2009/02/14

刷り込み

曲名を聴いた時にとっさに思い出す演奏って、ほとんどが高校の時に聴いたCDの演奏であることが多い。その頃は手持ちのCDも少なかったし、スタンダードな作品はその頃に聴きまくっていたからだと思う。

面白いな、と思うのは、あとから別のCDを入手してそちらの演奏を「こっちのほうが良いな」と思っても、時間がたつにつれて、再び一度刷り込まれた演奏のほうを聴きたくなる、ということ。

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ピエルネ、デザンクロ、リヴィエ、シュミットの四重奏曲→3枚組のアルバム「サクソフォーンの芸術」でのデファイエQの演奏が完璧に刷り込まれている。たぶん、やろうと思えば最初から最後まで脳内再生できる。

デザンクロ「PCF」→けっこう昔からロンデックスの演奏をMDで持っていて、その録音で覚えた。なんでこの曲だけ持っていたんだろ…。後から好きになった録音も多いが、今だに私の中ではこのロンデックスの演奏がスタンダード。

クレストン「ソナタ」、モーリス「プロヴァンスの風景」、ボザ「カプリス」、バッハ「ソナタ第6番」、ランティエ「ユースカルデュナーク」、イベール「コンチェルティーノ」→ミュールの「La Legende」での演奏が刷り込まれている。例えばクレストンなんか、ユージン・ルソー、林田和之さん、服部吉之先生などの演奏も好きだが、やっぱり戻ってくるのはミュールだ。

パスカル「四重奏曲」、フランセ「小四重奏曲」→トルヴェール・クヮルテット「マルセル・ミュールに捧ぐ」。なんせ、一番最初に買ったサックスのアルバムですから…。本当に、この2曲ばっかり聴いていた。実際、フランセなんてかなり完成度が高いと思う。

リュエフ「四重奏のためのコンセール」→これは、デファイエQでしょう。それまでトルヴェールの演奏でも聴いたはずだが、そちらはあまり印象に残っていない。

ドビュッシー「ラプソディ」→ロンデックスが、マルティノン指揮ORTF。これもかなり聴いた。一年ほど前にデファイエの参加したLPを入手して、そちらも良く聴いているのだが、頭に思い浮かんでくるのはこちら。

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うーん、こうして並べてみると、スタンダードな曲のほとんどをミュール、デファイエ、ロンデックス等の演奏で触れてきたことがわかる。21世紀になってクラシックサックスを聴き始めた人の刷り込みがこんな状態だなんて、ある意味では幸いなことなのかも。kuriの音楽鑑賞脳の半分は、ミュール、デファイエ、ロンデックスでできています、みたいな(笑)。

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