来年の1月に、内輪の発表会でミ・ベモル版のラヴェル「クープランの墓」を演奏する予定がある。私はテナーの1stなのだが、トンでもなく難しい楽譜で、しかもまだあまりさらってなくて、初合わせまでになんとかしなきゃいけないなあと思っている。さらう前に、いちどラージ版のイメージを作っておかなければならないなあと思い(ピアノ版やオケ版、サックス四重奏版くらいは聴いたことがある)、取りまとめ役の"つぼ"さんからミ・ベモルの録音を借りてきた。
C.ドビュッシー - 小組曲
M.ラヴェル - クープランの墓
G.ビゼー - カルメン組曲
M.ラヴェル - ボレロ
20人前後のラージアンサンブルって、そういえばあまり録音を聴いたことがないなあ。ラッシャーオーケストラの録音くらいなら持っているが、何だかあまり良いイメージないし。そうだ、国内の音大とかではよくラージアンサンブルって取り組まれているな。10月くらいには、何度も聴く機会があった。そんなわけで、ラージアンサンブルって興味がない分野で、何気なく「音源」として聴き始めたのだが…。
「ななな、なんだこれは!これが21人のアンサンブル!?まさか!?」と驚嘆したのだ!私がラージアンサンブルに興味がない理由は、四重奏などに比べて精度が低く聴こえてしまい、輪郭がぼやっとしてしまうとかそのあたりにあるのだが、ミ・ベモルのアンサンブルはちょっと方向性が違う。すべての音の発音は、そんじょそこらの四重奏よりもはっきりしているほどで、いままでのラージに対するイメージを払拭するものだった。あー、びっくりした。
なぜだろうと理由を考えたときに、まずはやはり全員が前田昌宏氏門下の同門であることが、大きな理由の一つだろう。そして、おそらくリハーサルにかける量もかなりのものとお見受けする。編成の点で面白いのは、アルトが妙に多いことだが、これも精度の高さに一役かっているのかな?アレンジされた楽譜も、音が薄めで、サクソフォンが持つ響きに頼っていないのが面白い。
あともう一つ思いついたのは、前田氏がリヨン音楽院を卒業しているということ。リヨン音楽院サクソフォン科と言えば、著名なラージアンサンブルを擁することで有名なのだが、もしかしたらそこの音作りにかなりヒントを得ているのではないかと思った。ちょっと良く聴いてみると、特に内声部においてヴィブラートがかなり慎重に使われているようだ。
ミ・ベモルの驚異的な演奏の一端は、このリンク先で観ることができる。
http://homepage.mac.com/mi_bemol/web_theater.html
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