マーク・ブンス Mark Bunceが作曲した、アルトサクソフォンとライヴエレクトロニクスのための作品「Waterwings ウォーターウィングス」の演奏に際しての覚書。
PDFの楽譜、スタディ・トラック、MAX/MSPパッチは、ブンス氏から直接購入可能である。25ドルをPayPalで支払い、ブンス氏の勤め先のウェブサーバに楽譜やパッチをアップロードしてもらい、ダウンロードするという手順で入手した。快く用意してくださった、ブンス氏に感謝。
ところが、パッチをダウンロードして、さてMAX/MSP Runtimeでテスト動作させてみるかというところで、つまづいてしまった。拡張子が.dmgとは…?調べてみると、どうやらMacのディスクイメージらしい。Macを用意すればなんとかなるが、普段使いのOSがWindowsなので、わざわざ別のプラットフォームで動かすのも面倒だ。
とにかく、このディスクイメージからファイルを読み出すしかない。インターネットのどこかのウェブページに、isoファイルと同じように読めるよー、と書いてあったので、ためしにDaemon Toolsでマウントしてみるものの、あえなく失敗。
それならば、Macのファイルシステムからファイルを読み出せるWindowsソフトはなにかないか…ということで、HFSExplorerというツールを発見した。こちらのリンク先からバイナリをダウンロードして、パソコンにインストール。本体のほか、Javaのランタイムが必要だそうなので、それもSun Microsystems社のサイトからダウンロード。
HFSExplorerを起動し、[File]メニューから[Load file system from file]を選択し、ブンス氏に送ってもらったWaterwings.dmgを選択する。すると、dmgファイルの中身が見えた!必要なのはWaterwingsMSP 1.4のフォルダだけなので、選択して、ソフト上部のExtractボタンをクリックする。保存先を指定すると、指定した先にファイルが展開される。
ファイルがWindows上で読めるようになったヽ(^∀^)ノわーーーぱちぱちぱち。ざっと見渡すと、バックグラウンドに流れるaiffファイル(waveファイルみたいなもの)、それからMAX/MSPで作成されたパッチが展開されているようだ。おそらく、パフォーマンスに使用するメインパッチはWaterwingsMSP-1.4と名付けられたファイルだろう。そのほか、リバーヴのデモンストレーションのためのパッチ、DSPステータスのコンソールパッチ(汎用のものなのか?それともブンス氏が作成したのか?かなりよくできている)などがある。
パッチを作成するためのMAX/MSPは3~4万円するようなソフトウェアだが、パッチを動かすだけのランタイム版は無償。イー・フロンティアのサイト内などからダウンロードできる。MAX/MSP Runtimeを起動して、[File]メニューから[Open]を選んで、メインのパッチを読み込んでみよう。掲載したのはファイル選択画面だが、「ファイルの種類」は[All Files (*.*)]に設定し、メインのWaterwingsMSP-1.4を読み込む。
すると、ようやく立ち上がってきました、パフォーマンスパッチ。コンソール風の画面で、左上のボックスにチェックを入れると、レディ。その右の黄色い○をMIDIペダルなりマウスなりでヒットすることで、演奏開始となる。リバーヴやアウトプット等パラメータは、○をヒットすることでセクションに応じた値に自動的に変更されるが、操作することも可能。私の場合は、この作品を良く知っている知人にオペレーターを依頼する予定なので、ペダルは使わないつもり。そして、リアルタイムでのサウンドデザインも可能…かな?(ブンス氏曰く、ディレイの音とドライの音のバランスが重要なのだそうだ)
マイクをつなげて、声を使ってテスト動作中。ディレイ効果がとても面白い作品なのだが、こうして実際にディレイのエフェクトがかかるのは、実に面白い。楽器の音を入れてみるのが楽しみだ。譜面はそれほどむずかしくないのだが、もたもたしているとできなくなりそうだからな。頑張って練習しよう。3/14、Tsukuba Saxophone Quartetの演奏会でお披露目予定。
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