ACTUS6Fのアンナホールでコンサートを聴くのは、これが3回目。ようやく、あの極端に狭い空間の音響にも慣れてきた。蓼沼雅紀氏のコンサート。ずいぶん前(9月ごろ)にご案内いただき、ずっと楽しみにしていたものだ。デニゾフ、イベールを中心に、3本のサクソフォンを駆使したプログラム。
マリー=ジョセフ・カントルーブ「オーヴェルニュの歌第一集より『3つのブーレ』」
ドゥニ・ベダール「幻想曲」
エディソン・デニゾフ「ソナタ」
ロベルト・シューマン「アダージョとアレグロ」
ウジェーヌ・ボザ「アリア」
ジャック・イベール「室内小協奏曲」
会場は、蓼沼氏の知り合いと思しき方がたくさん(自分もですが)。ほぼ満席の中、曲間に蓼沼氏自身の解説を交えつつ、和やかに進行した。知り合いが多かったならトークはあんなもんかなあ(笑)。
蓼沼氏の音は、いつ聴いても実に美しい。ソプラノサクソフォンの音色はまるで水面下を泳ぐ魚のように自在だし、テナーサクソフォンからは包み込むような暖かさを感じる。ベダールやボザのような何気ない小品こそ、このような音で聴きたい。
カントルーブ、ベダールはまさに本領発揮といったところ。ピアニストの方も実に上手く、ピアノとサックスのアンサンブルが心地よい。さらに続いて、高校生みたいな女の子たちに、デニゾフを聴かせてしまうというのも、また(笑)。アンナホールのような響かない空間では、「孤高の」第2楽章は、ちょいと聴かせるのが難しそうだったが、第3楽章のフリー・ジャズなんかは生々しい音で迫ってくる。
休憩を挟んだ第二部は、テナーサックスによるシューマンの演奏から。ふくよかで、均一な音色。なんで同じサックスからあんな音が出るんだろうか。テナーのサイドキーあたりまで、音色を崩さずにコントロールするとは…。原曲のホルンでも、ここまでの魅力は出せまい。ボザ「アリア」を歌い上げた後は、イベール。このイベールもなかなかの佳演だった!
アンコールは、ドゥラングル編によるピアソラ「タンゴ練習曲」より第3番、クリスマスソング・メドレー。最後まで楽しいコンサートだった(^^)そういえば、オーヴェルニュ地方って、あのミネラルウォーターVOLVICが採水されているところなんだとか、へえ。
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