サックスのダニエル・ケンジー Daniel Kientzy氏と、サウンドエンジニアのレイナ・ポーテュオンド ReinaPortuondo女史により結成された"META DUO"のCD。José LOYOLAという作曲家の「Cancion del soy todo II」というソプラノサクソフォンとエレクトロニクス、声のための作品を収録したシングルカットのCD(NOVA MUSICA NMCD 5107 C)である。収録されているのはこの一曲のみで、全体の再生時間はおよそ10分。4.5ユーロという価格設定も、もっともか。
旋法に則ったソプラノ・サクソフォンの無伴奏テーマに始まり、各種のエフェクトがかけられるセクションや、d'Eloy Machadoの「El Ambia」という詩の朗読パートなどを経、最終的に冒頭のテーマが再現されて終幕となる。まあ、ちょっと変わっているけれど実に普通に聴きやすくて良い曲、というところだ。こういう曲がシングルカットされているのって、ちょっとばかし考えられないというか。個人レーベルまでも主宰しているダニエル・ケンジー氏の力あってのことだろう。
「興味深い作品は積極的に演奏を行う」…ダニエル・ケンジー氏の影響は、フランスのみならず欧米、それどころかアジアや中南米までにも及んでいる。このサクソフォニストにインスピレーションを受けてまさに生まれようとしている作品が、きっと今この瞬間にもいくつかあるのだろう。ケンジー氏を見ていると、我々アマチュアにもできることがあるのではないか、と思えてしまう(別に初演云々ではなくとも)。…と、最後はやや話が逸れたが。
このCD、日本では流通していないが、Vandorenの楽譜・CD販売サイトである、vandorenscores.comで買える。ゲンダイオンガクを敬遠している方も、ぜひ聴いてみていただきたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿