タイトルの「第一組曲」とはホルストの第一組曲のこと。一月のとある本番に向けて、ホルストの「第一組曲」テナーサックスパートに参加している。昔から好きな曲だったけれど、遂にここまでマトモに吹く機会がなかったため、ちょっと嬉しい。
「シャコンヌ」「間奏曲」「マーチ」から成るほんの10分ほどの小品。しかし、譜面を前にして、改めてこの曲の凄さを感じている。ここまで厳格に構成され、加えて音楽的にも優れ、さらにメロディアスで、感動的で、かつポピュラリティを確保したような吹奏楽曲って、ちょっと他には見当たらない。演奏効果と単位時間当たりの音符の数の比率を、むりやり定量的に表してみれば、どんなに大きな値をとるというのか。
ホルストがこの曲を吹奏楽(というか、Military Band)のために残してくれたのは、私たちにとって幸福なことだったと思う。いわゆる吹奏楽の「古典的」作品は、これとあとヴォーン=ウィリアムズの「イギリス民謡組曲」くらいか?こういった作品を取り上げ、こそ、真に意義のあるプログラムになる、とは思うのだが、世間のトレンドから言えば難しいのだろうか。いっそのこと、来年のコンクール課題曲を「第一組曲」にすれば(笑)。
現代に蔓延する吹奏楽曲は、ユニゾンをパリッと鳴らして、難しいフレーズの迫力にまかせて…そんな感じで客に聴かせてしまうのは簡単だろう。「第一組曲」はそういったゴマカシが効かないぶん、苦手意識はあるが、やりがいはあるというものだ。
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