2008/12/22

サクソフォーン・フェスティバル2008一日目

とりあえず、聴けたものだけ書く。とにかく(昨年以上に!)盛りだくさんだったので、聴きたいものが同時にあったりするとどちらかを優先せざるをえなかった。あと、残念なのは、アマチュアステージの演奏を全く聴くことができなかったこと…。

♪山崎憂佳
R.ブートリー「ディヴェルティメント」

ジュニアコンクールの最高位受賞者披露演奏。背の小さな女の子だったが、出てくる音楽は実に堂々としたもの。客席の最後方で聴いていたのだが、ホールを満たす非常に豊かな響きと高水準で安定したテクニックが印象に残った。
昨年の披露演奏を聴いても感じたが、高校生の水準は留まることを知らない。いつの時代かには、高校生で「Mysterious Morning III」とか吹いちゃう人が現れるのかもしれない。いや、もしかしたら、技術的にはそれを可能とする人が、もう現れているのかもしれない。ピアノは原田恭子さん。第一楽章のリズムのぼかしが、絶妙。

♪Ensemble Φ(アンサンブル・ファイ)
啼鵬「Dancing Momonga」
NAOTO/啼鵬「Memories」

今年はTsukuba Saxophone Quartetでは出場しなかったので、自分も乗って演奏した唯一の団体。うーん、とりあえず、手拍子の煽りが拍のズレを招くとは思わなかった(汗)。こんどは去年みたくシリアスな曲もやりたいなあ。

♪フェスティバルオーケストラ with アマチュア愛好家
伊藤康英「ファンファーレ21」
P.マスカーニ/金井宏光「"カヴァレリア・ルスティカーナ"より間奏曲」
R.シュトラウス「ラデツキー行進曲」

これ、去年も乗ったけれど、けっこう楽しい。あれだけの大人数がいっせいに音を出すと、まるでパイプオルガンの中で吹いているような気分にもなるのだ。ステージ上のスポットライトが明るいため、暑さにやられて頭がボーっとした。

♪オットー・ヴォーチ
N.カプースチン「"8つの練習曲"より前奏曲」
H.ヴィラ=ロボス「"ブラジル風バッハ第5番"より前奏曲」
石毛里佳「クイックモーション」
長生淳「八重奏曲」
L.アンダーソン「ワルツィング・キャット(アンコール)」

原ひとみ、江川良子、渡辺美輪子、田名部有子、曽根美紀、大栗司麻、石田裕美、平賀美樹(敬称略)というメンバー。なんとなくなのだが、ソプラノ吹きならばソプラノ吹き、アルト吹きならばアルト吹き、それぞれ想起させるイメージというものがありますね。原ひとみさんと江川さんは、かっこよくて頼れる姉御肌!みたいな(なんじゃそりゃ)。
カプースチンは、私の音楽経験の3%くらいは確実に占めているピアノ曲である。8重奏で演奏すると、さすがにピアノで聴けるような鋭角的な音の立ち上がりはないものの、8重奏という編成にはなかなかないようなカッコイイ響きに仕上がっていて、これはこれでアリかもなあと思った。続くヴィラ=ロボスは、今年9月に他界された圓田勇一氏の編曲によるもの。有名なアリアを導く、沈むような美しさがホールに響き渡った。
ぱっと雰囲気を変えて、「クイックモーション」。もともとは、アンサンブルコンテスト用に書かれた作品なのだそうで、3楽章、中休みを入れてもたったの5分程度で、急緩両極端な曲想のなかを駆け抜ける。なるほど、オリジナル作品が少ない8重奏という編成の中で、かなりの傑作に位置するものだと思った。しかし、そうは言っても、やはり本命は長生淳の「八重奏曲」だろう!録音でもライヴでも、何度か聴いたことがあるが、この編成ではすでに"古典"となりつつある、まさに磨きぬかれた傑作!演奏も、相当のハイテンションで突き進んでいった。女性8人でヒールでバン!と足を踏み鳴らす様子とか、パートごとにバトルしていく部分とか、ある意味ものすごく怖いな(^^;;;
アンコールに、可愛らしく「ワルツィング・キャット」。田名部さんの犬の鳴きまねは、ウマすぎっす(笑)。あははは。

♪カルテット・スピリタス
W.A.モーツァルト「"フィガロの結婚"序曲」
J.リュエフ「四重奏のためのコンセール」
S.バーバー「弦楽のためのアダージョ」
浅利真「ラテン・メドレー」

実は、スピリタスを聴くのは録音・実演問わず初めて。いやー、びっくりした。とにかくアンサンブルの精度が高く、しかもそれがそのままグルーヴ感に繋がっているような感じを受けた。音色も、倍音を控えめにしながらもノイズなく磨き抜かれており、まさに新世代のグループ。さすが、ハバネラやアルカンヌと対抗するほどのことはある。
モーツァルトなんて、普通の1.5倍くらい速く駆け抜けながらも、あのアンサンブルだもんなあ。もうね、指が見えなかった。すごい!そして、松井さんと波多江さんのトークの掛け合いが面白いこと!やっぱり、"しゃべり"って凄く重要ですね。スピリタスが積極的に行っている、アウトリーチの盛り上がりが想像できる。
リュエフは、「コンセール」という邦訳をつけた意味、そして各楽章のスタイルについてしっかり説明してくれたのが良かった(説明しすぎて、ステージ脇からマキの指示が飛んでいた!)。知っている人は当たり前のことだけれど、知らない人は知らないからなあ。正統派のレパートリーだけに、もの凄く研究して音楽を作っていたそうだ。名演奏だった。続いて、ちょっと明かりを落として演奏されたバーバーに、感動。
そして「ラテン・メドレー」!!おそらくもともとはヴィーヴ!SQのために書かれた曲だと思うのだが、おそらくヴィーヴが演奏しても、ここまではならないんじゃないだろうか…演奏から演出まで最高!会場が大興奮の渦に包まれていた。
こんな演奏聴いてしまったら、CD買わないわけにはいかない!ということで、その日は持ち合わせが

スピリタス終演後には、レセプションに参加。いろいろな方と交流を深めつつフェス一日目の夜は更けていくのだった。あ、Pさんのケース当選にはウケましたね~面白かった(笑)。

そうそう、一日目も、昨年に引き続き新たにいろいろな方にお会いすることができた。YAMAHAのHさんとYさん。ブログ見てくださっているらしい。フルモー氏の来日に際して、ネットを介してちょこちょことやりとりがあったのだ。伊藤あさぎさんに紹介していただいて、安井寛絵さん。以前から、ブログを拝見しており、アルカンヌSQのCDを買うお約束をさせていただいていた。Pさんに紹介していただいて、須々木由子さん。須々木さんのブログも、良く拝見している。お名前は良く存じていたが、浜松SCのみゅるGENさん。あんまり話すことの出来る時間がなかったが、またいろいろとお話したいな。

時間はさかのぼるが、Φの演奏を終えてホワイエに出たところで、Iさんという、メールを通じたお知り合いの方と初対面。お隣には、昨年のJr.コンクールで最高位を受賞し、その後の入賞者披露演奏会でも素晴らしい演奏を披露した中島諒さんが。あれ?なぜ?と思っていたところ、「私の孫なんですよー」「えーーー!!!」という衝撃の事実が。それにしても、Iさんにはご挨拶できて良かったです。どうもありがとうございました。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

お疲れ様でした。
2日目のレポートも期待してまーす。

kuri さんのコメント...

> あかいけさん

なんとか二日目のほうも書き終えましたよー。でも、長すぎてだれも読んでくれなさそうです(苦笑)。