ばれる企画物のLPのうちの2枚。ここに復刻された2枚のCD-Rこそが、世界最高"レベル"どころではなく、これは間違いなく世界最高の復刻である。マスターテープは散逸してしまったという話なので、オリジナルを復刻することは不可能なのである。
「Daniel Deffayet Saxophone(Crest RE-7051)」
Daniel Deffayet ダニエル・デファイエ(sax)
Zita Carno ジータ・カルノ(pf.)
曲目:
R.Gallois-Montbrun - Six pieces musicales d'etudes
R.Boutry - Divertimento
C.Pascal - Sonatine
J.Rueff - Sonate seul
「Jean-Marie Londeix(Golden Crest RE-7066)」
Jean-Marie Londeix ジャン=マリー・ロンデックス(sax)
Anne-Marie SCHIELIN アンネ=マリー・シェリン(piano)
曲目:
C.Delvincourt - Croquembouches
A.Desenclos - Prelude, cadence et finale
L.Robert - Cadenza
D.Milhaud - Scaramouche
I.Markovitch - Complainte et danse
単に資料的価値に留まらず、演奏内容も素晴らしいものだ。デファイエとロンデックス、演奏家としての最盛期における、それぞれがそれぞれの十八番を取り上た渾身の一番といった感じで、甲乙付けがたい。現代では、この2枚を両方きちんと聴いたことがないサックス吹きって、けっこう多いんだろうなあ。実にもったいないことだ。サックスをやっているなら、つべこべ言わずにこの2枚を聴かなければ。
それぞれから一曲ずつ取り上げるなら…。
デファイエ演奏のブートリー「ディヴェルティメント」。こちらのページでは、DONAXさんによる「ディヴェルティメント」の描写が読めるが、とにかく考えられないほどの美しいリズムと響きを聴くことができる。一度聴いただけで、頭から離れなくなってしまう音楽だ。他の演奏者による「ディヴェルティメント」とは、雲泥の差だ…。デファイエは、第1回のワールドサクソフォンコングレスでも同曲を取り上げており、満を持してのレコーディングといったところだろう。
ロンデックス演奏のロベール「カデンツァ」。ロンデックスの演奏は、様々なところに残されているが、この演奏はその中でも集中力という点で最高峰に位置するもの。ロンデックスの演奏は、リズム処理が比較的甘いことが多いのだが、このLPの、特に「カデンツァ」での演奏はそんなことを微塵も感じさせない完成度。若さから来る天才的な閃きと、大御所としての風格を獲得しつつある部分が同居した、最高の演奏。
改めて聴いてみたが、やっぱりこの2枚は「サックスのレコード」という枠では、括ることができなさそうだ。
ジャケットの縮小コピーも、一緒に送っていただいた!
2 件のコメント:
初めまして。
アマチュアでこっそりサックスを演奏しております内村と申します。
デファイエ先生の音源探しをしているとこちらにたどり着きました。
デファイエ先生もロンデックス先生もこちらに出ている音源には今まで出会ったことがありません。
いかに自分が勉強不足なのかよくわかりました。
個人的には、ブートリーのティベルティメントが好きで、フルモー先生のCDと、25年くらい前にパリ・ギャルドが来日した際のNHKFMのエアチェックで録音したアンドレ・ブーン先生の音源で聴いております。
しかし、デファイエ先生の録音で残ってるというのは初耳でした。
どうやって入手されたのでしょうか。
私も聴いてみたいです。
よろしければ入手方法などお教えいただけませんでしょうか。
厚かましいお願いで大変申し訳ございませんが、よろしくお願い申し上げます。
> 内村様
初めまして。デファイエ氏の演奏は、LPでCrestレーベルからリリースされていました。発売当時は、日本国内でもそこそこ流通したそうですが、現在では廃盤となっています。
この件については、メールを頂戴できますでしょうか。よろしくお願いします。→kuri_saxo@yahoo.co.jp
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