2008/10/23

ご紹介:マルセル・モイーズ研究室

マルセル・ミュールが取り持つ縁でごく最近お知り合いになった、Sonoreさんのウェブページ:マルセル・モイーズ研究室をご紹介したい。ずっと昔から、ちょくちょく伺ってはいたのだが、この機会に改めて。

http://www.geocities.jp/marcelmoyse/

マルセル・モイーズは、1889年生まれのフランスのフルート奏者。パリ国立高等音楽院を卒業し、ソシエテ(パリ音楽院管弦楽団)の首席奏者として活躍する。教育者としてはパリ国立高等音楽院、ジュネーブ音楽院の教授を務めて後進を育成するなどした。主な弟子には、トレバー・ワイ、ジェームズ・ゴールウェイ、オーレル・ニコレというビッグネームが揃っている。その活躍のわりには、なかなかモイーズのフルーティストとしての功績にはあまりスポットが当てられていない。なぜかというと、モイーズ全盛期の主な録音はSPに吹き込まれたものであり、録音媒体がほとんど流通しなかったから、ということのようである。

今回ご紹介する「マルセル・モイーズ研究室」は、そのモイーズの功績にスポットを当てて、ディスコグラフィやモイーズ周辺のエピソードをまとめたウェブサイト。ディスコグラフィのほうは、単なるテキストの情報だけでなく、Sonoreさん手持ちのSPから復刻を行ったデータもアップロードされており、音源と対照しながらモイーズの録音を辿ることができる。モイーズの様々な録音がアップされている場所は、こちら(Sonoreさんから直接リンクの許可をいただきました):http://www60.tok2.com/home/sonore/

また、モイーズはパリ音楽院管弦楽団の首席奏者を務めていたということだが、エピソードの部分では、私も大変興味を引かれるソシエテ関連の記事がたくさんある。ギャルドの主席でもあったアンリ・ルボンの記事、指揮者であるフィリップ・ゴーベールの記事…デザインが洗練されており、さらに文字だけでなく写真も充実しており、久々に全部読み返してしまった。

サイトの開設は1999年。当時はインターネットの世界もまだ未発達であったが、その時から現在まで、国内のマルセル・モイーズの情報の集約地となっているようだ。

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