フェスティバル会場のロビーで、サクソフォーン協会の会報「Saxophonist」を無料配布していたので、ふーんという感じで頂戴してきた。置かれていたのは2005年版のVol.17、そして2006年版のVol.18。何が書いてあるんだろう…と何気なく中を見てびっくり!こ、こんな濃い内容の冊子が、協会員には送付されているのか。
Vol.17の内容は、なんと巻頭から前ボルドー音楽院サクソフォン科教授のマリー=ベルドナット・シャリエ女史のマスタークラスのレポート。続いて滝上氏によるサリュソフォンのレポートに、フェスティバル報告、宮崎真一氏による2004年ミネソタコングレスのレポート。さらに音大生アンサンブルのレポート、アンサンブルコンクールのレポート。
さらにパワーアップしたVol.18は、ディアナ・ロタル「シャクティ」×ダニエル・ケンジー氏来日のレポート(執筆は入野禮子氏!)、あのセルジュ・ベルトーキ氏に上田卓氏がインタビューしたサクソフォン版の武満徹「ディスタンス」誕生秘話、2005年管打入賞者コラム&審査員座談会レポート、そして、シュトックハウゼン「友情に」の聴き方・作曲技法を作曲家自らがレクチャーした講義の記録…すごい。
しかしなんとまあーマニアックな…(笑)
特に「芸術を聴く」と題された16ページに及ぶシュトックハウゼン「友情に In Freundschaft」の構成に関する分析は、ものすごく資料価値が高いものだと思った。単なる楽曲解説と異なり、「聴く側がいくつかの事項を意識することで、より作品の理解を深められる」という視点のもとに、譜例を数多く載せながら分かり易く曲の形式について述べている。ここまで気合いの入ったサクソフォン関連の資料は、今までほとんどお目にかかったことがなく、素直に感動してしまった。
シュトックハウゼンの記事はしっかり読み込んで、せっかくだからこの機会に「友情に」を「理解しながら」聴けるようになろうかな。もともと好きな曲だが、響きの面白さに触れるだけでなく、さらに突っ込んだ解釈を知ることで、さらに面白く聴けるようになるとは!
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