2008/06/16

バランス

フランスの伝統的なレパートリーに縛られて、コンテンポラリーを毛嫌いするのも、ちょっとねえ。しかし現代音楽ばかりやって、本物のクラシックの表現に触れることがないのも、クラシックの楽器に取り組む者としてはどうなんだ…。

商業的な需要にばかり流されてしまうのも、いかがなものか。かといって、"ダレモシラナイ・オン・パレード"ばかりだと、当り前のように客足が遠のく。

現代フランス流の音色が広まってきているなあ。いやいや、日本には日本ならではの前時代のフランスの薫りを残した和声感を押し出した音色があるでしょう。と言いつつも、うまく切り替えながら使うことができれば、さらに表現が広がるということだろう。

弦楽器の表現。鍵盤楽器の表現。管楽器の表現。打楽器の表現。

要は、バランスが大事なのだよな、ということ。幸い、私が存じている(アマチュア・プロ問わず)サックス吹きの方々を思い浮かべてみると、クラシック・サックスに対してバランスの良い感覚を持つ奏者が多くいるなあ、と思う。そういった音楽家の演奏会にこそ積極的に足を運んでいきたいし、何より応援したくなるというものだ。

大室勇一氏の逝去と川崎のコングレス開催~これを、日本のサクソフォン界の第1期から第2期への移行と考えるならば、現在の日本のサクソフォン界は第2期から第3期への移行期と捉えられよう。その過渡期である"いま"という時代に何をするかが、今後のサクソフォン界の方向性を決定づけていくことに、ほぼ間違いはない。

この時代を背負っていくサクソフォン奏者に、なんと頼りがいのある方々の多いことか。そしてもちろん、プロフェッショナルの方に任せきりではなくて、私たちアマチュアにもできることがあるはずだ!

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