ダニエル・デファイエ Daniel Deffayet氏が参加したダリウス・ミヨー「世界の創造」の録音といえば、まず代表的なのはバーンスタイン盤である。もし、これを聴いていないサクソフォン吹きがいたら迷わず買って聴いて頂きたい(これを聴かずにオーケストラの中のサクソフォンを語ることなどできない)。その音色、そして音楽の存在感は、ギイ・ダンカンらを始めとするフランス管楽器界の名手たちの自由闊達なプレイの中にあってもなお、圧倒的だ。1976年録音で、フランス国立管弦楽団との共演。
もうひとつ有名なのは、プレートルがパリ音楽院管弦楽団を振った盤。こちらは、実は聴いたことがないのだが、Thunderさんのページに記載があるので挙げておく。1961年の録音だそうだ。
そして最近、フルートのさとうさんに聴かせてもらったLPが、ダリウス・ミヨー指揮シャンゼリゼ劇場管弦楽団との共演盤。著名なバーンスタイン盤に先立つこと20年(!)デファイエがまだ30代前半のころの貴重な録音である。実はクレジット情報は書かれていないようなのだが、演奏を聴くと(最初の4音くらいで)ほぼ間違いなくデファイエと断定できる演奏。オーケストラの演奏も良く、バーンスタイン盤に匹敵するような、質の高い録音だと感じた。
驚異的なのは、1976年だろうが1956年だろうが、デファイエが吹くサクソフォンパートの解釈はほとんど変わっていないということ。30代前半にして、確固たる音楽感を持っていたというのも凄いことではないか。また、1956年ならば、まだマルセル・ミュールも現役だった時期だが、デファイエが指名されたのはなにか理由があってのことなのだろうか。
4 件のコメント:
CDはこれですね。
私もデファイエだと判断しました。
http://thunder-sax.cocolog-nifty.com/diary/2010/09/post-8ac9.html
ノンサッチというレーベルの音盤には、各社のライセンス音源がいろいろ紛れ込んでいるのですが、これがあったとは。
私もこのLPを持っておりまして、20代からずっとこの演奏に魅せられ続けています。
Saxはデファイエだったのですね。言われてみれば、このヴォイスは紛れもなく彼ですね。ヴィブラートがどうのこうの以前に、揺らぎのない音の本体自体にこそ性格が宿っているという気がします。
Thuderさん
おお!思い出しました!うーん、遅れを取った感じですね(笑)。まさか私もフルート吹きの方からご紹介いただけるとは思っていませんで、驚きました。
ちなみに、私が以前入手した「世界の創造」の自作自演盤は、録音時期が1930年代であり、また違うもののようですね…。
もしかして、デファイエ氏が参加した録音のなかでは一番古いものなのではないでしょうか?
> Sonoreさん
コメントありがとうございます。LP時代からなんですね(バーンスタイン盤は聴かれましたか?)。
デファイエ氏の音…音にアイデンティティを持たせられた奏者は、歴史的にみても稀でしょう。ちなみに今日アドルフ・サックス社の楽器を吹きに行ったのですが、デファイエの音の秘密のひとつを見つけたような気がしています。
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